大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

大阪YWCA
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大阪YWCA機関紙(2013年2月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年9回(4/5、12/1、8/9月が合併号)毎月1日発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。

ぶれることなく

2012年度事業報告
教育事業
専門学校事業 | 日本語教師を養成する事業 | 生涯学習の各種クラス・講座
平和・人権・環境と人材育成
人材育成・研修事業 | 平和・環境についての学習と啓発事業 | 国際的な諸問題についての学習と啓発事業 | 東日本大震災被災者支援
社会的に弱い立場におかれた人への支援事業
グループパレット | 視覚障がいをもつ人の社会参加を支援する事業 | 高齢者の社会参加を支援する事業 | DV被害女性の支援事業 | 中国残留邦人等への支援事業
青少年育成事業
青少年活動 | 子ども図書室 | 子育て支援事業 | ホームステイプロジェクト
ボランティア養成
梅田 | 千里
広報
大阪版 | 広報
その他
ビッグイベント | バザー

ぶれることなく

会長:片山 淳子
 今私たちの社会には大きな変化の波が押し寄せている。世界のあちこちで起きている紛争や貧困問題を思い、今の国の動きに強く危機感をつのらせる中、平和・環境部委員会が2006年度に発行した冊子『語り継ぐ9条 子や孫と平和について語りあおう』を改めて読んだ。軍国主義の時代を生きた方々の生々しい体験談に思わず涙し、若い人たちの日本国憲法と9条に対する熱い思いに感動。ぜひ多くの人に読んでもらいたい。
 第96回定期会員集会は「平和、平和、遠くにいる者にも近くにいる者にも。」(イザヤ書57章19節)を標語とし、3月2日(土)シヤロン千里を会場に開催する。開会礼拝は千里聖愛教会中井大介牧師にメッセージをいただく。
 2013年度の事業計画としては、10月11日(金)に95周年記念「仲道郁代ピアノコンサート」をいずみホールで催す。素晴らしい演奏会に、沢山の会員の参加を心よりお待ちしている。ピースアクションの日程は未定であるが、改憲の動きがある中それに立ち向かう取り組みを考えている。恒例のクリスマスバザー、3市Y交流会(大阪・神戸・京都)、YM/YW合同祈祷週集会に加え、100周年に向けて実行委員会組織の準備に入ることを予定している。
 現在運営委員会では、大阪YWCAとして掲げた<ビジョン2020>の具現化に向けての協議を重ねている。今ある委員会組織の改革も含めて検討中だ。会員の総力で元気なYWCAを作っていきたい。
 厳しい財政事情の中、ボランティア社会貢献部門として何が出来るか。ビジョン2020を実現するために会員を増やし賛同者をふやすことを、会員全員が他人事ではなく自分のこととしてとらえたい。「すべての人は神の前に等しい価値をもち、かけがえのない命を与えられている」というYWCA の理念のもと、危機感を共有し、自分たちで出来ることをぶれることなく踏み出していくことを願っている。
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2012年度事業報告

 公益財団法人として、本格的な始動となった今年度は、日本の厳しい経済・社会状況の中で突破口を求めて試行錯誤をした1年となった。その中で、他団体との協働や加盟ネットワークの中での事業・活動が活発に行われた。大阪府国際化戦略アクションプログラムの一環である「留学生ボランティアリーダー育成プログラム」を、大阪府専修学校各種学校連合会の会員校として担当した。「大阪の魅力を世界に伝えることのできる」留学生の育成を目的に、大阪府内の大学や専修学校に学ぶ留学生が、リーダーに必要な研修を受け、ボランティア体験を重ね、ほかのボランティアを率いて交流イベント等に参加するプログラム。事業部と社会貢献活動部門がタッグを組んで取り組んだ。人材育成・研修センターも他団体と共に日本に住む外国人のためのホームヘルパー2級取得講座を、女性エンパワメント部は近畿ブロックのシェルターや女性支援団体と全国規模のシンポジウムを開催。単独ではできない経験を積むと共に、ネットワークを深めることもできた。内部においても、中国残留邦人等への支援事業に梅田会員部委員会が協力、国際部と青少年部がクリスマス会を合同で開催する等、大阪Yの活動の多様さを活かした、合同の取り組みが行われている。
