大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2014年3月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年8回発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
雨宮処凛 トークイベント
アルフォンス・デーケン氏 講演会報告「よく生き よく笑い よき死と出会う」
海の反対側に思いを馳せる
YWの窓「原発ゼロ社会への道〜大阪意見交換会に参加して〜」
中国帰国者支援事業 医療通訳研修会
大阪の教会(5) 日本基督教団 東梅田教会

雨宮処凛 トークイベント

 作家・社会活動家としてプレカリアート問題(非正規労働やブラック企業の問題)に取り組む雨宮処凛さんを大阪YWCAに迎えた。毎日新聞のコラム『雨宮処凛と憲法生活』では、釜ヶ崎や鶴橋のコリアンタウンでの体験や出会いを憲法の条文と絡めて論じている。1月25日(土)のトークイベントでは、憲法改悪反対や人権問題に長年取り組む上山勤弁護士を交え、貧困に陥る若者の現状やデモなどの活動について、熱く語った。

「寄せ場」のモザイク化

 労働状況の悪化を個人の問題に押し込めている現状は、憲法に保障された生存権を破壊している。社会背景を明らかにしなければならない。釜ヶ崎など都会の寄せ場で、労働者の高齢化や炊き出しの様子を見ていると、日本全体の将来を見るようだ。だがそこでは困難な中にも孤立死や自殺予防のモデルとなる事業や仕組みが働いている。
 ところが今の寄せ場はモザイク状に点在している。非正規労働からホームレスになる若者は、みぎれいな格好でネットカフェに泊まるなど一見わかりにくい。情報交換や救済の仕組みがある従来の寄せ場と異なり、貧困ビジネスの餌食になることを怖れる若い人たちはSOSを出しにくく、孤立感が強い。

弱者や少数者への攻撃
 現政権のメッセージは自己責任、自助努力、がんばらなければ助けません、というもの。この元凶は小泉政権の規制緩和であり、結果、非正規雇用が労働者の4割に達し、餓死や栄養不良死は年間2000人とも言われる。昨今は人格を否定するような労働に耐えている人が「下へのガス抜き」として生活保護受給者を攻撃している。リーマンショック後に「上へ物申す」という姿勢がなくなり、ヘイトスピーチが蔓延するようになった。インターネット上には情報がわかりやすく出ていて、老人や生活保護受給者や外国人など敵を見つけやすい。私も先の見えないフリーター時代、「悪いのは戦後民主主義とアメリカだ」と断言し「あなたは悪くない」と肯定してくれた右翼団体の活動に97〜99年ごろ参加した。どの共同体にも所属できず居場所のない個人には、国家や愛国というのがもっともインスタントに所属感を与えてくれる。
 
デモの声を国会へ

 現在は地域の商店街を巻き込んでデモに参加したらお得な「デモ割」が受けられるという楽しいデモ活動の他、反原発や貧困の問題に取り組む山本太郎議員を支援している。無所属なので国会では質問ができないが、質問主意書を6本一緒に作った。生活保護や最低賃金、奨学金ビジネスなどを、中学生にもわかる言葉でインターネットで解説している。
 運動を通して当事者が変わるのを目の当たりにしたり、少しの情報で助かる人がいるのを見ると意欲が湧く。社会からナシにされている存在が声を挙げることの大きさ、同じ悩みを抱えている人の連帯で生き延びられることを実感する。一昨年の20万人の脱原発・紫陽花デモなど、運動が人を信じる契機になっている。

(文責 編集委員会)

アルフォンス・デーケン氏 講演会報告「よく生き よく笑い よき死と出会う」

 あたたかい空気とからだ全体からにじみ出てくるやさしさと共にデーケン先生は会場へ入ってこられた。「生きるだけでなく、よく生きたい。出会いによるいやしもある。」先生の穏やかな語り口は私たちの心にしみ通った。

