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大阪YWCA機関紙(2013年2月特別号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年9回(4/5、12/1、8/9月が合併号)毎月1日発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
「声をあげるってカッコイイ」 ドキュメンタリー映画監督 早川由美子
ホップ ステップ 世界へ

「声をあげるってカッコイイ」 ドキュメンタリー映画監督 早川由美子

 人との出会いを大切に重ねながら、人間味あふれる映像をパワフルに撮り続ける早川さんに、たった1人での制作活動を通して見えてきたもの、感じていることをうかがった。情熱いっぱいのその魅力に迫るとともに、今私たちが生きる社会としっかり向き合って歩むためのヒントを探りたい。
なぜ映画監督に?
 初めから目指したわけではありません。普通の家庭で、社会問題など深く考えずに育ったのですが、学生時代にティッシュ配りをして、路上で働く人々と出会いました。ミュージシャンやホームレスの人たちなど…逞(たくま)しくしたたかに生きる姿に憧れを覚えました。
 大卒後公務員になったのも、女性が一生働き続けるにはいい、という路上の人たちの発言に説得力があって(笑)。外国人向けの格安ゲストハウス、六本木のぼろアパート3Kに15人くらいが住む所を見つけました。殆(ほとん)どの住人はホステスや売春で生計を立てていました。ポーランド人の女性は、民主化移行で「今まで習ったことは全部忘れて下さい。今日からこの教科書です」と先生に言われた経験をしており、いろいろカルチャーショックを受けました。
ゲストハウスでの体験が大きかったのですね。
  そうなんです! 退職後、沖縄で住み込みで働いた後、また東京に戻りゲストハウスに。社会のメインストリームではない人々や情報に興味を持ち、自分の考えを書いてミニコミ誌に持ち込むようになりました。
 そのうち駅や公園でベンチに仕切りがつき、空き地に妙なオブジェができ、ホームレスの人を排除している状況に気づきます。公園を回り100人のホームレスの人にインタビューして「東京で一番寝にくい椅子を探せ!」という記事にしました。新聞社は相手にしてくれず、韓国発の市民メディアに掲載。ところが「ホームレスになるのは自己責任」という100件以上のコメントで溢れ、記事は炎上しました。それが報道番組の制作者の目に留まって4日間公園取材の様子を撮られることに。それで映像のすごさ・力を知り、「文章と写真で伝える」という考えが変わりました。
 その後ビデオカメラを持って渡英、偶然国会前でブライアン(※1)に会い、イラク反戦運動で6年家に帰っていないと聞いて驚き、興味を持ったのです。
イギリスのジャーナリズムの学校はどうでしたか?
 しっかり技術を身につけられました。入学式で校長が言ったのが「取材対象を守るために牢屋に入る覚悟をして下さい」でした。1/3は法律の勉強。会社はあなたを守ってくれない、守ってくれるのは法律、と。
言葉のハンディはありましたが、気合い十分で、ブライアンも撮っていたし、忙しかったですね。
ブライアンさんへの取材について教えてください。