 今年度は、日本Yの全国会員総会が11/23(金・祝)〜25(日)に行われ、大阪Yからは代議員13名を含む22名が参加した。総会後に行われたY’s Wonderful Women賞には、大阪Yから5名の先輩会員を推薦。感謝のメッセージ入りの盾が送られた。恒例となった神戸・京都・大阪の3市Y交流会は、10月に神戸Yの主催で開催された。ゲストは、韓国Yで若い女性のリーダーシップ養成に力を入れているハン・ミミ。世代を超えて活動をつないでいくための様々なヒントを得、取り組むモチベーションを高める場となった。
 YM/YW合同祈祷週集会は、「暴力に勝利はない―人権と尊厳の尊重をめざして―」を主題に、関西韓国YMCAで行われた。
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教育事業

【専門学校事業】
 日本語学科は、これまでにも増して、広報に注力した。7月には台湾3都市での留学フェアに、11月にはベトナムホーチミン市で初めて開かれた大阪府の産学官連携留学&就職フェアに出展。特に後者では、氏原庸子専任講師の「大阪弁入門講座」が大人気で、ファッションやアニメ関連のセミナーを上回る参加者を得た。日本語学科に特化したウェブサイトを新たに制作し、コースの多様性、教師の質の高さをアピールすると共に、親しみやすさを感じさせるページとなった。日中関係の悪化、経済状況の厳しさなどにより、留学生獲得がままならない今だからこそ、日本語学校としての認知度を上げる努力を地道に続けている。全日制クラスでは、9月下旬にクラスの枠を外した日本語能力試験対策授業を実施し、得点力アップを目指した。3年目を迎えた「留学生基礎力講座」は、自身の留学目的を明確にする機会となっている。
 別科日本語コースは、モーニングコース、イブニングコース、日本語能力試験準備コース、夏期集中コース、プライベートレッスンを開催した。
 短い滞在の間に集中して勉強したい人、出張が多く、夜でも週1回の受講がやっとの人など、それぞれの都合に合わせて実施するプライベートレッスンの人気が高い。
 奨学金委員会による選考を経て、日本語学科本科生9名に以下の通り奨学金が支給された。独立行政法人日本学生支援機構私費外国人留学生等学習奨励費(1名)、大阪心斎橋ロータリークラブ奨学金(2名)、大阪YWCA奨学金(4名)、大阪YWCA留学生里親の会奨学金(2名)。今年度は奨学金への寄付協力依頼に力を入れ、鈴木保奨学金の来年度開設が決まった。
 国際関係開発学科は、今年度も入学希望者が不足し、開講できなかった。
【日本語教師を養成する事業】
 日本語教師養成講座は、日本語教育に関する知識や理論を学ぶ基礎コースと、演習・実習を重ね実践力を身につける応用コースを開講した。年間を通じて行っている日本語学習者との交流プログラム以外にも、日本語学科本科や中国帰国者支援交流センターの会話授業にボランティアとして積極的に参加する受講生が多かった。秋期募集に向けては、通常の講座説明会に加え海外での日本語教師体験談や外国人からみた日本語をテーマにミニ講座を実施した。 しかし受講生数は年々減少しており、今後の講座運営の見直しを図ることが急務となっている。
 日本語教師会は、地域の国際交流協会等での日本語ボランティア向け講習会や日本語教室への講師派遣を今年度も活発に行った(12月現在10件)。また、昨年度に引き続き、文化庁委託事業「生活者としての外国人」のための日本語教育事業「地域で活躍できる!日本語ボランティアになる講座」を開催する一方、新たな取り組みとして、音声教材「子育て中のおかあさん、おとうさんのための生活日本語会話」を制作している。
 大学等では、新たに大阪府委託事業「留学生のキャリア・ディベロップメント講座」を修成建設専門学校と阪南大学で実施した。
 その他、人材育成・研修センターと共に「ヴェトナム人新入社員研修」「介護ヘルパー2級講座受講のための日本語教室」を実施した。
 教材開発では、「くらべてわかる中級日本語表現文型ドリル」が出版された。
