「民間性と自主性」を大切に 途切れることのないきめ細やかな支援を
当センターのはじまりは1995年阪神淡路大震災後の大阪YWCAによる被災者への支援活動「こころのケアネットワーク」からです。翌1996年に全国で3番目の民間被害者支援組織として「大阪被害者相談室」を開設し、犯罪・事故の被害者、ご遺族への支援を開始しました。 その後の被害者支援を取り巻く法制度や社会環境の変化に伴い、当センターも2002年にNPO法人格を取得し「大阪被害者支援アドボカシーセンター」に改称、2008年には大阪府公安委員会より「犯罪被害者等早期援助団体」に指定されるなど、支援体制を拡充させてきました。また大阪府被害者支援会議や全国被害者支援ネットワークに参画し、警察、検察庁、弁護士会、臨床心理士会、行政など多くの機関と顔の見える関係を築いてきました。これにより、医療、法律、経済など多岐にわたる問題を抱えた被害者、ご遺族に、より適切な支援が行えるようになっています。
しかし一貫して変わらないのは、「民間性と自主性」を大切にした組織運営と支援体制です。突然の理不尽な被害を受けることで、社会や他人への信頼感と安全感を失ってしまった被害者、ご遺族が一日でも早くそれらを取り戻し被害回復するためには、当センターの支援員のような民間人が支援に関わることが重要であると感じています。
2013年度は34名の支援員が283件の犯罪・事故の被害者、ご遺族に電話・面接相談や付添いなどの直接的支援を計1275回行いました。中でも強姦、強制わいせつなどの性犯罪被害者への支援は610回と全体の約半数を占めています。性犯罪は「魂の殺人」と言われ、長期にわたり心身の不調に苦しむ被害者が少なくありません。しかし、被害後早い時期から適切な支援を受けた被害者ほどその回復も早いという現実も目の当たりにしています。被害直後から長期にわたり途切れることなく支援を行うことのできる当センターのような民間被害者支援組織の存在が欠かせません。
今後も一人でも多くの被害者・ご遺族への支援が行えるよう、努める所存です。より一層のご支援、ご協力をお願いいたします。
(大阪被害者支援支援アドボカシーセンター事務局長 木村 弘子)
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