 *   *

 ドイツで生まれ、父親は反ナチ運動に加わっていた。第2次世界大戦中だったが父はユーモアを忘れなかった。ユーモアによるあたたかい心、思いやりは父から学んだ。戦争中の暗い時代だったが子どもたちとの時間を大切にしていた。
 小学校で校長からナチの指導者養成学校へ推薦されたが、ナチの独裁的体制を支持できなかったので断った。そのため孤立したが新約聖書を読み、図書館で日本に関する本と出会う。
 長崎の26聖人殉教者の伝記の中で自分と同じ年12才で殉教したルドヴィコ・茨木を知る。刑場へ引かれていくルドヴィコに1人の武士が「信仰を捨てなさい。捨てれば許してもらってあげる」と言うと、彼は「あなたもクリスチャンになりなさい。一緒に天国へ行きましょう」と答えた。立派な人を生んだ日本に行きたいと思った。

 戦争中は、空襲で防空壕の中夜を過ごすことがあり、そんな時母は子どもたちを集め、子どもの安全のため祈りを唱えていた。隣の家が焼夷弾で焼かれ仲良しだった同級生を含む一家が焼死した。戦争の不条理を感じた。
 ドイツの敗戦で連合軍が町へやってきた時、白旗をもって家の前に立っていた祖父は連合軍の兵士に射殺されてしまった。怒りと絶望。でも聖書に「敵を愛しなさい」とある。自分はクリスチャンである。信仰は自分で選ばなければいけない。苦しみながら敵を受け入れる決意をする。ドイツの諺に、苦しい体験をした時、他の人と分かち合うことで半分。共に喜ぶと2倍の喜び」とある。だから人との出会い、人との交わりはいやしのために大切である。

 人生は喪失体験の連続だ。中年期に起こる若い時の夢の喪失、死別、定年退職等々。
 喪失者はユーモアを失う。どうして苦しまないといけないのかと思う。どうしても変えられないことがあるが変えられることもある。それは自分の心を変えることだが、大きな苦しみはコントロールできない。そのようなことが人生にはあるが、対応することはできる。
 自分の失敗を認めて共に笑う。広い視野と心のゆとりは自分の人間性を豊かにするし、健康管理のためユーモアは大切だ。自分の母親は子どもたちに笑いという愛を残し、最後まで人間らしい生き方であり死に方だった。

  *   *

 様々な悲しい出会い、うれしい出会いが今の先生のあたたかさ、やさしさの源なのではと思った。

(文責 編集委員会)

海の反対側に思いを馳せる

 福島原発事故からの放射能汚染は、日本だけの問題ではない。太平洋を共有している南半球の人々の視点から考えてみる。

 2011年3月、福島第一原子力発電所事故直後、「今後風は太平洋の方に向くので、放射能拡散の心配はない」と耳にし、「なにぃ?」とテレビに向かって叫んでしまった。かつて南太平洋で暮らした私にとって、そこはただの「海」ではなく、何百万もの人の生活の場だから。
 太平洋地域は1950年代より、英国、米国、フランスなどの核実験によって多くのヒバクシャを生んだ。私が出会ったフランス領ポリネシア(タヒチ)やマーシャル諸島の人々の中には、甲状腺疾患やがんなどで治療中の人、亡くなっていく人もあった。
 太平洋島嶼国の人々にとって、放射能の恐怖は「知識」ではなく「体験」。核実験が繰り返され、自分や肉親が命を蝕まれた記憶、あるいは現在進行形の痛みを持っている。フィジーに住んでいた92年、日本の原発の核廃棄物をフランスで処理してできたプルトニウムを日本に運ぶ船が、太平洋諸国の反対表明を無視して太平洋を通った。その時にも、「核は絶対にイヤなんだ」という太平洋諸島民の強い意志を感じた。その太平洋の海に、福島原発の事故は再び放射能を撒き散らしてしまった。汚染水漏れの実態は未だに不明なことが多く、「コントロールできている」なんて冗談じゃない。
 海はつながっている。海に生活の多くを依存しているあの人たちに、またもや核の恐怖を味わわせてしまうことになり、心が痛くてたまらない。
 太平洋のNGOは、福島原発事故の直後、放射能汚染が太平洋にもたらす影響を危惧する声明を出し、汚染水漏れに関しても深い憂慮を示すと共に情報開示を求めている。
 海の反対側に暮らす人々のことにも思いを馳せ、原発のない社会を作ることに知恵と力を尽くしたい。