 講座関係では、昨年に引き続き、現職日本語教師向けの講座「日本語教育ステップアップ講座 これならできる!ニュースを使って読解授業」、「日本語教育能力検定試験対策講座」「日本語初級/中級文型の教え方講座」を実施した。また、公開セミナー「イタリアの日本語教育事情」「日中対照言語学」「日本語コミュニケーションの『状況パターン』とその文型」、近畿中国帰国者支援・交流センターと共催で「異文化理解ワークショップ」を行った。
 研修会・研究会関係では、「対照言語学研究会」「文法・構文研究会」、大阪YWCAで初めて教える会員を対象にした「新人研修プログラム」を引き続き実施した。
【生涯学習の各種クラス・講座】
 韓国語は春期4クラス、秋期3クラスを開講した。クラスぐるみの交流が盛んで、長く受講している受講生も多い。佐藤恵津子講師の英語講座は、9月でオルコット作「若草物語」の講読を終了し、秋からはピーター・ミルワードの軽い紀行文を楽しむ「英語でめぐるイギリス文学散歩」に衣替えした。
 子どもと子どもの本の講座では、ロシアの昔話、アンデルセン、「こすずめのぼうけん」で知られるエインズワースの作品など、さまざまなテーマの講義を単発で受講することのできる「児童文学を楽しむ特別講座」が、今年も盛況であった。「図書館・学校ボランティアのためのコース」は、児童サービスの重要性に焦点を絞ったYWCAならではの取り組みであるが、受講者が図書館の職員や学校の司書教諭、ボランティアスタッフ等、必要性を痛感している少数に留まった。
 教養講座をシリーズで開催した。定番となってきた美術鑑賞講座は、今年も人気講師の大久保恭子関西外国語大学助教授を迎えて開催。「名画を楽しむツボ」のタイトルで、秋に美術展開催予定の絵画について3回連続で行った。「ユーラシアの古層〜生と死の文化をトランシルバニアに探る」を3回に渡り開催。講師である奥西峻介大阪大学名誉教授ご自身の手で収集された資料と膨大な知識の量は聞く者を圧倒した。続編を望む声も大きく、2月より「旧約聖書と民俗学」を全10回で開講する。
 俳句講座は丁寧な声かけを通じて集まった受講生が、楽しく句作に励んでいる。
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平和・人権・環境と人材育成

【人材育成・研修事業】
 対人援助者育成をテーマに、会員5名、職員2名からなるプロジェクトチームで講座開発に取り組んだ。これまで好評を得てきた「傾聴力養成」を皮切りに、これまで継続的に講座を開講してきた「グリーフケア」や「エンディング」、さらに、性暴力被害、発達障がい、子ども虐待、認知症理解など、さまざまな社会的課題の第一線で活動している対人援助者を講師に迎え、「傾聴からはじまるソーシャルワークセミナー」が誕生した。11月から13年3月までの全16回。ソーシャルワークの現場に携わる人たちが多数受講している。
 他に「PCMを活用したKey To Meセミナー」、「発声・滑舌集中トレーニング」、「じょうずにしかって じょうずに子育て♪」、「忙しい方のためのセルフケア 心と体の癒し方」など、ビジネスの現場でも、家庭でも活用できる実践的な内容の講座を提供した。
 新しい試みとして、大阪府の「新しい公共支援事業」の補助を受けて、NPO法人みらいず、NPO法人多文化共生センター、一般財団法人ダイバーシティ研究所と共催で、日本に住む外国人や中国帰国者のためのホームヘルパー2級資格取得講座を実施中。
【平和・環境についての学習と啓発事業】
 東日本大震災から1年が経過。福島の子どもたちの現状を知るため、世界YWCA日プログラムとして、月1回現地での健康相談を行っている山崎知行医師から報道では聞くことのないお母さんたちが抱える苦悩などを聴いた。6月には、大阪YWCAピースアクションとして安斎育郎立命館大学名誉教授を講師に講演会「原発に頼らないこれからの社会」を開催。放射能を怖がるだけでは原発はなくならい。原発を許してきた社会を変えようという意識が原発のない未来をつくるとのメッセージをいただいた。
 沖縄返還から40年。沖縄慰霊の日にあたる6月23日に、「会員と語る平和 あつ〜い沖縄」を開催。沖縄に行ったばかりの3名をゲストに迎え、沖縄について語り合った。11月には機関紙に協力いただいた反差別国際運動(IMADR)よりジュネーブ駐在の白根大輔氏をゲストに「たこ焼き食べて 沖縄と国際人権を考える」会をもった。この企画は、さまざまなテーマでさまざまな人たちが集い、社会を変える「大阪ええじゃないか」(主催AIBO)の企画に参加する形で開催された。その他、会員有志で沖縄グループを結成。今後も沖縄に寄り添って活動を続ける予定である。