  最初ブライアンはとりあってくれず、タバコを吸っている横でぼーっと座っていました。やがておもむろに話し出したのでカメラを回し始めた。始めは面白半分でしたが、平和活動に対する警察の暴力がすごいのを実感します。太鼓やプラカードでお祭りみたいに抗議しているだけなのに、機動隊が来て逮捕していく。翌日の新聞に載ると思ったら全く出ず、出ても「デモ隊が暴徒化している」と。こうした実態を目の当たりにしてショックを受けました。これは覚悟を決めなくては、私もジャーナリストになりたいなら、こうした報道されていないものを…と決心したのが出会いから2、3カ月後でした。
作品の中で、日本の平和運動についても触れられていますね。
 私は日本の状況は知らず、大学でビラをまいただけで捕まると聞き衝撃を受けました。表現の自由はどうなっているのかと。まっとうなことを言ったら変人扱いされる日本の状況を日本人にこそ知らせたいと思いました。ロック発祥の地で反骨精神もあるイギリスでは、芸能人だって政治を語らないと頭悪いと思われるしチャリティの活動も盛ん。日本ではそれが「変な人」となる。普通に意見が言えることを当たり前にしたい、声をあげることはカッコイイ!と伝えたいと思ったのです。
帰国後、「住」をテーマ(※2)に撮りたいと思われたきっかけは?
  映画の上映を通して、日本の社会問題に関わる人たちとつながりができ、年齢層の高さに驚きました。貧困問題なら圧倒的に若い人が多いはずなのに、日本の運動には当事者がいない。正社員は過労死するほど働かされ、非正規は安い時給で、収入の大半を家賃にとられる…これでは、集会やデモに参加できない。安い家賃で暮らせて、やりたい仕事や活動をし、地域や家族の時間を大切にするには住宅問題が大事だと気づきます。
 立ち退きに直面する高幡(たかはた)台(だい)団地の住民の会(※3)の集まりを取材したら、予想外に笑い声が飛び交い面白くて! 大家から見放され、自分たちで支え合わねばならなくなったことで、逆にお年寄り扱いされてきた人たちの能力が引き出される…その方々がもともと持っていた強さに惹かれました。
撮影が進むにつれてご自分の中で何か変化は?
  住民の皆さんの一生懸命な姿から、私も腹を決めました。それまでは気恥ずかしくて「監督」と名乗っていませんでしたが、制作途中で名刺の肩書きを自主映画制作者から「ドキュメンタリー映画監督」に変えました。自主製作のゲリラ的な撮影手法では業務妨害に問われるリスクがありましたが、それも引き受け、責任をもってやっている、覚悟がある、と示したかったのです。
 私は「国に向かっている人」に興味があるのだなと気づきました。これからも「おかしいと思うことをおかしいと言う普通の人」を撮っていきたい。
若い世代に伝えたいことは?
 まず、自分の思っていることは言っていいんだ、ということ。「変じゃないかな、浮いちゃうかな」じゃなくて、やりたいことを追求してほしい。まず希望を持って、実現にはどうしたらいいか、という発想する・・・。そこからいろいろな工夫やアイデアや智恵が出てきます。無理かも…ではなく、「やる」のが前提。
海外や、国際的な活動に関心のある人にメッセージを!
  海外では細かいことにこだわらなくなりますね。そして自分の意見は口に出さないと理解してもらえない。日本だと、言葉にしなくても…逆に言葉に出すとぎくしゃくする、とか。でも日本人にもいろいろな価値観ができて、同じでなければという感覚は薄れつつありますが。私自身、海外はもちろん日本でも、上映先や取材先でいろいろな人に会い、言葉に出し、意見も聞いて話し合うことが大事な経験となっています。

