大阪YWCA会報(大阪版)

2006年7月号(抜粋)


<目 次>

[一面]
「割り込み禁止」
 馬上貴美子(日本YWCA 憲法改悪阻止チームメンバー・名古屋YWCA会長)

[二面][三面]
YWの窓
 「「コモンコンサーン」を読む会に参加して・・・」

男の目
 「DEGRAを学んで」

[四面]
「専門学校あれこれ」

「割り込み禁止」

 朝日新聞「声」欄に『割り込み禁止』と題した次のような一文が掲載されていました。

 愛、国、心―愛と心に国が割り込んだー国民

 この短い言葉の中に、今回、小泉内閣が強行しようとしている教育基本法改悪の意図がズバリと言い当てられています。国旗や国歌を人びとに強制し、それを批判する人々の声を上からねじ伏せ、更に「心のノート」と称する一方的に国を愛する心を植え付ける副読本で小中学生をマインドコントロールする等、昨今、国が行ってきた一連の動きの集大成が、この教育基本法の改悪であると言えます。教育の荒廃の原因と責任を、全て教育基本法に押し付け、教育基本法に則った教育行政を行ってこなかった政府の責任は不問に付されようとしています。私達が抱く愛国心は人それぞれで多様であり、しかも国から押し付けられるものでは決してありません。内心の自由は憲法で保障されており、人びとの心の中にまで国家権力が土足で入ってくることは許されることではありません。

 さて、教育基本法は前文と11条から成る短い法律です。書き出しの言葉は「われらは」となっています。つまり教育は国民の手に委ねられるべきであるという基本方針が「われら」という主語に端的に表されています。そして以下11条は教育権を持つ私達が、国や地方公共団体に対してこの法律に書かれている教育の基本を実現するように要求しているわけです。

 更に特筆すべきは前文に『世界の平和と人類の福祉』の実現は『教育の力にまつべきものである』とあり、決して戦争のできる国になるための国の方針に「是」と答える国民を作ることではありません。 現在進められている日本国憲法改正国民投票法案と同じように、憲法改悪への布石のひとつでもあるこの教育基本法改悪に、私達は反対していきたいと思います。

馬上貴美子(もうえきみこ 日本YWCA 憲法改悪阻止チームメンバー・名古屋YWCA会長)

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YWの窓
「コモンコンサーン」を読む会に参加して・・・

 去る2月、世界YWCAの機関紙「コモンコンサーン」を読む会に参加した。主な課題はHIV/AIDSであった。世界Yがこの問題に地球規模で取り組み、草の根運動を決意したのを知った。アフリカにとっての大問題が私たちにも切実な問題だろうか。
 世界Yは’87年「エイズ予防教育」に取り組み始めたが、加速する実情に追いつかず、’99年には世界運動の最優先課題とした。
 日本でこの問題はあまり語られないが、今年5月に地下鉄(京都)車内でポスターを見た。「あなたと、あなたの大切な人を守るために」HIV/AIDSの検査をうけようとの呼びかけであった。感染から発症まで約10年といわれ、自覚症状も殆どないがウィルスにより致命傷となる。早く検査を受ければ治療に結びつく。夜間検査(無料・匿名)実施中の案内であった。「やっぱり日本でも・・・」とはっとした。保健所から配布された小冊子には’04年1年間に日本で新たにわかったHIV感染者とAIDS患者は初めて1000件を超えたと記している。青少年に関わる家庭・学校等は日本の状況を認識し、緊急事態にできる限り対応する使命を痛感する。
 世界Y総幹事は一文を次のように締めくくり、122カ国2500万人の会員に行動を呼びかけている。「世界の危機的な状況の中には自然や人間が創り出した大惨事、戦い、不平等といろいろあるが、HIV/AIDSほど多くの人々の命を奪う問題はありません」
*日本は工業先進国での増加率1位である。
(会員)

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男の目
「DEGRAを学んで」 

 
 私が最初に思ったことはYWCAが女性のための団体であり職員が女性しかいなかった事です。入学前はYWCAの事をよく知らなくて入学後に歴史のある女性のための団体であるという事を知りました。ちなみにYMCAも知りませんでした。そしてDEGRAのクラスメイト達も女性が多く女4人男2人で入学当初は女性陣の意見に圧倒されていました。何かの議題の時に意見をだしあった時に男2人はそのペースについて行けずにいました。しかし「え?知らんのAIDS!」というAIDS予防啓発のイベントを企画している時あたりから意見を皆が出し合い役割分担を行い情報を共有しあいチームワークらしいものが生まれてきたと思います。それからは皆仲良くまるでどこかの大学のサークル仲間のように打ち解けました。企画では何かを皆で創る難しさや、共有の大切さを感じました。またフィールドワークの延長でいった?フィリピンのセブ島、レイテ島では、何かが起きている現場を実際に目で見る事は自分の心を大きく動かし、教室の中で勉強も大事だけどフィールドにでる事もまた身をもって大事だなあと思います。ありがとうDEGRA!
(国際関係開発学科05年度生)

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専門学校あれこれ
日本語本科校外学習 六甲・布引の滝

 
 入学式から約3週間、新しく入った学生達も学校生活に少しずつ慣れてきた5月2日、 校外学習で六甲山・布引の滝方面に出かけました。当日は小雨まじりで少し肌寒く、あいにくのお天気でしたが、三宮駅から新神戸に向かってみんな元気に歩き出しました。
 新神戸から山道を登り始めて約十分、空も少しずつ明るくなって、滝の前で「ハイ、チーズ!」元気に記念撮影をしたところまではよかったのですが、その後は日頃の運動不足からか「まだですかあ〜?」「疲れました〜」という声があちこちから上がり始めます。それでも、足下に広がる神戸の町を眺めたり、新緑に彩られた山の景色を楽しみながら、全員、目的地の市が原までしっかり歩きました。そのころにはクラスの友だち同士、仲よくうち解けて、にぎやかにお弁当を囲みました。ゴールデンウィークの合間の一日、教師も学生達も学校の中とは違う顔が見られて、お互いの距離が少し縮まったような楽しい時間を過ごすことができました。
 ・・・連休が終わって、学生達には勉強やアルバイトに追われる日常がまた戻ってきました。宿題の多さをこぼしながらも、それぞれの目標に向かって、みんな頑張っています。
(専門学校日本語学科専任講師)