 連続学習会も開催した。テーマは「大人の社会科」。学校ではなかなか詳しく勉強できなかった近現代史を、元府立高校講師の小澤裕子会員を講師に第1回「明治維新前後の日本と世界」、第2回「日清・日露戦争前後の日本と世界」を行った。今後もシリーズで開催する予定。
【国際的な諸問題についての学習と啓発事業】
 コモンコンサーン(世界YWCA機関誌)を読む会では世界Yが掲げるテーマ「女性が創り出す安全な世界」に関連する各国のYWCAの活動を知り、世界の課題を学んでいる。11月には、国連による制定後初の国際ガールズデー(10月11日)を受け、少女や若い女性に関する課題を中心に学習。世界Yでも早急の課題となっているHIV/AIDSの問題に触れ、女性の権利や自己決定の大切さを中高生と共に学ぶサポーター養成を目指し活動を続けている。11月と1月には自らの体や心、恋愛やジェンダーに関することを安心して話し合える「語り場」を開催。パレスチナグループはパレスチナとより身近につながる活動展開を目指し、ベツレヘム難民キャンプにある文化センター「アジアール」との交流を続けている。また京都YWCAパレスチナ/イスラエルの平和を考えるグループ“ブクラ”との交流会や吹田市国際国流勉強会で活動報告を行った。情報発信かわら版「りさーら」は8月に第32号を発行し、第33号は2月に発行予定。開発教育研究会は、多文化共生について考えるワークショップ「サンチャゴ君、なんで?」を引き続き製作し、2月のワンワールドフェスティバルでもワークショップを予定している。
【東日本大震災被災者支援】
 震災から一年が経ち、関西ではともすれば薄れがちな被災地への思いを新たにしようと、被災地の現状を知り思いを繋ぐ音楽ライブ「stand by you」を5/27に実施。4組の若手アーティスト協力のもと、音楽を楽しみながら大阪でできる支援を呼びかけ、大阪YWCAの被災者支援を若い世代に向けてアピールする機会ともなった。
 8月には春休みに続く第2弾大阪わいわいステイプログラムを実施し、依然として放射能の影響下にある福島県在住の子ども9名を招待した。様々な委員会の協力のもと、子どもたちは青少年部の夏キャンプや会員宅でのホームステイ、大阪名所を巡る“大阪こてこてツアー”を楽しんだ。
 また、県外避難者支援を模索するほか、定期的に東北物産の販売を行っている。
 2月に福島第一原発事故後の福島の生活を撮影した映画「普通の生活」上映会とピアノを通して東北で支援活動を行う河野康弘氏のトーク&コンサートを「ゆるりカフェ企画・映像と音楽でつづる福島の今」として開催予定。これはエコポイントの寄付金制度を利用し、関西NGO協議会との共催で行う。
 3・11から2年を迎えるが、3月には春の大阪わいわいステイプログラムを予定。震災後2年を迎える3月10日には大阪駅周辺で街頭募金を行う。3月11日には、「3・11に想いを馳せる会を梅田・千里の会館で持つ予定。3/16(土)に福島を定期的に訪れている山崎喜美子氏を招いて福島の現状を聴く会を予定。
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社会的に弱い立場におかれた人への支援事業

【グループパレット】
 31年目を迎えたグループパレット(知的ハンディキャップをもった女性たちの余暇活動グループ)は、今年度も知的ハンディキャップを持つメンバーが委員会に委員や陪席として参加。ボランティアとともにその場をつくり、互いに支えあいながら月2回の例会や一泊旅行を計画・実施した。2月には30周年記念ソング「虹パレットにのせて」をスタジオ録音する予定。
【視覚障がいをもつ人の社会参加を支援する事業】
 18年目となる視覚障がい者の生け花講座むらさきつゆくさの会は未生流中山文甫会の協力を得、講師の温かい指導のもと、楽しく稽古に励んでいる。リーディンググループは、依頼図書の音訳奉仕を続けている。会員クリスマスでは朗読を披露し、会を盛り上げた。
 点字子ども図書室は、点字本製作を活発におこなっている。例年通り、統合教育を行う小中学校の算数・数学の教科書の点訳も行っている。
【高齢者の社会参加を支援する事業】
