大阪YWCA会報(大阪版)

2003年11月号(抜粋)


<目 次>

[一面]
グリーフケアってなに?
 グリーフカウンセラー 米虫圭子

[二面][三面]
◇覚せい剤が子どものそばに
 若者はタバコ感覚で
 覚せい剤はなぜ悪い
 子どもを守るために
 再犯を防ぐために

◇男の目
 親父のこと

◇YWの窓
 平和とお城作り

[四面]
専門学校あれこれ
 堺健老クラブ

国際部ハロハロワールドスクール
 「ゴミ箱からみる」

その他



グリーフケアってなに?

 十数年間暮らしたカリフォルニアから帰国して、あっという間に1年9ヶ月が経ちました。数年前に突然日本語教師から方向転換し、以前から興味のあった心理学を学び始め、そこで初めて「グリーフケア」という言葉に出逢いました。「グリーフ」とは「喪失の悲嘆」という意味です。
 「喪失」は死別だけでなく離婚や失業等、本人が失ったと感じるものは全て含まれます。アメリカでは大切なものや人を失ったときの悲しみからの回復を手助けするカウンセラーをグリーフカウンセラーと呼び、そのほとんどはエイズや癌等で余命を宣告された患者や、病気や事故などで愛する人を亡くした遺族の心のケアをしています。
 当時日本では聞いたことのなかった「グリーフカウンセラー」になりたいと思ったのはなぜだったのか、今でもよくわかりません。幸運にも地元で最も充実した施設とサービスを提供するサンディエゴホスピスでグリーフカウンセラーのインターンとして働くことができ、貴重な経験を積むことができました。日本に戻った時、「グリーフケア」という言葉をあちらこちらで聞きながらも、実際に本当に必要としている方々にはほとんどケアが届いていない現状を知り胸が痛む思いでした。
 ホスピスでは遺族のためのサポートグループを提供しているところもありましたが、ホスピスのように大きな母体を持たない個々の遺族の方は同じような体験をした人達が作った自助会に祈るような思いで足を運び悲しみの体験を分かち合われていました。そこに専門のグリーフカウンセラーの姿がなかったことに驚きました。
 しかし、「グリーフケア」は専門家だけがするケアではありません。昔は悲しい出来事があった時、家族がお互いに支え合い癒されてきました。核家族化した現代では、家族だけでなく友人や専門家などの支えも必要となってきました。でも、実際には「グリーフ」についての理解のなさから、慰めのつもりでかけられた言葉や態度で傷ついている遺族も多くいらっしゃいます。そのような残念な行き違いは正しい知識を持っていれば避けられることばかりです。
 これからもできるだけ多くの方に「グリーフとそのケア」について知っていただけるよう活動を続けていきたいと思っています。

グリーフカウンセラー、グリーフケア学習会講師
米虫圭子


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YWの窓

平和とお城作り


 9月15日(月)に、「大阪YWCAピースフェスティバル」に参加しました。私の属している青少年部の担当したプログラムは子ども達と協力して、ダンボール等の廃品を利用し大きなお城を作るというものでした。その過程と完成の喜びを通して平和を感じ、考えようという訳です。
 人には想像力、創造力というものがあります。人の持つ最も素晴らしく、そして優れた資質の一つです。どちらも養うことは容易ではありません。特に現在の子ども達、私達の置かれている環境においてはなおさら難しいのではないかと思います。しかしながらそれらの充実というのは平和と無関係ではないように思われます。創造力の欠如により平和が失われる、その豊かさにより平和を創り出すことができる、というのは甘い考え方でしょうか?
 今回のお城作り、ピースフェスティバルの中においてどんな役割を持つのか、はじめ私は少しばかり悩みました。お城作りと平和がどう結びつくのか?しかし参加者達に自由な発想の機会を与えて心を広げてもらうということで、先に述べたような平和を創り出す想像力の充実に少しでも役立てられるのではないかという結論を得ました。さて効果はあったかな?
(職員)


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専門学校あれこれ

堺健老クラブ
 堺健老クラブは、YWCAが大阪府からの委託で2002年10月から開講している日本語教室で、中国帰国者一世とその配偶者が対象になっています。毎週木曜日の1時から5時まで、泉北高速泉ヶ丘駅前の「ビッグアイ」で部屋を借りて教室を開いています。
 受講生は現在18名ですが、日本語のレベルがかなり違うため、2クラスに分けて授業をしています。といっても、クラス別の「日本語の学習」だけでなく、毎回必ず1時間は2クラス合同の時間をとり、ゲームをしたり、折り紙をする・暑中見舞いを書くなどの季節や行事に合わせた活動をしています。また、この時間には地域に住んでいる会員ボランティアも参加し、受講生が中国の習慣や文化について日本語で紹介して交流するという場にもなっています。
 講師は中国語をときおり使うこともありますが、上のクラスでは日本語だけでコミュニケーションをしています。7月に行った交流会では、上のクラスの受講生が企画・司会を担当し、全員がいろいろな役割を担当して、ゲームやクイズ・歌などで楽しみました。
 また、校外学習として、池田のインスタントラーメン発明記念館でラーメン作りに腕をふるったり、地元のハーベストの丘できれいな花を見ながら散歩したり、様々な活動をしています。これからも元気な一世のパワーを発揮する場として、充実させていきたいと思っています。
(専任講師)


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国際部ハロハロワールドスクール
「ゴミ箱からみる」

ハロハロ ワールドスクール、今年のテーマは環境。春、夏に続いて第三弾は、ゴミをキーワードにプログラムを行いました。生活の中から出てくるゴミにはどんなものがあるのか、どうすれば減らせるのかを子どもたちと考えました。
 題して「ゴミ箱からのメッセージ」〜のぞいてみよう世界のゴミ箱・日本のゴミ箱〜。会場に巨大ゴミ箱が届きます。中には世界を旅するゴミ箱からの手紙が入っています。手紙には今地球では、ゴミが増えて、人も動物も地球も困っているので、みんなに何ができるのかを考えてほしいという内容です。まずは毎日の生活に欠かせない料理から考えてみました。メニューは豚汁で、なるべくゴミを出さないように工夫して料理をします。皮をむかずにそのまま調理するチームや、野菜のへたを食器洗いに使うチーム。いろんな工夫がありました。ゴミを捨てる時にも不燃・可燃・自然ゴミの3つゴミ箱を用意し分別にも心がけました。
 昼食には、子どもたちで作った豚汁と、普段捨てられてしまう、大根とにんじんの皮を使ったサラダ、大根の葉っぱを炒めてご飯に混ぜたもの、皮をむかずに使ったじゃがいものグラタンを食べました。
 午後は、プログラムに参加してくださった沢山のゲストの国でのゴミ事情やドイツで行われているリユースの話を聞きました。最後に1日の振り返りをしながらゴミのない地球の色を想像して、フィンガーペインティングで画用紙に思い思いの色描きました。一人一人の画用紙をつなげて大きな地球を創りました。
 このプログラムで普段の生活の中で気がつかないことを考えるきっかけになればと思います。一生懸命考えて作った料理を美味しそうに食べている子どもたちがとても印象的でした。
(国際部リーダー)


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      担当:中山


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