大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2010年2月特別号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年9回(4/5、12/1、8/9月が合併号)毎月1日発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
「世界がもし100人の村だったら」の池田香代子さんが語る 女性と平和と新しいきずな
世界とわたし、出会う・広がる

「世界がもし100人の村だったら」の池田香代子さんが語る 女性と平和と新しいきずな

 池田さんは、2001年の9.11にショックを受け、政治や平和問題に目覚めたという。自らを「真正保守主義」と呼ぶ池田さんを訪ね、しなやかな女性としての生き方や平和への思いなどを聞いた。
しなやかに飄々と
◆人とつながって意味のある仕事をしたいと思っている女性、国際的な活動や仕事に携わりたいと願う女性が増えています
 私は、いわゆるアラカン、団塊の世代です。社会全体が貧しい中で育ちました。まだまだ自分の努力で進路は選択できるという、そういう希望はあった時代です。
 今の人たちは本当に大変だなって思うけど、その中で、6対4で女性の方がしなやかな方が多いような気がしますね。いろんな価値観をもって、人目を気にせず肩の力を抜いて飄々としている素敵な若い世代を、いろんな地域で見て素敵だなって。
「平和の話、私結構です」
◆井上ひさしさんなどと一緒に『世界平和アピール7人委員会』の活動もされています。
 「戦争? それって私たちが戦場に行かなきゃなんなかったりするんでしょ? 死ぬかもしんないんでしょ? 死ぬの嫌だし、そういうのはいいです」なんていう若者が増え、戦争をしたがっている人たちは憂えているわけですが、戦争なんかしてはいけないと思っている私たちは憂う必要はない。「平和の話、私結構です」みたいな若者を、私たちが一生懸命手塩にかけて育ててきた成果です。
平和とは、目に見えない空気のような安全
 アーチャー教授というアメリカの比較犯罪学者によると、その国が戦争を起こすと殺人事件をはじめとして犯罪一般が急に増える。日本は先進国の中で際立って殺人も犯罪も少ない、これは日本社会の成功物語である、と。アメリカは第二次世界大戦以降ずっと戦争をしていて、そして犯罪大国、殺人大国です。平和っていうのは目に見えない空気のような「安全」で、私たちの日常生活を守っている。これだけ安全な社会に暮らしている先進国の市民は、私たちだけかもしれない。それを知らずに、「最近物騒ね」とかテロの脅威とかに踊らされ、治安を守るためにと自由を奪われ、知らないうちに戦争に巻き込まれることがないようにということを、若い人に言いたい。「戦争の話、私いいです」というのはウェルカム。ただちょっと踏み込んで知ってほしい。
共感によるきずな
◆海外協力に携わりたいという女性に対しては?
  あんまり思いつめちゃったりするのは良くないですよね。わぁ、この刺繍きれいっていう、そういうノリが大切。現実に行ってみたら、可哀想な惨めな人なんか全然いなくて、本当に魅力的な人々に感動をもらってくるわけです。
 慎重になってもらいたい面もある。大変な状況で力を尽くすということが自分の素直な気持ちに沿っているのか、義務感や使命感を上回る自分の素直な気持ちっていうものを、慎重に確かめてほしいと思います。実際にやっている人は飄々としてますからね。
 これまでの地縁・血縁のつながりやきずなとはちがう、共感による新しいきずな、そういうものはみんな求めている。サハリンの男の子が火傷したらみんなで募金して助けるとか、私たち、そういうことしたい動物じゃないですか。そういう共感によるきずなみたいなものが自由にいつでも生まれるような社会になるといいんですよね。
伝統と保守主義