 千里ボランティア委員会は、地域やシャロン千里内で様々なボランティア活動を展開している。昨年度から隔月(奇数月)の実施となった高齢者昼食会「いこいの集い」や、毎週木曜日に「配食サービス」のお弁当を作り届けることで、地域との交流の輪が広がっている。デイサービス喫茶ボランティア「シャロンカフェ」やケアハウス入居者に対する「おしゃべりルーム」は利用者とボランティアが共に作り上げる場として定着し、シャロン千里の福祉活動をサポートする役割も担っている。井戸端カフェ茶話茶話は、シャロン千里に集う人たちのコミュニケーションの場として毎月2回玄関ロビーで開店。ケアハウス入居者にも定着し、開店を心待ちにしている。主催講座は、11月に安田依央(小説家・司法書士)を講師に迎え、講演会「老い支度、死に支度」を開催。一般の参加者も多く、関心の高さがうかがえた。
 ボランティア研修は、1月〜3月に部署間の交流を実施。委員会メンバーが担当部署以外の現場を体験し、その活動内容を会員や外部に伝えられるようになることで、ボランティア獲得を目指す試みである。
【DV被害女性の支援事業】
 今年度は、大阪府阪南市で行われた第15回全国シェルターシンポジウムに実行委員として参加した。当日は「暴力の連鎖をたつ」というテーマで分科会も担当。DV家庭に育ちながら、地域の子育て支援や絵本の読み聞かせを通して暴力にさらされた子どもの心のケアの活動を行う荒巻仁と、金香百合会員が、暴力の連鎖を止めるための意志と知恵、具体的な実践の数々を語った。
 「暴力のない社会を創る!」という思いを多くの人と共有し、社会に広げたいと昨年度から検討を続けていた啓発バッジ「パープル*オレンジリボン」がついに完成。パープルリボン(女性に対する暴力をなくすシンボル)とオレンジリボン(児童虐待防止)の2色を組み合わせており、2つの問題が重なりあい、互いに影響し合っていることを表現している。1つ300円で好評発売中。
 12月から、NPO法人全国女性シェルターネットに協力して「寄り添いホットライン事業」の電話相談を担当。一昨年実施した内閣府の「パープルダイヤル」での経験や学びを活かす取り組みである。
 ステップハウスは今年度も年間を通じて2〜3名の利用が続いている。行政や関連機関と連絡を密にとりながら支援を行っている。「ステップハウスを支える会」は5月に年次レターbUを発行。会員数は現在43名。国際ソロプチミスト大阪の他、個人、企業からも多数の寄付をいただいている。昨年度に引き続き大阪府共同募金会からの助成を受け、ステップハウス各居室に小型冷蔵庫を備え付けた。
【中国残留邦人等への支援事業】
 中国帰国者T世の高齢化にともない、特に医療、介護への支援の必要性が年々高まっている。各地域自治体、支援団体との協力の下、T世には、通訳派遣、孤立防止のための交流活動などの支援を、そのT世を支えるU・V世には日本語学習支援、就労支援を重点的に行った。
 厚生労働省委託事業である近畿中国帰国者支援・交流センターでは、本年度、春夏期12コース19クラス、秋冬期12コース19クラスを開講し、12月末現在延べ約250名が在籍。また、地域交流事業であるT世世代対象の「朗朗(ランラン)クラブ」にはのべ約100名が、歌、太極拳、腰痛予防体操、パステル画、和洋裁などに参加している。また、新たな課外活動として、受講生の自主運営である社交ダンスコーナーが始まり、約30名が登録、ダンスを楽しんでいる。日本語学習支援としては、入門〜上級レベルの日本語コースを開講した。今年度新たに、「日常生活で日本語を話すことがない」という高齢学習者のため、傾聴のトレーニングを受けた会員の協力のもと、毎週火曜日、会員と学習者が日本語のみで交流する時間を設けた。この経験を通して、学習者が自信を持って、それぞれの居住地域で日本語を使うきっかけになることを期待している。また、若年層のキャリアアップ支援を目的とした資格取得対策、就職対策、パソコンコースも開講した。「日本語能力試験」「ビジネス日本語能力テスト」「秘書検定」「通訳案内士」「MOS」に挑戦、多数が合格した。これら通学学習課程に参加できない帰国者のためには、遠隔学習課程(通信教育)のスクーリングを実施した。遠隔学習課程のうち、「ホームヘルパー受講準備コース」は当センターが開講。9月に実施した各自治体職員対象の「近畿ブロック担当者連絡会議」では、23の自治体から各地域の支援状況に関する報告があった。2月には、京都府にて支援に係わる人々を対象に「ボランティア研修会」を実施予定である。その他にも、支援者の協力の下、三重県などで地域に住む人々との地域交流を実施した。また、地域生活支援推進として、地域で支援活動をするNPO、ボランティア団体とつながりを持って情報収集に努めた。就職援助事業では、「職務経歴書の書き方指導」「就労面接練習」「ハローワークでの求職体験実習」「ビジネスマナー講座」を実施した。
