大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2019年3・4月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年8回発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
平和創造の意志を紡ごう〜戦時性暴力や軍事基地をめぐって〜
イースターメッセージ「災い転じて『福音』となる」
本当の「自立」に向けて(自立・就労に向けた若者と親の支援事業)
YWの窓 花とのふれあい25年 むらさきつゆくさの会
多文化共生社会への貢献を目指して 日本語教師養成講座 新カリキュラムが動きだす!

平和創造の意志を紡ごう〜戦時性暴力や軍事基地をめぐって〜

 昨年のノーベル平和賞は、コンゴ民主共和国で性暴力被害者の治療や救済に取り組むデニ・ムクウェゲ医師と、イスラム国(IS)による性暴力を証言するヤジディー教徒のナディア・ムラド氏が受賞した。究極の暴力である戦争・武力紛争には、多くの武器が使用される。「性暴力」はその一つである。
 ルワンダ大虐殺においても、旧ユーゴ武力紛争でも、例えば「民族浄化」の名の元に多数の女性たちが被害にあった。旧日本軍による制度的性暴力も、被害者の女性たちに加え、社会・国に対して深い傷を与えたために、いまだ解決していない。
 身近な社会でも性暴力が横行している。職場での“何気ない”ほのめかし、政治家の無理解から生じる無分別な発言、テレビドラマや情報番組の中のステレオタイプ、権力をチラつかせた性行為の強要。これらはすべて繋がっている。
 第一に必要なことは被害者の救済である。これは何にも代えられない。被害者の痛み・悲しみ、そしてニーズをしっかりと受け止めることは、暴力に向き合う必須のプロセスである。
 そして、暴力の影響を受けるのは被害者だけではない。傷を与えた側はそれを隠蔽しようとする。自身にウソをつく、あるいは捻じ曲げて正当化する。他者を先制攻撃し自己防衛する。第二にすべきことは加害者のニーズの聞き取りである。責任を不問にしたり、免罪するのではない。加害者が自身の暴力を認識し、変われるように助ける必要がある。
 第三に、社会・共同体としてのニーズは何かを検討する。性暴力は力関係である。強い側が弱い側を、性という側面を通じて暴力を課す。そして、それは個人間の暴力に留まらず、取り巻く社会や関係性をも傷つける。多様な性を持つ人々が共存するこの社会において、共同体として何ができるか。「#Me Too」運動は、性被害を告発する大きな世界的うねりとなった。暴力を告発し撲滅する。そしてすべての人々が安心して暮らせる社会をサポートしていくことが重要だ。すべての人に、侮蔑ではなく敬意をもって接することを規範とする社会を創り出す。
 これは、沖縄での辺野古埋め立て工事とは別問題であろうか。私には地続きのことに思えてならない。直接的暴力である工事は、そもそも「琉球処分」から現在に至るヤマトによる差別や日米同盟といった構造的暴力(それを正当化する文化的暴力も)に端を発している。済州島においても海軍基地建設をめぐり「平和の島」が揺れてきた。性差別・性暴力が戦争・軍事システムを下支えすることは、多くのフェミニスト研究者によって検証されてきた。「弱い」立場に人々を追いやり、抑圧・搾取する発想は、性という要素を通じようが、軍事基地建設であろうが、共通し、繋がっている。
 間違っていると感じるのならば、小さくとも声を出そう。ニュースとして関心を持つだけではなく、意思決定や批判行動に参加することで、他者(そして自己)への敬意を軸とする社会を創造できるはずだ。

奥本 京子 (大阪女学院大学教員、平和紛争学)

イースターメッセージ「災い転じて『福音』となる」

 2018年を表す漢字には「災」が選ばれた。天災も人災も多かった。
 筆者が神学部で出会った友人に、稀有な者がいる。1995年の阪神淡路大震災では、神戸市の自宅周辺は倒壊家屋ばかりの数日間水が出ない生活、2011年には連れ合いの仕事先であった仙台在住で、幼児を抱えて3・11に遭遇した。その数年後に出張先で会える機会があり、筆者が大学での熊本地震の被災者支援の活動を伝えると「僅かだが資金の足しに」と託してくれた。被災経験者だからこそ他人事とは思えず、心動かされ、謙虚に、無理なくできる行動を起こしてくれた。
 この活動は、2016年の熊本地震直後に、学生たちの声から誕生したボランティア団体で、「しのモン応援隊」(大学名「しののめ」+くまモン)と名付け、チャリティの企画や現地訪問も学生たちが内容を決め、教員も付き添うものだ。2018年7月の西日本豪雨災害では、大学所在の愛媛県内でも甚大な被害が出たため、1週間後の学内チャリティイベントの募金先を熊本から南予地域へと急遽切り替え、夏休みから有志で子どもたちとの遊びを通じて心のケアを行う活動を継続している。その活動で得た出会いも経験も大きい実りであった。
 ひとたび災害が起こると、住居はおろか、ライフライン、仕事や子どもの学校なども今まで通りとはいかない。表面上は元通りの生活が取り戻せたと見える後も、災害時に失ったもの、負わざるを得なかったものもある。一方で、新たな出会いや、旧来の知人、友人との交わりがさらに密になることもある。人知を超えた出会いが与えられる不思議が確かに存在する。

