「誰もが、特に子どもたちが、安心して暮らせる家をつくろう!」
私がこの夢を意識しだしたのはこの10年くらいでしょうか。
家族やコミュニティが崩壊し、家のない子どもたち、家族なき高齢者、家も家族もない単身者が増加する社会です。そうした中で、(血縁にしばられない)新しい家族とハウスとコミュニティの再構築の拠点となりうるような、すてきな家をつくろう、と願ってきました。
その夢がことし4月27日に「eトコ」となってスタートしました。夢の背景には、私のふたつの体験があります。
ひとつは生い立ちの中から。私の実家がすでに、子どもや女性のための駆け込み寺であり、シェルターだったのです。長屋の小さな家には、いつもたくさんの人が家族として暮らしていました。母の人柄のせいで、いつのまにかそうなっていました。もうひとつは、YWCAでのたくさんの出会いと学びです。とりわけ、DV被害女性のためのステップハウスが実現したことは大きな契機となりました。次は子どものための家が欲しい、と強く思うようになったのです。
「eトコ」は大阪市東成区の鶴橋駅近くにあります。27坪の5階建ての建物です。@コミュニティに開かれたスペースとA居住するスペースがあります。@ではウリホールやウリラボの名のついた部屋があり、小さな催しや学習会などができます。Aはウリハウスと呼び、個室が三つプラスαあります。
「eトコ」を運営するeトコ・プロジェクトでは、特に、児童養護施設にいる、また卒園した若者のグループ「CVV」の活動を支援しています。現役生が集まるみんなの会や、卒園生のためのよりみち堂という活動が実施されています。ウリハウスで居住する人のイメージは児童養護施設を出たあとの若者たち、そのステップハウスというイメージですが、まだ現在はいません。ゆっくり募集中です。
今、私たち夫婦はここに住んで、「週末家族」などのお泊り会や、人権学習の研修会、地域のおかあさんのためのサロンが始まりました。
母から、YWCAから、学んできたたくさんのことを栄養にしながら、「eトコ」をみんなのいいところになるよう、努めていきたいと思います。どうぞ応援してください。
(きむ かゆり 大阪YWCA会員)
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