大阪YWCA会報(大阪版)

2004年4・5月合併号(抜粋)


<目 次>

[一面]
イースターメッセージ
 日本基督教団長居教会 牧師 市川和恵

[二面][三面]
◇第87回大阪YWCA定期総会報告
 標語「平和、平和、遠くにいるものにも近くにいるものにも」(イザヤ書57章19節)

YWの窓
 オリーブの木キャンペーン

男の目
 「住民がもつ「底力」」

[四面]
◇シャロン千里オープンハウス開催

その他



イースターメッセージ

『イースター、それは命への招きです』

聖書 マタイによる福音書28章1〜10

 よみがえりを祝う日

 イースター(復活祭)は、主イエス・キリストの甦りを祝う日として代々の教会が守ってきました。牧師達が毎週主の日に口癖のように語っているのも、よみがえられた主イエスの事。主の日とは、甦よみがえりの主の日の事です。
 十字架に死んだ主を痛み、悲しみの打ちひしがれていたマグダラのマリアたちが、週の初めの日の明け方、墓に行った時の事。天のみ使いが現れ彼女達に言いました。『あの方は、ここにはおられない』。
 救い主・師と仰ぎ従ってきた方が十字架で死んで葬られた事は、彼女たちの耐え難い悲しみでありました。その上、愛する方の亡骸まで奪われたと思った時のマリア達の驚きと失望は、底知れない空しさに引きずり込まれるような、一縷(いちる)の望みさえ絶える絶望に陥れられる程の事でありました。せめて亡骸にでもすがって泣きたいとねがったのでしょうか。死の中に主の姿を求める女達でありました。
 しかし、み使いの言葉は、死んだ方が既によみがえられ、もうここにはおられないだったのです。『あの方は、ここにはおられない』とは、他におられることを意味します。墓の中にはおられない、ということです。亡骸にすがって泣く所・墓にはおられない。死の中に留まってはおられないのです。よみがえって弟子達に自らをお示しになり、召すために進んで行かれた事が告げられます。

 信じる者へと変えられる

 み告げを聴いた女達は、恐れながらも大喜びで、弟子達に告げに行きます。彼女達は、恐れの中・絶望の中で、信じる者へと変えられて行っています。信じる者と変えられていった歩みの途上で彼女達が経験したことは、もっと驚くことでした。甦られた主が彼女達に出会って下さったのです。亡骸の中に出会いを求めて絶望の淵を歩いていた女達。その前に甦りの命を生きるキリストご自身が現れて下さいました。そこで、彼女達は、主に近寄って拝したと言います。礼拝したのです。
 ご復活の主との出会いは、主を礼拝する者へと女達を変えて行きました。主の死の経験、絶望の経験が、主の生に触れた時、自らも主の生の証し人に変えられていったのです。
 イースターの朝の主の復活の出来事は、死の中に留まろうとする私達をも主の生の中に招かれ、礼拝者となるよう招かれています。 

市川和恵(牧師・日本基督教団長居教会)

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YWの窓
『オリーブの木キャンペーン』

 YM/YW合同で進めているオリーブの木キャンペーン。昨年末パレスチナを訪れた際、そのオリーブの木のことが気にかかり、YMとYWのスタッフに、オリーブ畑に案内してもらった。天気の良い日で、オリーブの葉がきらきらと光を返しながら風にそよいでいた。オリーブの木を世話するのはアハマドおじいさん。お孫さん二人がポットに入れたコーヒーを運んできてくれた。オリーブ畑は丘の中腹にあり、向かいの丘にはイスラエル人の入植地が見える。もしも標的にされでもしたら、何も防ぐものがないような荒野だ。オリーブの木がこの先無事に育つことを願わずにいられない。大阪YWCA青少年部では、昨年のクリスマス会で、オリーブの木キャンペーンのための街頭募金を行なった。パレスチナの現況をリーダーがスタンツで説明し、子どもたちからの質問をうけたあと、皆で募金の旗を作った。子どもたちが梅田の街頭に立ち、それぞれ自分の言葉で募金を呼びかける姿に心を打たれた。キャンペーンを通して届けたいのは、お金だけでなく平和を願う気持ち。より多くの人がパレスチナに関心を寄せ、平和のための裾野を広げるための活動をYWCAが推し進めていけたらよいと思う。
(職員)


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男の目
『住民がもつ「底力」』

 NHKの『ご近所の底力』が面白い。ひったくりや放火等に悩む「お困りご近所」の住民達がスタジオに来て、他の地域の先進事例や専門家の解説から解決策を考え、実践する番組だ。
 この番組には"仕掛け"がある。決して正解を出さないのだ。ひと通り情報を得た住民には協議の場が与えられ「何ができ」「どうしたいか」を相談する。町会長が「予算が…」と渋るかと思えば十代の若者が大人の背中を押す。意外な「底力」発掘だが、ここでできた住民の結束こそ真の「底力」かも知れない。もし別の生活問題に直面しても、この結束が活きるに違いない。
 実はこの番組の流れは、社会福祉ではれっきとした援助技術で、「コミュニティワーク」という。専門家は住民のもつ潜在的な問題解決能力(つまり、ご近所の底力)に着目し、住民の取組みを支える。「どんな町が暮らしよいか」は住民主導で決め、実現すべきもの。その過程で思わぬ人の輪が広がり、いつの間にかみんなが主体的になる。決して行政や専門家に任せるのでなく、むしろそれらを活用するぐらいがいい。
 −私はこの「コミュニティワーク」を大学院で研究し、一方で講師としてそれを伝えている。来るべき40代は、妻と小学生になる娘と共に、そんな「底力」になれれば…と思い描いている。


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