まもなく3年に一度の参議院議員選挙が行われます。院議員選挙が行われます。今回の選挙から選挙権年齢が20歳以上から18歳以上になり、若者向けの選挙キャンペーンや解説をメディアでよく見かけるようになりました。これまで投票に行ったことがある人もない人も、これを機会に選挙のしくみと意味について見直してみませんか。
参院選は衆院選とどう違うの?
参議院議員の任期は6年ですが、3年に一度定員の半数ずつ選挙が行われます。参議院と衆議院の選挙が重なって国会議員が誰もいなくなるのを防ぐためです。そのため参議院は任期が3年ずつずれた2つのグループに分かれています。一方、衆院選では毎回全員を選挙で選びなおします。それで衆院選は「総選挙」、3年ごとに必ず行われる参院選は「通常選挙」と呼ばれているのです。
参院選は都道府県ごとに(鳥取県と島根県、徳島県と高知県は合区)2?12人を選出する「選挙区選挙」と全国を1つの選挙区として政党が集めた票の数によって議席を分け合う「比例代表選挙」が行われます。比例代表選挙は得票数と議席獲得率がほぼ一致し、死票(落選者に投票された票)がなくなるのに対し、衆議院で行われている1つの選挙区から1人を選出する「小選挙区」では死票が多く、大政党に有利になります。2014年末の総選挙では52.7%という戦後最低の投票率と48%の得票率で自民党は76%の議席を占有できるという小選挙区マジックがおきました。
参議院の存在価値は?
前回2013年の参院選は自民党が大勝しました。自民党は政権の連立を組んでいる公明党と合わせると全議席の過半数を占め、衆議院と参議院で多数派が異なる「ねじれ国会」の状態が3年ぶりに解消されました。決められない政治の元凶のように言われていたねじれ国会ですが、解消されたことによって安保関連法が昨年の国会で成立しました。一度立ち止まって考え、慎重に審議を進めるために国会は二院制を採用しているのです。
最近では「良識の府」としての役割を果たしていない、衆議院のコピーと化した参議院に対して不要論も出ています。しかし参院選は政権への中間テスト評価としての側面を持っており、国民の意見を政権へ直接突きつける唯一のチャンスです。
今回の選挙での一票はどう決める?
年金や医療、子育てなどの社会保障、日本の安全保障、経済政策などそれぞれに一番の関心は異なりますが、「安倍政権への通知表」としての側面を忘れないことです。「アベノミクス」「一億総活躍」「改憲」「安保法制」「消費税引き上げ延期」など、よく耳にした言葉の中身をじっくり検証することが大切です。
パソコンやスマホからでも政党や候補者の考えや選挙の情報を得ることができます。せっかくの一票を「誰に投票していいかわからない」「どうせ誰に投票しても同じでしょ」と言う前に、自分や大切な人の未来を託すのだ、という自覚を持って、選挙へ行こう!
|