 インタビュー詳細

(聞き手:大阪版編集委員会、HPに全文掲載)
早川由美子(はやかわ ゆみこ)
  1975年東京都出身。大学卒業後、公務員、会社員を経て2007年に渡英。ロンドンでジャーナリズムを学ぶ傍ら、独学でドキュメンタリー映像制作を開始。最新作「木田さんと原発、そして日本」は、インターネット動画として公開中。www.petiteadventurefilms.com

 早川由美子さんブログ(大阪YWCAの紹介)

※1:『ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1』(2009)
イギリス国会前でテント生活をしながら、10年以上英米政府のテロ撲滅戦争に反対し続けたブライアン・ホウを追ったドキュメンタリー。ブライアンやサポーターたちのインタビューを交え、国家の圧力により表現の自由が脅かされている現状と、それに対してユーモアあふれる精神で果敢に対抗する人々の姿を伝える。

※2:『さようならUR』(2011)
住宅問題を取り上げたドキュメンタリー。耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)管理の東京都日野市・高幡台団地73号棟。URは耐震改修路線から、突然の方針転換。背景にあるのは団地の削減、民営化?住民の暮らしに密着し、公共住宅問題に潜む日本の組織体制の問題点を浮き彫りにする。

※3:高幡台団地73号棟に住み続けたい住民の会 http://takahatadai73.com/

ホップ ステップ 世界へ

YWCA周辺にはいろいろなチャンスがいっぱい。昨年国際会議に参加する機会のあった2人の女性に話を聞きました。

世界YWCAのITIに 行ってきました!
           (横浜YWCA職員 今地裕美子)
◆ITIってなんですか?
 世界YWCA主催のトレーニングプログラムで、International Training Instituteの略です。今回は、女性に対する暴力、平和構築、女性のリーダーシップをテーマに、11月3日〜8日の6日間、韓国・ソウルで開かれました。
 アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパ、南北アメリカなど30カ国50人余り、学生からシニア世代の女性たちが参加。国連の取り組みやCEDAW[女性差別撤廃条約]についての学び、様々なスキルの構築やグループワークなど、盛りだくさんでしたよ。

◆日本からも何か発信した?
 はい、もちろん。軍事基地の周辺で起こる性暴力について報告しました。知らなかったと言う参加者も多く、実態を知らせるいい機会になりました。

◆他国YWCAの取り組みで印象に残ったものは?
 実際の部屋の様子を再現して、暴力のタイプや具体的な状況を伝える、フィンランドYWCAの「Rose Alley 76」キャンペーンや、地域社会と連携して政策提言や女性のスキルアップに取り組むザンビアYWCAなどです。

◆元気をもらったひと言 とかありました?
 「キャンペーンは、キットがあれば、スペシャリストじゃなくてもできる」。同じ思いを持った人が世界中で行動すれば、専門家でなくても、きっと変革(チェンジ)は起こせるんだ!と。

◆ところで、今地さんと大阪YWCAの接点は?
 大学卒業後、大阪YWCAで国際関係について学びました。そのご縁から、今は横浜YWCA職員として、暴力を受けた女性の支援事業や多文化セミナー等に携わっています。

◆最後にひと言
 
世界は広いのに、抑圧されているのは女性ばかり。そんな中、言葉も文化も肌の色も違うのに、同じ目的をもってアクションを起こす人が世界中にいるのが、YWCAの魅力ですね。日本だけで閉塞感を感じている若い人が多いかもしれないけれど、世界は広い! 広い世界に目を向けてください。

NYの国連本部で、CSWに参加してきました!
        (大阪YWCA会員 雀部(ささべ)真理)
◆CSWってなんですか?
 
国連・経済社会理事会の下にある、『女性の地位委員会』です。政府代表の会議ですが、市民の声を反映させようということで、YWCAのような国連諮問資格をもつNGOからも参加できるんです。今回は、「農山漁村の女性」がテーマだったので、農村在住の私が、日本YWCA代表で参加しました。

◆日本のYWCAからの発信は?
 都会の都合で田舎に押し付けられる原子力発電所や軍事基地に関して、いろいろな場で発言。放射線の影響は女性の性と生殖に関わる!という点を強調し、モノ中心の価値観からの脱却も訴えました。

◆世界YWCAチームの印象は?
 一番多いときは50人くらいのメンバーが世界各地から集まっていましたが、とにかく元気で積極的でフレンドリー。毎朝7時からのミーティングで、前日のハイライトを報告し合ったり、その日の予定を確認したり。誰かが発表する日には応援に駆けつけます。今回私は「高齢」の部類でしたが、20代30代の仲間とも壁を感じずに支え合えたのがうれしかったです。

◆初めての海外旅行が世界YWCA総会だったとか。
 
はい。26歳のとき、「30歳未満」の枠で日本Yの代議員として。いきなり500人規模の国際会議でチンプンカンプンながらも、当時まだアパルトヘイト下にあった南アフリカ、占領下のパレスチナなどの女性のパワーに圧倒されました。
 その四半世紀後が、今回の国連デビュー。30代の時には南太平洋に3年間赴任もしました。YWCAにつながっているおかげで世界が広がります。

◆最後にひと言
 「組織につながる」って、面倒なことも多いけれど、仲間がいるからできることも多い。そういう面で、YWCAのような国際組織の強みが、どんどん活用されるといいなと願います。

(文責 編集部)
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