私たちNPO法人いくの学園の活動は、「夫の暴力から逃げることの決断の相談」から始まります。@生活場所の確保A経済生活の基盤作りB心と体の健康回復への道の確保C離婚・親権など法制度D子どものケアと加害者との面会問題が相談の内容で、全てが自立に向けての課題です。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(いわゆるDV法)の前文には「自立支援の体制の整備」が謳われていますが、具体的施策の規定はなく、被害女性当事者の困難は山積しているのです。 昨年11月、私たちは、「被害女性当事者が求めている真のサポートとは自立支援である」という、これまでの活動からの気づきに立ち、482名の当事者の声を聴いて調査報告にまとめ、合わせて立法改正も視野においた提言を発表しました。自由記述欄を多く設け、困難の実態をリアルに把握。施策に反映されることを期待して回答された当事者に答えるため、立法・行政に対し、具体的事実を踏まえた働きかけをしています。被 害者の声を立法府・行政が受けとめることは、暴力容認の社会に対する最大の啓発であり、非暴力社会実現の重要な柱なのです。 @住まいの確保 ・現状の「避難期間原則2週間」では自立準備の課題解決の目途も立ちません。直ちに是正が必要です。 ・公営住宅への優先入居制度を創設・拡充、民間借家の家賃助成の制度化を求めます。 A経済生活基盤作り ・生活費を得るには仕事の確保・保育所の確保・公的手当の受給が必要です。離婚前に無職だった人が多く、就労には困難が伴います。離婚前でも生活実態に合わせて「母子家庭対象の就労支援策」の対象にし、児童扶養手当も支給すべきです。(法改正必要)。 B病気の治療・健康の回復 ・夫の身体的・精神的暴力で、被害者は健康を害しています。夫からの暴力を何度も思い出す、死にたいと思うとのPTSD症状を示す被害者は半数にも及びますが、全く治療していない人が2割。保険証を使うと居場所がバレるなどの理由が挙がっています。被害者への無料・格安の治療制度を創設を求めます。 C離婚・親権などに関わる法制度の利用 ・DV法の保護命令(接近禁止6ヶ月・退去命令2ヶ月)の期間を延ばすべきです。 ・司法支援センターの弁護士費用立替金の支払猶予・支払免除制度を普及させる必要があります。 DDV家庭に育った子どものケアと加害者父との面会 ・未成年の子のうち約85%が母と逃げています。子どものメンタルヘルスに対応できる支援を十分保障すると同時に、米国のような安全な面会センターの創設が望まれます。
いざとなったら あやまろう いざとなったら 助けてと言おう いざとなったら もうあかんと言おう 助けてと言った日が、 助かった日