 堺市中国帰国者支援事業である堺健老クラブは、毎週木曜日3クラスを実施、約40名が在籍している。3クラス合同で行う課外授業には、地域ボランティア約15名が参加。関空施設見学、和歌山県の帰国者訪問、調理実習など教室外で日本語を使う機会も多く設けた。
 大阪市中国帰国者支援事業では梅田に高齢者対象の日本語ゆっくりコースを午前4クラス午後5クラス、パソコンコースを2クラス、平野区に日本語コース2クラス、朗朗自習パソコンクラス1クラスを開講し約100名が在籍。この他、自立支援通訳・自立指導員派遣事業として月約150回の派遣を行った。
 門真市中国帰国者支援事業では毎週日曜日、日本語コース3クラスを開講、約40名が在籍。地域交流を目的に実施している「朗朗門真」には、毎回10〜15名ほどが参加。
 京都市・宇治市中国帰国者支援事業では日本語コース2クラスを開講し約20名が在籍。高齢者対象の「朗朗京都」には、約30名が登録、月2回、実施している。地域社会への参加の一つとして、教室がある城南勤労福祉会館の「会館祭り」にも参加した。
 近江八幡市中国帰国者支援事業では日本語コース2クラスを開講し、9名が在籍。課外活動では、地域ボランティと共に手芸などを楽しんだ。
 その他に、和歌山県、大阪府の中国帰国者支援事業を受託し、集住地域外の帰国者も孤立することがなく地域とのつながりが持てるよう、プログラムを実施した。
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青少年育成事業

【青少年活動】
 ハロハロワールドスクールは「In Your Shoes〜あなたの視点、私の視点〜」をテーマに、デイプログラムを3回行った。5月にはアイヌ民族の方をゲストにアイヌの文化や言葉、自然への思いを学び、9月には貿易ゲームを通して、世界の不平等や経済格差を考えるプログラムを行った。2月はおさかなゲームを通して、自らの生活と他国の環境破壊を考えるプログラムを実施予定。開発教育研究会は、多文化共生について考えるワークショップ「サンチャゴ君、なんで?」を引き続き製作し、2月ワンワールドフェスティバルでもワークショップを予定している。多文化子どもプロジェクトは、毎週土曜日に多文化な子どもたちへの学習支援を通した居場所作りを行ってきたが、参加者の進学や引越しなどで開催できない日が続いている。多文化な子どもたちの現状を知り、より良い支援を考えるため、「多文化子どもサポーター養成講座」を3回連続で開催。多文化な子どもたちを取り巻く現状と課題を第一線で活躍する講師から学び、開発教育研究会の「サンチャゴ君、なんで?」のワークショップで、自らができることを考えた。
 6回目を迎えた私立大阪青凌中学校の国際交流キャンプは、オリンピックをテーマに、ゲームやスポーツを通して英語を使える楽しさを感じるプログラムを企画。グループで協力して国を作り、英語で発表することにも挑戦した。
 「ゲンキッズ・ドロンコ」(対象:幼稚園年長〜中学生)は「山遊び 川遊び 自然の中へとびだそう!!」をテーマにデイプログラム2回、キャンプ2回を実施。デイプログラムとしては、5月に大阪府豊能郡にある初谷渓谷を探検した。11月には、箕面の滝を目指し、長い山道を歩いた。自然の中でネイチャービンゴに挑戦し、落ち葉やどんぐりなどで写真立て作った。キャンプは8月に神戸市洞川教育キャンプ場にて、仲間作りをテーマに実施した。初日に用意された3日分の食材をグループで相談し、薪を使って全食事を自炊した。食事作りが中心となった3日間だったが、食事の準備の大変さを実感し、家族への感謝の言葉を口にするメンバーもいた。昨年に引き続き、福島から子どもたちを招待し、大阪の子どもたちと一緒に安心・安全な場所での外遊びを楽しんだ。3月にも、自然の中での春キャンプを企画しており、引き続き福島の子どもたちを招待して実施する予定。全体プログラムとして9月に企画していた親子プログラムは台風のため中止となった。
 12月のクリスマス会は「聴こう、作ろう、感じよう」をテーマに国際部と共催。
