◇YWの窓
「子どもの視点からの子育て」
◇男の目
「イタリヤ便り」
◇専門学校あれこれ
「中国で活躍する修了生」
[四面]
その他
開放型へ
今年、公開型のシェルター*を含む総合施設「CAMPUS」をオープンさせたが、これはアメリカでも初の試みである。「非公開シェルターでさえこんなに危険なのに、公開するなんてとんでもない」と最初はほとんどの理事や職員に反対された。しかし「それなら非公開で運営されているシェルターの総てが安全なのか。厳重なセキュリティーシステムを持った公開型より、非公開型の方が安全だ、となぜ断言できるのか」。「犯罪者でもないのに、なぜDVを受けた女性が逃げ隠れしなければならないのか」と、シェルターに対する発想を転換し危機回避のための安全管理システムを詳細に説明することで同意を得た。
安全性を
土地を探すことから始め、郊外に7エーカー(約8600坪)の土地を購入できた。建築に当たっては、まず敷地内前面部に事務所や会議室などのある一般エリアを建築し、その後ろにシェルターエリアを建築する、というように安全については細心の注意を払った。
日中は入口の門は開いていて自由に出入りできるが、24時間監視カメラが作動し、敷地内に人が潜入すると反応するようにコードが張られ、窓は防弾ガラスになっている。
内部構造
シェルターには広いロビー、14の居室、共同で使う食堂、台所、居間、カウンセリングルーム、そして母親が子どもの泣き声や雑事から解放され、一人静かにできる瞑想の部屋も設けられている。住居以外の部屋はほとんどがガラス張りで、廊下を行き来するだけで、どこで誰が何をしているかがわかるようになっている。 職員エリアは、職員が"燃え尽きる"のを防ぐため、一人で静かに過せるコーナーもあり、廊下には、職員が重要なことを立ち話できるちょっとしたスペースも設けられている。しかし一番大切に考えたのは、このシェルターをHOME(家)らしくするということであった。
未来へ
女性への暴力というと重い問題を考えるとき、私たちYWCAができることは限られている。病院、警察、保健所、福祉事務所といった関係機関との連携はもちろんのこと、忘れてはならないのは地域社会との連帯である。YWCAは地域と連帯していくことで、地域をも変えていく力を与えられる。この希望を持ってこれからも事業を展開していきたい。
(メアリー・ジョンソン総幹事/文責:編集部委員会)
*DV…夫や恋人など親密な関係の中で起こる暴力
*シェルター…暴力の被害にあった女性や子どものための緊急一時保護施設
[2月号目次に戻る]
[2月号目次に戻る]
[2月号目次に戻る]
[2月号目次に戻る]
[2月号目次に戻る]
[2月号目次に戻る]