「もんじゅ」を廃炉に
95年12月、ナトリウム漏れ火災を起こした「もんじゅ」は開発費だけで1兆円。運転再開を目指しているので、停止中といっても年間100億円を浪費している。高速増殖炉はふつうの原発に比べて危険性が大きい。蒸気発生器の細管ギロチン破断、炉心溶融、核分裂反応の暴走、ナトリウム漏れ火災など事故が多く、英、米、仏、独各国はこれらの失敗から開発を断念している。「日本だけは大丈夫」と云えるのだろうか。
放射性廃棄物をめぐる問題
原発は「トイレなきマンション」と言われている。適切な処分方法が確立しないまま、原発は稼動している。
青森県六ヶ所村では、低レベル廃棄物をドラム缶に入れ、地下に埋設している。300年たったら危険性が失われ公園になるという。そんな先のことを誰が保証できるというのか、それまでドラム缶は腐食しないのだろうか。
高レベル廃棄物はガラスと混ぜ、ステンレス製のキャニスターに注入してガラス固化体とし、最終処分までの30〜50年間、六ヶ所村で一時貯蔵してから地下深く埋める計画である。しかし、最終処分場になるところは候補地住民の反対があって、まだ決っていない。
あなたの周りに原発廃材が
日本でも廃炉原発を解体する時代がやってきた。問題は多量に発生する放射性廃棄物の処分である。廃棄物を全て放射性廃棄物として扱っていたのでは費用も手間も大変だ、と考え出された方法が「スソ切り処分」である。一定レベル以下のものは、スソ切りして放射性物質として扱わなくてもいいと決めてしまうのである。
原発廃材の金属スクラップから作られたナベ・フライパンなどの日用品が店頭にならぶ恐れが出てくる。放射線は目に見えない。我々はそうとは知らずに原発廃材を手にすることになる。
原発廃材が再利用されないよう、私達はこの動きを止めなければならない。
原爆も原発も被曝の影響は全く同じ
原爆は非常に怖い、でも原発は安全だと云われてきた。しかし放射能をあびることにかわりはないということを東海村JCOの事故は示している。
原発被曝労働者は下請労働で「被ばく者援護法」に準ずる国家的保証もない。被爆者の「命、心、暮らし」が破壊されたように、被曝労働者や現地住民の心や体も壊されてきた。これらの犠牲の上に私たちの快適な生活が成り立っていることを忘れてはならない。
今、私達にできることは
電気の無駄遣いを止めよう。大量生産、大量消費、そして大量のゴミを発生させる生活を終わりにしなければならない。「脱原発」の市民運動に参加し、署名、カンパに協力しよう。そしてYWCAの仲間と原発問題の学習を続け、ライフスタイルや生き方を問い直すことから始めよう。
(文責 編集部)
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