◆『100人村』原案者のドネラ・メドウズさんが、「幸せの5つの条件」の5番めに「伝統文化」を挙げています。
 伝統文化と言うとき、例えば先住民だったらそれが自分たちの尊厳や抵抗や独立のよすがになります。よすがになる伝統文化っていうのはものすごく狭いものだったりする。だから、国全体の伝統文化とか言い出すと、それはいんちきなのね。「私、真正保守主義者よ」って言いふらしています。日本の場合はお上の言うことに間違いはない、アメリカに楯突くなんてとんでもないっていうのが保守主義みたいだけど、本来は全く逆で、自分が属しているコミュニティのためならば、いつでも国家に弓を引く覚悟があるのが保守主義者です。
 だから、今だったら祝島[山口/原発立地]とか辺野古[沖縄/米軍基地移設]でやっている人が保守主義者。何よりも自分の身近なものを大切にする。伝統文化と聞いて、たとえば天皇制や日の丸・君が代を連想する人は偽物ですね。

伝統を強調されると、女性には不利な印象もありますが。
 江戸時代、乳離れしたら子育ては男のやることだった。幕末の日本に来たヨーロッパ人たちがびっくりしていたんです。
 封建主義の時代っていうのは、家業存続最優先。家業に向かない男はいつでも廃嫡[相続人としての地位を解くこと]されるから、男にとっては恐怖だった。そこに働いているのは女の意志だったりする。近代です、男が威張り始めたのは。なぜかといえば、近代は国民皆兵。兵隊になれる市民が一等市民で、なれないのは二等市民。そこで男が威張り始めた。でも男の命が軽くなったのも近代なのよ。おだてられ、羽毛のように軽く。

わあわあ声をあげよう

若い女性へのエールをぜひ! 
  なんで女性だけがいまだに家庭と仕事の両立とか言ってなきゃなんないか、本当に腹立たしいですよね。今度の政権交代で例えば夫婦別姓とか、シンボル的なものからでも、早く変えなきゃいけない。男に、介護か仕事かとか悩んで欲しいですよね。
 都合のいい時だけ仕事に動員しておいて、景気が悪くなったらもういらないとか、本当に私たちの世代でそういうのは終わって欲しいと思う。これは、私たちが作っている政治の問題。しっかり声をあげ、わあわあ、騒いでいきましょうよ。

 インタビュー詳細

(文責・編集部、HPに全文掲載)
池田香代子(いけだ かよこ)
  ドイツ文学翻訳家、口承文化研究家。訳書に『ソフィーの世界』他。再話を手がけた『世界がもし100人の村だったら』がミリオンセラーになり、その印税で「100人村基金」を創設、NGOや難民申請者の支援活動を支える。世界平和アピール7人委員会メンバー。

聞き手=山高万寿子(やまたか ますこ)
 大阪YWCA会員暦25年。80年代に世界YWCA機関紙の翻訳に関わったことで、平和やジェンダーへの思いを深める。昨春までJICA研修監理員として世界各国からの研修員との出会いを経験。

