YWの窓
一人の一歩
去る4月、マサチューセッツ州の*MSPCCの理事シンシア・ジョンソン氏からアメリカのサポートの現状をうかがった。
DVの被害を見て育った子ども達へのケアの現状はどうなのか気になっていた私には絶好の機会だった。
母親のDV被害の渦中にいて母親と同じように深く傷ついた子ども達はDVから逃れられても生活の困窮、病気、PTSDなどつらい状況はなかなか終わらない。
シンシア氏によればDVを見て育った子ども達は社会への信頼感が育ち難い場合があり、家庭内のDVをどのように捉えたかによってはDVの連鎖に繋がることも有り得るとの事。これを断ち切るのは大変難しく、その為の専門家のセラピーの重要性を熱心に説かれた。官民双方の協力で運営されているシンシア氏の施設では、セラピーも父親との面会も子どもの意志を最も尊重して行われているという。日本との大きな違いはこの原点であった。
MSPCCの活動の長い歴史から見ると日本の取り組みは始まったばかり。つらい今を生きている子ども達の意志が尊重され、彼ら自身を取り戻す闘いへのサポートは難しい事だ。専門家ではない私だがもう一歩踏み出せそうな思いを持った時間だった。
(会員)
*Massachusetts Society for the Prevention of Cruelty to Children
[6月号目次に戻る]
大阪版広告主 募集中!!
大阪YWCAの広報誌‘大阪版’では、発行を支えてくださる広告主になってくださる方を募集しています。
連絡先:大阪YWCA
〒530-0026 大阪市北区神山町11-12
TEL:06-6361-0838 FAX:06-6361-2997
担当:中山
[6月号目次に戻る]