 新規リーダーの募集を兼ねて行ったリーダートレーニングでは、委員・リーダーが講師を務め全4回の講座を実施。子どもとのより良い関係作りのスキルやグループ作りに役立つゲームの理論と方法を学び、キャンプ場での自炊も行った。トレーニングを受けた新規リーダーがキャンプに参加し、学びを活かすことができた。キャンプ前には救命救急講習を受け、安全なプログラムのための知識を身につけた。
 プログラムの様子を伝えるための保護者向け通信「わいYネット」は、第1号を11月に発行し、第2号も年度末に発行する予定。
【子ども図書室】
 月2回こども館でおこなっている、わらべうたと手遊びを楽しむ親子プログラム「ちゅうりっぷくらぶ」は、赤ちゃんコース、幼児コースに分かれ、参加者も増えて地域に定着しつつある。また、「子どものためのおはなし会」を夏休みとクリスマスに実施、北千里保育園の子どもをはじめ多数の参加者を得た。大人を対象にしたものとしては5月に「松野正子さんを偲ぶおはなし会」、12月に「大人のためのおはなし会」を実施し、好評であった。活動の中から2冊の絵本が誕生した。7月に「いちじくにんじん」(2007年発行)をハードカバーで増刷。11月には子どもの初めての知の体験を美しい言葉と絵で伝えたいという思いから、足掛け3年をかけて完成した「もののえほん いちにち」(3冊セット)を出版した。
【子育て支援事業】
 梅田・本館での支援プログラムは月1回の「あみものカフェ」が定着し、あみものだけでなく料理交流なども行い、少人数ながら世代を超えた交わりの場となっている。「多文化お母さんのための日本語学習会」は、昨年に引き続き文化庁委託事業として行った。日本語学習の他に、先輩お母さんの体験を聴く機会や防災、会員の協力のもと料理交流なども行っている。
 千里子育て支援委員会は、昨年に引き続き「こころとからだのリラックスヨガ」を実施した。対象者を老若男女に広げて行っている。「おやこひろば」は小規模ながら、回を重ねるごとに、親も子も成長が見られる。「夏休みオープンディ」はOB・OGも加わり、和やかに行われた。イベントとしては、配食サービスメンバーの協力のもと「ポプリン工房・カラダにやさしい重ね煮料理法って?!」を実施。2月には松井洋子を、3月には北川拓を講師に迎えて、講演会を予定している。
【ホームステイプロジェクト】
 今年度のホームステイ受け 入れは計10名、ホームステイ12家庭であった。内訳は、日本語本科1名(出身:台湾)日本語本科聴講生1名(出身:台湾)、日本語夏期集中コース8名(出身:香港2名、台湾:6名)。
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ボランティア養成

【梅田】
 「会員の集い」第1回は、「わいわい夕涼み会」と題して、美術鑑賞講座後に講師を交えて、軽食を囲みながら和やかな親睦の会を持った。第2回は11月に会員親睦バス旅行として長岡京光明寺と大山崎山荘美術館を訪れた。第3回は2月にグループ活動発表会として、各グループの日頃の活動紹介や交流を図る予定である。クリスマス会は第一部礼拝に朴栄子牧師(豊中第一復興教会)を迎えて行った。多文化お母さんの為の日本語学習会から受講生も参加し、プログラムと会員手作りの料理を一緒に楽しんだ。
 傾聴関連活動は、4つの現場で取り組んでいる。4つのグループをあわせて「クローバーの会」とし、年2回の交流を図っている。傾聴カフェ・ラベンダーは、毎回満員の中、少ないスタッフでやりくりしながら傾聴を行っている。ボランティア募集が課題である。シャロン千里での傾聴ボランティア・コスモスも地道な活動を続けている。昨年度始まった個人宅への訪問傾聴は千里地域の個人宅と、大阪市北区社会福祉協議会からの要請で、YWCA本館近隣での訪問傾聴も開始、傾聴の場が広がりつつある。新たに5月より交流傾聴を開始。中国帰国者クラスの授業の一環として、毎週火曜日の1時間、会話交流を行っている。
 会員部所属グループは現在14あり、約130名のメンバーが自主活動を展開している。このほか、みのり会、英会話サロン、源氏物語を読む会、聖書を学ぶ会、スウスの会、いのちを語る会、絵手紙の会などのグループが定期的に活動を行っている。
【千里】
