大阪YWCA会報(大阪版)

2002年6月号(抜粋)


<目 次>

[一面]
◇より幅広い支援をめざして
 大阪被害者相談室から
 特定非営利活動(NPO)法人
 大阪被害者支援アドボカシーセンターへ

[二面][三面]
このおだやかな海にひそむ
 原発の恐怖

 「もんじゅ」を廃炉に
 放射性廃棄物をめぐる問題
 あなたの周りに原発廃材が
 原爆も原発も被爆の影響は全く同じ
 今、私達にできることは

◇男の目
 先入観

◇YWの窓
 [平和] 盛況だったピースラリー
 [子育て] 「からころ」---とは

[四面]
◇2002年度 大阪YWCA委員会等組織

◇専門学校告知板


その他



このおだやかな海にひそむ
原発の恐怖

 この3月、日本YWCA主催「早春の若狭を巡る旅」が行われ、全国から20名(うち大阪Y、4名)が参加した。
 若狭湾周辺には、全国で52基ある原発のうち、15基が立ち並び、「原発銀座」と呼ばれている。4月13日、大阪Yで開かれた報告会では高速増殖炉「もんじゅ」のこと、地元で脱原発運動をしている人々や被曝労働者と出会ってわかったことなどが話し合われた。
 参加者一同、地元の不安や怒り、悲しみを知り、原発の恐ろしさを再確認した。

「もんじゅ」を廃炉に
 95年12月、ナトリウム漏れ火災を起こした「もんじゅ」は開発費だけで1兆円。運転再開を目指しているので、停止中といっても年間100億円を浪費している。高速増殖炉はふつうの原発に比べて危険性が大きい。蒸気発生器の細管ギロチン破断、炉心溶融、核分裂反応の暴走、ナトリウム漏れ火災など事故が多く、英、米、仏、独各国はこれらの失敗から開発を断念している。「日本だけは大丈夫」と云えるのだろうか。

放射性廃棄物をめぐる問題
 原発は「トイレなきマンション」と言われている。適切な処分方法が確立しないまま、原発は稼動している。
 青森県六ヶ所村では、低レベル廃棄物をドラム缶に入れ、地下に埋設している。300年たったら危険性が失われ公園になるという。そんな先のことを誰が保証できるというのか、それまでドラム缶は腐食しないのだろうか。
 高レベル廃棄物はガラスと混ぜ、ステンレス製のキャニスターに注入してガラス固化体とし、最終処分までの30〜50年間、六ヶ所村で一時貯蔵してから地下深く埋める計画である。しかし、最終処分場になるところは候補地住民の反対があって、まだ決っていない。

あなたの周りに原発廃材が
 日本でも廃炉原発を解体する時代がやってきた。問題は多量に発生する放射性廃棄物の処分である。廃棄物を全て放射性廃棄物として扱っていたのでは費用も手間も大変だ、と考え出された方法が「スソ切り処分」である。一定レベル以下のものは、スソ切りして放射性物質として扱わなくてもいいと決めてしまうのである。
 原発廃材の金属スクラップから作られたナベ・フライパンなどの日用品が店頭にならぶ恐れが出てくる。放射線は目に見えない。我々はそうとは知らずに原発廃材を手にすることになる。
 原発廃材が再利用されないよう、私達はこの動きを止めなければならない。

原爆も原発も被曝の影響は全く同じ
 原爆は非常に怖い、でも原発は安全だと云われてきた。しかし放射能をあびることにかわりはないということを東海村JCOの事故は示している。
 原発被曝労働者は下請労働で「被ばく者援護法」に準ずる国家的保証もない。被爆者の「命、心、暮らし」が破壊されたように、被曝労働者や現地住民の心や体も壊されてきた。これらの犠牲の上に私たちの快適な生活が成り立っていることを忘れてはならない。

今、私達にできることは
 電気の無駄遣いを止めよう。大量生産、大量消費、そして大量のゴミを発生させる生活を終わりにしなければならない。「脱原発」の市民運動に参加し、署名、カンパに協力しよう。そしてYWCAの仲間と原発問題の学習を続け、ライフスタイルや生き方を問い直すことから始めよう。

(文責 編集部)


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YWの窓

[平和] 盛況だったピースラリー
 5月3日快晴。この日、京都・神戸・大阪の3市YWCAが力を合わせ、三都を回りながら有事法制反対を街頭で訴える、「三都ピースラリー」を行った。午前11時、京都に集合。四条河原町交差点の4方向に分かれて、アピール。有事法制反対のチラシを町行く人はなかなか受け取ってくれず、喜んだり落胆したり・・・。
 大阪では「憲法と戦争を考える大阪のつどい」に参加、辛淑玉さんの辛辣で楽しい講演を聞き、その後会場のある天六から梅田ナビオ阪急前までプラカードを持って行進。集まったメンバーは総勢40名。3ヶ所に分かれて、ジョン・レノンの「イマジン」を流しながらのアピール。用意していたチラシがなくなり、急遽チラシ確保のために、大阪YWCAに取りに行くという嬉しいハプニングもおきた。その後最後に地、神戸へ。午後7時の三宮駅前は暗くなっていた。その中で最後の力をふり絞ってアピール。延べ100名弱の参加者と、一緒に企画した仲間達への感謝と平和への願いを込めて。
(会員)


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YWの窓

[子育て] 「からころ」…とは
 「よい子」「できる子」しか認めようとしない世の中で、多くの子どもたちは無気力、無表情になり、いのちの輝きを失っているように見えます。不登校児の増加や犯罪の若年化とも無関係ではないでしょう。過去の負の歴史に向き合わず、今また戦争に荷担しようとしている日本人で、大人たちも方向性を見失い、体を固めて生きているように見えます。
 「からだとこころの出会いの会−からころ−」は、“心と体はひとつに動くもの”というビジョンのもとに、気づかずに身構えている体をほどき、いじめや人間関係の軋轢のなかで傷ついた心を癒す取り組みを実践。大人から子どもまでさまざまな人々が集い、親と子、教師と生徒といった垣根をこえた交流のなかで演劇、ワークショップ、キャンプ、“世界”の問題を考える勉強会など互いに育ち合う営みを続けています。
(会員)


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      担当:中山


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