大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

大阪YWCA
JAPANESE ENGLISH
TOP PAGE YWCAについて Q&A お問い合せ 交通アクセス サイトマップ
イベントカレンダー 女性支援 子ども・子育て 平和と環境 リーダーシップ養成 国際交流 その他活動
TOP PAGE > YWCAについて > ニュースレター > アーカイブ一覧 > ニュースレター14.2月特別号
YWCAについて
YWCAについて トップ
大阪YWCAの歴史・沿革
グループ活動(梅田)
グループ活動(千里)
出版物
ニュースレター
情報公開
ボランティア募集
支援のお願い
会員になる
大阪YWCAとは
大阪YWCA機関紙(2014年2月特別号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年8回発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
「ものごとの本質に迫る力を〜1945年を原点に〜」 映画『標的の村』監督 三上智恵
あなたが変わるYWCA 「ジェンダーってなに?」

「ものごとの本質に迫る力を〜1945年を原点に〜」 映画『標的の村』監督 三上智恵

 東京オリンピックに日本中の目が向けられた1964年、ベトナム戦争の訓練用に米軍が沖縄県高江につくったベトナム村。そこでは住民が南ベトナム人の役をさせられていた。本土では報道されない沖縄を描いた映画『標的の村』の監督として、また、テレビ局で報道に携わる立場として、「原点はいつも1945年」と語る三上智恵さんにその原動力、沖縄に寄せる思いを聞いた。
どんな子ども時代でしたか?

 小さい時から、原爆の本をよく読んでたんですよ。マンガだったら『はだしのゲン』とか、怖いけどすごく興味があったんです、原爆に。
でも、小学校6年生の時に初めて沖縄に行くんです。私、帰国子女だし外国もたくさん行った経験があるのに、このとき沖縄で大ショックを受けた。「なんだここ!」と思いました。文化や言葉も、これ日本かなって思うし。それから、父親に連れられて、容赦ない、すごいディープな戦跡めぐりをしたんです。もう怖いし気持ち悪いし、子供心に原爆より酷いこともあったのかと感じて。比較じゃないんですけど。
 そこから、沖縄の事が書いてある本やテレビは手当たり次第見て、まったく沖縄に“憑りつかれた”状態に。高校の時はもう自分で沖縄に通うくらいになって、沖縄の民俗学をやれば、沖縄に入り浸れるなぁと思って、大学では宮古島の民俗学を専門にしました。