 6月には、チャリティーコンサート「昼下がりのタンゴ〜強烈なビート感と美しい旋律」を募金委員会と共催、満席のホールは熱気につつまれた。会館大掃除は7月に、ボランティア厨房、外回りを中心に行った。趣味のグループ「生け花」、「水彩画」もにぎやかに活動中。11月には宝塚の「黙想の家」にて、研修と親睦を兼ねた会員親睦会(1泊2日)を実施。昨今の厳しい財務状況を共有し、千里における持続可能な活動のためのアイデアを出し合った。12月のクリスマスミニセールは「アトリエ創」製作の手作り品を中心ににぎやかに開催され、クリスマス会は大阪城北教会の林陽子牧師を迎えての礼拝と、ハンドベルのミニコンサートをおこなった。恒例となった「毛糸の帽子を編んでみよう会」は年々関わる人の輪が広がり、154個の帽子が集まり、歯ブラシ、固形石けんと共に釜ヶ崎に贈ることができた。「千里でお茶を」は、講師に近藤紘子を迎え平和の尊さについて考えるひと時をもった。千里合唱団・ハンドベルクワイアは今年30周年を迎え、フェニックスホールにて記念のクリスマスコンサートを行った。千里合唱団の協力で行っている「歌声サロン」は今年度3回開催。地域やケアハウス入居者はじめ、多くの参加者が、生演奏による伴奏と手作りのお菓子を楽しんだ。聖書を読む会、サロン四季、Bridges、文月会の各グループは、それぞれ充実した活動を展開中。また、清拭布、使用済み切手整理、会館清掃、アトリエ創などのボランティアは、シャロン千里の入居者や地域の方の参加もあり活発に活動している。3月には5年ぶりに桂千朝を迎え、「わいY亭おたのしみ落語」を予定している。
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広報

【大阪版】
 年8回の定例機関紙[A4版4頁]と特別号[A3版両面]1回を発行。
 定例版の1面は主に外部執筆者にその時々の課題を明確にする寄稿を依頼、2〜3面は、YWCAの関心事や活動テーマを掘り下げる内容となっている。4面には、専門学校を始め大阪YWCAに関わる報告を主に掲載した。
 連載は、2009年4月号より始まった全国のYWCAを紹介する『ここにYあり』では、全ての各市YWCA紹介が終わり、大阪の中高YWCAを紹介した。その他では『ぶどうの木』、『YWの窓』、『クローズアップ』を継続した。
 2月に大阪で開催される『ワンワールドフェスティバル』での配布を主眼に、4度目となる特別号を発行。1面には早川由美子映画監督のインタビュー記事、2面にはYWCAから国際会議へ参加した会員の体験談を掲載した。
【広報】
 大阪YWCAビジョン2020の中に、女性のあらゆるライフステージの課題に包括的に取り組むとあるように、今年度は、自分自身のライフステージを見つめ直すためのツールとして、エンディングノートの試作を行った。今後、試作版を会員に実際に使用してもらい、意見をもらった上で改良していく予定である。
 その他、毎年恒例のワンワールドフェスティバルにブース出店し、YWCAの広報を行う。
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その他

【ビッグイベント】
 2013年の大阪YWCA創立95周年を記念してコンサートを計画中。それに先立ち、プレコンサートとして5月12日(土)に、「Barbershop Chorus in The PHOENIX HALL」を、ザ・フェニックスホールにて開催した。270名の来場者を迎え、コール・セコインデ(男声合唱団)とカレイドスコープ(混声アカペラカルテット)の美しいハーモニー、指揮者である広瀬康夫さんの楽しいMCで、あっという間の2時間だった。
 記念コンサートには、仲道郁代さんを迎える。温かい抒情と完璧なまでの技巧に支えられた、人気、実力ともに日本を代表するピアニスト。2013年10月11日(金)いずみホールにて開催。
【バザー】
 実行委員会主催のもと千里では6月にバザーを行った。目標額を達成しバザー収益の中から、わいわいステイプログラムほか、他団体に献金をおこなった。また、10月には、「ガレージセール」にも取り組み、大きな収益を上げることができた。本館のクリスマスバザーは、12/1(土)、ときおり冷たい雨がぱらつく天候であったが、入場者が途切れることはなく、上々の売れ行きであった。東日本大震災被災者支援のため、例年50円の入場券代金を今年は100円に変更した。今年も千里・梅田ともに東北支援として海産物等を販売した。バザーは、会員、ボランティア、多くの皆様の協力により毎年事業を支える活動となっている。
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