(会員 雀部 真理)

YWの窓「原発ゼロ社会への道〜大阪意見交換会に参加して〜」

 福島原発事故による大変な放射能被害が今もなお続いている。脱原発実現のための政策提言を目的とする東京発の「原子力市民委員会」は、『新しい公論形成のための中間報告』という冊子を題材に、約1年前から全国各地で市民と意見交換を行っている。そして近々『脱原子力政策大綱』を公表するという。1月11日、大阪で開催された市民の会に参加し、考えた。
 原発が止まれば電力不足で企業が成り立たなくなるという懸念は捨てるべきだ。安全なエネルギー源は必ずある。『中間報告』では、現行の原子力基本法を廃止し、「エネルギー転換基本計画」を策定することを提言している。
 3.11以降、誰もが恐れた子どもの甲状腺がん患者が出ていることを思い合わせるべきだ。東京電力、あるいは国自体が、この地震・津波・放射能漏れという大災害を想定外とし、予防対策を取ってこなかったという驕りと罪の深さ。放射能汚染水問題が未収束であることや、たまる一方の核廃棄物の未処理を思えば、原発再稼働などあり得ない。
 「核否定」を是としているYWCAなのだ。このような大惨事を永久に繰り返さないために、原発廃止に向けて私達の力を合わせることが何よりも必要だ。福島を忘れないことは人が健康に生きられるかを考えることであり、子孫の命を守ること。全国に存在する原子炉を廃炉にする以外に道はないのだと悟った。

(会員 平櫛 紀子)

中国帰国者支援事業 医療通訳研修会

 中国残留邦人等(以下、中国帰国者)に対して日本政府が実施する支援施策の1つに「自立支援通訳の派遣」があります。戦後の混乱の中、帰国できず中国で成人した中国帰国者T世等にとって、難解な資料を読み解かなければできない手続きや、病院で医者の言葉を理解することは、依然として大変困難なことです。こうした状況にある中国帰国者T世が老後を安心して暮らせるよう、通訳が派遣されているのです。
 現在、大阪YWCAは大阪市からの委託事業として、大阪市在住の中国帰国者世等への自立支援通訳派遣業務を行っています。それに加え今年度は、大阪府からの委託事業として「医療通訳研修会(全4回)」を実施しました。中国帰国者T世等の高齢化が進む現在、介護、医療における自立支援通訳の役割は益々大きくなっています。その一方で、自立支援通訳の通訳技術は長年それぞれ個人の経験や努力にまかされてきました。今回の研修会では、大阪YWCAの特色を活かし、“医療”だけでなく”介護”に関する内容も加え実施しました。大阪府福祉部の協力のもと認知症についての講座、また、社会福祉法人大阪YWCAシャロン千里、介護福祉士の資格を持つ中国帰国者U世の協力のもと介護保険制度についての講座を実施したところ、終了時のアンケートには「介護について理解が深まった」「更に介護制度について知りたい」との意見が多くありました。言葉だけでなく、文化や習慣の壁を越え、中国帰国者が安心して医療/介護サービスが受けられるようになるため、自立支援通訳へ継続的な研修の機会提供が必要であることをあらためて確認した研修会となりました。

(職員 坂東 暁子)

大阪の教会(5) 日本基督教団 東梅田教会

 当教会は、アメリカの南メソジスト教会から派遣されたJ.W.ランバス宣教師たちの活動によって始められ、1889(明治22)年2月22日を創立の日としています。
 現在の教会は2001年12月に新しく建て替えられ、全館バリアフリーで様々な活動の場として用いられています。創立125年を迎えた今も、キリストの救いを宣べ伝え、 パイプオルガンや鐘楼のスウィングベルの響きも集う方々の慰めと励ましになることを祈っています。
(日本基督教団東梅田教会 牧師 小豆 真人)

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