◇男の目
「男でも甘いものが好きなんです」
戦後61年、基地返還・縮小を訴え闘っているのに、なぜ、実現できなのでしょうか。それは、日本国民の多くのが「無関心」で「他人事」としているからです。基地問題は沖縄問題ではなく「日本の針路」そのものが問われているのです。
沖縄戦体験者は「戦争するんですよ。私たちには分かります。当時と同じですから」といわれます。今、大阪地裁で係争中の裁判は、まさにそのことを示しています。元軍人と遺族らが、渡嘉敷島と座間味島の「集団自決(強制集団死)」の記述をめぐり、岩波書店と大江健三郎さんを訴えています。原告は、皇民化教育や軍国主義思想の強制等を一切不問にし、日本軍による住民虐殺を否定しています。住民は国を愛する崇高な思いで自発的に死んだのであって、軍の命令による強制はなかったとしています。「軍隊は住民を守らない」という沖縄の常識を覆し「日本軍の名誉回復」を計りたい旨です。
原告は直接の命令を争点にしていますが、戦場ではすべては軍の統制化にあり、民政はありません。直接の命令を誰がしたのかを問うだけでは、真実は見えなくなります。当時は「上官の命令は天皇陛下の命令」という時代でしたから。軍の方針「軍民一体共生共死」が住民に強制されていたのです。第5回口頭弁論は9月1日に予定されています。裁判所を取り囲むほどの人々が、駆けつけてくださいますよう、関西在住の方にお願いいたします。
大城 美代子(沖縄YWCA)