ジャーナリストになるきっかけは?
 どこにジャーナリストになるきっかけがあったのかなと思うと、ホントに分からないです。私にとって原点はいつも1945年。日本が、ゼロ地点になった時。いつもそこから考えています。
 沖縄戦からこっち、島にはずっと軍隊がいる。戦争や人殺しという「平和じゃない状況」から、沖縄は一日も逃れたことがないんですよね。で、それはやっぱりどう考えてもおかしいし。
 「基地があった方がいいと言う人もいるよね」という見方は私はできない。今現在の経済生活の一部になっているからという切り口でそう言えたとしても、多くの人の人権を脅かす存在であることを「どっちの考えもあるよ、難しいね」と思考停止するのでは被害は止まらない。それよりも原点を1945年において考えれば、戦争の前には基地がなかったから、戦争になる前の沖縄の暮らしを取り戻すことは当たり前だと思う。
 12歳の時に沖縄に行って、沖縄戦のことを勉強した、そのベースには原爆があった、というのが私の原点。日本が戦争をしたという事と、その代償として何があったのかみたいな事は自分たちが背負っていかないといけないと思っていた。なんか私はそういう子だったんですね。
沖縄のことを伝えていこうとする原動力は
 たぶん沖縄戦でしょうね。たくさん取材している中で、お年寄りが戦争の体験をお話ししてくれるんですが、まあ、聞くに堪えないことばっかりですよね。このおじい、おばあたちが、今現在も物凄く闘っている。いつまでこの人たちに闘わせてるのかなって、思う。彼らが闘っている原動力は、『後生(ぐそう)』(あの世)に行った時に、戦争で別れてしまった人たちに会って、「沖縄を元のような平和な島にしたよ」って言いたい、という想いから。
 沖縄のおじぃ、おばぁたちは、若い時から日米両政府っていうものすごく大きなものに対抗してきて、いろんな知恵を持ってるんです。3日徹夜でするような頑張り方をしたら翌日来られない。そんな闘い方をしたら、結局こっちが負けてしまうから、辺野古の座り込みとかも、3時とか4時に切り上げて終わるんですよね。終わって、楽しいこともして、休みも取って、翌日も来たい、って余力を残して終わる。
映画『標的の村』について
 高江の一番大きな問題は、国が座り込みを通行妨害とし、裁判にかけたこと。7歳の女の子まで訴えて問題になって、すぐに取り下げたんです。デモや、旗を立てて座り込むのは力のない民衆が異議を唱えるための伝統的な表現手段です。表現の自由の中で政府に対してものを言っていく、そんな民衆の座り込みを、国は、たまたま手を挙げていたか座っていたかを法廷で追求し“犯罪者”に仕立て上げ、延々と裁判をやって行く。また、それを世の中が問題視しないというのが、もう、とてつもなく恐ろしいと思ったんですよ。各社が大したニュースにしないので、「もう、私がやるしかない」と思ったわけです。
 この映画を観たら、自然豊かな高江という集落や、そこで普通に生きている子だくさんの一家にも好感を持つと思うし、子どもたちの笑顔を見て癒されるし。この子たちがもしも泣いていたら、「え、泣かないで!」って思うじゃないですか。“日本の安全”という名目で、この家族が泣いているということを具体的に知ったらね、国策にうすく関わっている者として、それでも「私知らないもん、自分の生活に必死だもん」って、見殺しにすることができるかどうか。世知辛い世の中で、人の事なんて構ってられないというのがある一方で、でも、人間ってやっぱり、具体的に、訴えられた女の子とかの顔を見た時にね、この子たちを誰が苦しめてるの?って、居ても立ってもいられない気持ちになるもんだと思うんですよ。
 自主上映に私は期待してます。社会の矛盾に向き合う力と智恵のある人が、信頼できる人にさらに声をかけて観てくれる。そうしてみんなで怒りを共有 して「このままにしておいたらダメだ」「来月行ってみない?」ていう話にならないかと。沖縄の人たちの力強い映像が人を掘り起こす力になると思うんです。
若い人が社会を変える力になるには
 若い人の中に、ルールの好きな人が多い印象がありますね。「どんなものにも、ルールってあるよね。お互い守らないと」っていうまことしやかなお利口さんで小さくまとまってみせる。でもそれは思考停止かも知れない。ルール自体を疑うべきと思う。
 撮影現場でも、「プライバシーの問題があるから」と言われるとすぐ引いてしまったりするけど、誰も傷つかないで報道なんかできないんですよ。決められたルールを越えて何かをやるという事を怖がるより、そんなルールを作った人に自分の身を任せる事が本当に怖いんじゃないかな。
 そして今ではとんでもない事になって、秘密保護法がね。この法案に対して、やっぱり国には守らないといけない秘密もあるでしょうって、それ以上疑わない、踏み込まない、「お上の考えることはきっとある程度正しい」とその先は思考停止してるんじゃだめ。法律だってね、「悪法も法なり」なんて解ったような解説を加えるのではなく、ホントに人を幸せにする法律なのかを疑って、良くして行かなければいけない。
女性へのエールを
 いいドキュメンタリーを作ったりいい仕事をしてる人って、今、女の人に多いですよね。女の人って、年齢とか顔とかはごまかしてるけども(笑)、だけど生き方でごまかすっていうのはあまりしない。だって女の人って、「嘘ついちゃダメよ」って、子どもたちに対面する機会が多くて、だから政府のごまかしを敏感に見抜ける。だからね、そういう物事の本質に迫る能力っていうのは、女の人は絶対優れてるんですよね。こういう日本を救うのは女の人だと思う。そして繋がって行くことがやっぱり力になるのかな。

(聞き手:編集委員会)
三上 智恵(みかみ ちえ)
  1964年東京生まれ、大阪毎日放送を経て1995年琉球朝日放送入社。ニュース番組のメインキャスターを務めつつ、沖縄国際大学非常勤講師(沖縄民俗)。沖縄戦や基地問題の他、海洋環境と沖縄文化に関する番組も精力的に製作。2010年放送ウーマン賞他、受賞多数。

あなたが変わるYWCA 「ジェンダーってなに?」

女らしくとか男のくせにとか言われて、むっとしたことありませんか?
「ジェンダー」とは社会的文化的に作られた女・男の区別や固定観念です。兄弟姉妹で扱いが違うと反発したり、女性なら学校時代は男女差別を殆ど感じなかったけど、就活でびっくり、とか。
職場で「エーッ、そんな!」という経験もあるでしょう。「女性で得した」という人、それもどういうことでしょう?一度シャッフルして、自分のジェンダー意識を探ってみませんか。男性も必見。ジェンダーは当然男性の問題でもあります。

あなたのジェンダー意識度がわかる
    ジェンダーチェックマップはこちらでご覧いただけます

ページトップ
│ イベントカレンダー │ 女性支援 │ 子ども・子育て │ 平和と環境 │ リーダーシップ養成 │ 国際交流 │ その他活動 │
│ お問い合せ │ リンク │ プライバシーポリシー │ 特定商取引に関する法律に基づく表示 │ 日本YWCA │ 大阪YWCA専門学校 │
公益財団法人 大阪YWCA : 〒530-0026 大阪市北区神山町11-12 TEL. 06-6361-0838 FAX : 06-6361-2997 MAIL : info@osaka.ywca.or.jp
Copyright (C) 2007 Osaka YWCA. All Rights Reserved.