◇YWの窓
「ピースツアーinひろしまに参加して」
◇男の目
「絵番付(えばんづけ)」
[四面]
◇会員活動
「ちいさな活動 大きな働き」
その他
Q.設立当初の苦労は? 谷川:他に前例がないため、YWCA内部の日本語の関係者や現職の先生方に、教師会の新たなシステムや方法について理解し、協力していただくのに時間がかかりました。教師会全体の構築については、専門家として大阪外国語大学の先生方に特にお世話になりました。
Q.当初の活動は?
清島:90年から4年間、専任講師として教師会の仕事をしました。それまでは自分が教えるコースしか見えていませんでしたが、初めて全体を見渡すことができるようになりました。初級の教案作りの講習会を開いたり、教え方ビデ
オ鑑賞会をしたり、日本語教
師としていろいろな苦労話をする会をもったり、とにかく手探りで始めました。92年からYWCAで初めて教える人を対象にした新人研修を始めました。また93年に初めて八尾市から日本語を教えるボランティアのための研修に講師依頼があり、今までの知識を総動員してカリキュラムをつくり、出張講義をした記憶があります。そのころ、留・就学生だけでなく、一般外国人の学習者が増えてきたので、そのニーズに応えられるような教材づくりをしながら、週3回朝だけのコースを始めました。それが発展して現在のモーニングコースになっています。
Q.現在の教師会の活動は?
岡本:清島先生の後を引き継いで、94年から教師会の専任講師をしています。清島先生が、基礎固めをして下さったので、その上に何ができるかを考えました。今では八尾市を始め近畿一円のたくさんの自治体から日本語を教えるボランティアのための講師派遣の要請を受けていますが、研究プロジェクトをつくってYWCA独自のボランティア研修講座向けカリキュラムをまとめました。最近は、YWCAで教える以外にいろいろな機関や企業、大学からも仕事の依頼が来ますが、教師会会員の特徴をつかみ、できるだけ適材適所に教師を派遣するよう心がけています。また日頃の成果を広く内外に知らせるため、学会での研究発表や、テキスト、教材の出版もしています。それが、結果として大阪YWCA日本語教師会の名前を高めることになればいいと思っています。
Q.教材開発についてもう少し詳しくお教えください。
岡本:過去にもテキストの開発・研究は絶えず行われていましたが、内部で使っていただけでした。外部に向けて出版したのは、93年に清島先生たちが作った一般外国人のための教材「シモンズさんのにほんごではなしたい」が最初です。その後、関西(大阪)
弁の聴解教材「聞いておぼえる関西(大阪)弁入門」、地域の日本語教育ハンドブック「ボランティアで日本語を教える」をそれぞれ(株)アルクから出版しました。その後、長らくの研究を経て出版した「くらべてわかる日本語表現文型ノート」もおかげさまで好評です。現在も教材開発は地道に行われており、来年2月に日本語能力試験対策の教材出版を予定しています。
Q.教師会の様々な活動の陰には、それを支える職員のご苦労もあるでしょう。担当職員として心がけておられることは?
藤原:事務的なことは表には見えないですが、いろいろな活動に何も支障が起こらず、
スムーズにことが運ぶよう気
を配っています。うまくいって当たり前という状況にするのが役目かなと思っています。
Q.最後に、日本語教師会の将来はいかがでしょうか?
岡本:単に日本語を教えるだけの仕事に留まっていては、ここまで充実してこなかったと思います。常に情報を集めて世の中の1歩、2歩先を進むことを心がけてきました。これからも常に新しいことにチャレンジし続けたいと思っ
ていますし、また夢を実現で
きるところでもあると感じて
います。願わくばやる気のある教師の方々の積極的な参加を期待したいですね。
谷川:大阪YWCAには、教師会だけでなく、質の高い日本語教師養成講座があり、日本
語教育では01年から中国帰国者の方々のための支援センターも加わって、ますます多様になりました。また、日本語学習者を側面から支えるYWCAの会員による活動もあります。これからが有機的につながりあって、総合的・包括的な日本語教育事業になっていると思います。この強味をいかして、教師会ではこれからも新たな仕事を開拓しながら、それを社会に向けてどんどん発信していくことができればと考えています。
(聞き手:大阪版委員会)
大阪YWCA千里では'71年以来、医療機関を影で支える活動が静かに続けられています。
地味ながら社会貢献が大きいその活動をご紹介します。
綿球ボランティア
清拭布ボランティア
清拭布とは、身体の不自由な方の排泄後、介助者が拭き取り用に使う布です。15p四方の型紙に合わせて、皆さんから届けられた綿布(使い古したシーツ、下着等)を切ります。手を動かしながら、豊富な話題のおしゃべりにも集中して楽しく価値ある時を過ごしています。参加者の半数はシャロン千里ケアハウスにご入居の方達です。
活動状況(2004〜4月〜9月、全5回)
・清拭布20.9s(約2100枚)
・参加者 55名(延人数)
・届け先 刀根山病院・シャロン千里デイサービス