 復活とは、イエスにおいては弟子たちを含めたイエス共同体が新たな力を得ていくこと。被災地に生きる人々においては、単なる災害復旧ではなく、失望を受け入れられ、傷ついた心を慰め癒され、活き活きと自分らしく生きられること。それならば、被災しなければ復活できない? いつ降ってくるとも知れない天災を待つ? そんな馬鹿らしい話ではない。被災しなかった多くの人々は、何らかの関わり、交わりによって、自分たちが与えているようでかえって受け、学び、心を耕され、内面を成長させられ、ひいては自分自身の真の姿を見つけ、本来の姿を取り戻すことになる。
 復活は小難しい神学ではない。背伸びしては続かず、籠っては繋がれない。追いかけているつもりのイエスの背中は遠い。しかし、この歩みこそが復活へと繋がるのではないだろうか。

水島祥子(松山東雲女子大学・松山東雲短期大学 宗教主事 )

本当の「自立」に向けて (自立・就労に向けた若者と親の支援事業)

独立行政法人 福祉医療機構 社会福祉振興助成事業(WAM助成)

  「ニート」「パラサイト(寄生・居候)」ということばが、広く知られるようになってからずいぶん時間がたちました。これらのことばから受けるイメージはたぶん「無気力」「引きこもり」「ゲーム・ネット依存」といった否定的なものでしょう。
 大阪YWCAが2018年6月から取り組んだ「自立・就労応援プログラム〜親と本人の相談事業〜」で何組かの親子に出会う中、「ニート」「パラサイト」といったことばでは括れない様々な事情・背景があることを実感しました。一方、各ケースに共通していたのは「適切な時期に必要な支援が無かった」ことです。中学時代、何の進路指導も支援もなく貰ったのは卒業証書だけというケースもありました。
 親も本人も無為な時間を過ごした現在、相談の中で「何からどう手をつけたらいいのか」と戸惑う声を多く聞きました。初めに設定した相談期間はこの1月をもって終了となりますが、本当の「自立」にむけて、語られることばに耳を傾けゆっくりの歩みを伴に支える活動を今後も何らかの形で継続したいと実感しています。
 また、この相談事業と同時期に同じWAM助成を受けて行った「ガールズSST」には10代後半から20代後半までの若い女性10人が集いました。毎回の合宿(そのうち一回はグループパレットとの旅行)を経て、暖かく賑やかなつながりを育んで無事終了となりました。就労体験・テーブルマナー・お金やネットとの付き合い方・性の話とYWCAならではの充実したプログラム。そして仲間との出会いは、今後、彼女らの人生を支える大きな力となることでしょう。

*SST
ソーシャル・スキル・トレーニングの略で、社会生活に必要な技術訓練のこと。

*グループパレット
知的ハンディキャップのある女性たちのグループ活動。

(会員 辻川 さとみ)

YWの窓 花とのふれあい25年 むらさきつゆくさの会

 視覚障害者の生け花講座「むらさきつゆくさの会」にボランティアとして参加して、早いものでもう20数年になります。
 「むらさきつゆくさの会」は、危ないと言われ断られたり、反対されたりして、生け花を習うことを諦めていた人たちの、「生け花を習いたい」という声を受け、未生流中山文甫会の協力を得て、今から25年前に誕生しました。

 お稽古風景をちょっとご紹介すると、受講生はまず先生の解説を聞きながら見本花を手で触り、じっくり観察します。その後、席に座り生け始めます。届いたままの状態の花を、寸法を決めてハサミを入れるところから生け上げるまで自分の手で行います。その間先生方は教室を回り一人一人に声をかけ、手を添えて指導されています。教室にはガイドヘルパーや盲導犬の姿もあり、にぎやかです。
 私がいつも励まされ元気づけられるのは、受講生の、真剣にでも楽しそうに花を活ける姿、いきいきと活動される姿です。また先生方には、25年にわたって休まず指導して下さり、変わらぬ熱意で支えて下さっていること、ほんとうに感謝です。

 6月には25周年記念イベント「手でみるいけばな」を計画しています。花とのふれあい体験してみませんか。

 (会員 河合 由美子)

多文化共生社会への貢献を目指して 日本語教師養成講座 新カリキュラムが動きだす!

 2019年4月の改正入管法施行を目前に控え、国内の日本語教育や日本語教師をとりまく環境が今、大きく変化しようとしています。地域社会における日本語教育の重要性は今まで以上に高まり、日本語教師が果たす役割もさらに大きくなっていくでしょう。今後ますます「日本語と多文化共生のプロフェッショナル」としての力が、日本語教師に求められる時代となっていきます。
 そんな中、日本語教師養成講座では2019年度より新しいカリキュラムの運用を開始いたします。1年目は教養・基礎コース、2年目は実践・応用コースという2部構成で、2年制の講座となります。演習の時間を大幅に増やし、日本語に対する考察力と確かな実践力を養成する充実した講座内容となっております。
 日本語を外国語として教えるのが日本語教師の仕事。日本語の母語話者だからこそ身につけなければならない日本語の知識があります。日本語を外国語として見るというのはどういうことなのか、言葉の仕組みや成り立ち、言葉の運用についての基本的な概念を徹底的に学びます。2年間で「日本語のプロ」に、そして「頼れる先生」になるための講座です。
 養成講座の受講を通して、これからの多文化共生社会の一翼を担う人材がひとりでも多く育つことを願っています。

(文責・編集部)

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