世界とわたし、出会う・広がる

 YWCAでは、様々な形で国際分野の活動が展開されています。現在大阪YWCAでのびのび活動している3人の女性にインタビューしてみました。
日韓ユースカンファレンス (井関麻有さん)
◆どんなプログラムですか?
 年に1度、韓国と日本のYWCAのユース(若者)が集まり、三泊四日で共同プロジェクトを行います。毎年日本と韓国で交互に開催されています。各回にテーマがあり、単なる交流ではなく、多文化共生社会へ向けての若い女性のリーダーシップ養成を目指しています。韓国に行ったときはホームステイもできるんです!
どうして参加したのですか?
 テーマへの興味より、韓国や日本のユースに出会い、友達を作りたかったことが第一です。その回は「移住女性」をテーマにワークショップを作るプログラムで、ワークショップを進めるファシリテーターにも興味があり参加しました。
どんな出会いがありましたか?
 ワークショップ作りを通してぶつかったり、言葉が通じない不自由さを乗り越えて一緒に悩んだりすることで参加者同士の関係が深まりました。自由時間に韓国のユースから歴史について聞かれましたが、同世代で会って間もない人に聞かれたのは初めてでした。彼女らは私を責めることはなく、教育のことなど深い話ができました。YWCAを通してそんな同世代と出会えたことを嬉しく思っています。 日本のユースも、韓国が大好きな人や女性の権利について興味のある人など多彩で、世界の状況や私たちの役割について、うわべの話ではなく議論し合える友達ができました。
語学力が不安なのですが・・・?
 通訳の方が常にいるので、大丈夫!英語や韓国語を試すチャンスでもあるし、自由な交流の中で自信をもてるようになりましたよ。
特別な資格がなくても参加でき、また、YWCAを通して韓国とつながっていけるということがよくわかりました。
パレスチナグループ (安部恵理子さん)
◆グループに入ったきっかけは?
 元々パレスチナに興味があって、行きたいなと思っていた時に、大阪YWCAの職員や講座の仲間とパレスチナに行く機会に恵まれたんです。帰国後、これからもパレスチナに関わっていこうと、グループに入りました。
すごい機会でしたね!?
 YWCAではそんなことがちょくちょくあるんですよ(笑)世界がどんどん広がっていきます!
活動はどんなことを?
 機関紙『りさ〜ら』の発行と、学習会や講演会の企画実施などをしています。『りさ〜ら』はアラビア語で手紙/伝言という意味で、一人でも多くの方にパレスチナのことを伝えたいという思いで作っています。機関紙の発行以外の活動内容は、メンバーで話し合って決めています。パレスチナの平和のために私たちは何ができるかを考えて活動しています。
グループの雰囲気は?
 女性が多く、とても和やか、ほのぼのしていますよ(笑)
今後の方針は?
 草の根のつながり、文化交流を目指し、パレスチナの人々との文通を考えています。あと、YMCAさんと合同で「オリーブの木キャンペーン」を行っています。オリーブの木は、パレスチナの人々の生活を支えている、とても大事な木なんです。
そうなんですね!パレスチナの平和を願って私もオリーブの木を植えたいと思います。
ハロハロワールドスクール (吉田智里さん)
◆「ハロハロ〜」とは何ですか?
 わかりやすく言うと、子どものための国際理解プログラムです。小中学生が対象で、大学生や若い社会人が集って企画を練っています。ハロハロはフィリピンの言葉で「ごちゃまぜ」という意味。国や地域、民族、性別、年齢など様々な違いを認め合って共に生きる、一人ひとりが大事にされる世界を!がコンセプトです。
かかわったきっかけは?
 学生時代に、「国際」をキーワードに参加できる活動を探していてたまたま出会いました。ひと口に「国際」と言っても、海外に行って井戸を掘ったり募金をするのではなく、目に見えて結果が現れるような活動ではないからすごくわかりにくいかも。たぶんもたれるイメージよりも相当地味です(笑)。少しずつ少しずつ、積みあげていく感じ。
具体的には、どんなことを?
 アジアや南米、アフリカから日本に来て暮らしている方をゲストに招いて、遊びや踊り、料理を教わったり、身近なチョコレートを通してアフリカの子どもたちのくらしを知ったり、みんなで「平和」の意味を考えたり。様々な文化をもつ人と顔の見える関係で出会ってお互いに知り合える、また、自分と世界とがつながっているということを体感できるようなプログラム作りをしています。遊びを通して、というのがポイント。でも「楽しい」だけではなくて、もう一歩踏みこんで、世界の不公正に気づいたり、多様な人に思いをはせることのできる機会となるように。 子どもが関心をもつには、また、楽しく学ぶにはどうしたらいいか・・・毎回試行錯誤で、何回もミーティングを重ねて話し合います。
かかわってみてどうですか?
 世界とつながっている自分を意識しながら子どもたちと一緒に学ぶことは、いつも本当に新しい発見の連続!凝り固まった頭がぐにゃぐにゃとほぐされ、世界がぐんぐん広がります。また、いろいろな興味関心をもつ人達と共にひとつのものをつくりあげていく面白さもあります。YWCAには、そんな出会いと学びがあっちこっちに転がっていますね。

 

(インタビュー/文責 編集部)
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