大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2008年3月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年9回(4/5、12/1、8/9月が合併号)毎月1日発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
究極の「子育て支援」はどこから?
アラブの女性たちとの出会い
YWの窓 みんなが主役のクリスマス
近畿中国帰国者支援・交流センター

究極の「子育て支援」はどこから?

 勤務する大学の付属幼稚園の保護者の方たちと、聖書を読む機会があります。私は「聖書のお話」に行くのですが、その後かなりの時間は、「感想」として語られる日頃の想いを皆さんから聴く時となります。自由に話したい人だけと言うのですが、涙ぐみながらの告白や想いの吐露が続きます。会の後にもお手紙をいただいたり、卒園後もこんな機会をと言われる方もあります。ふだん、社会のひずみや親の期待、友だちとの確執の中で苦しむ大学生たちと授業で出会い、サラリーマンとしては大学という学校組織の中で仕事をして、家では中学時代不登校をして今は単位制の高校生になった子どもとまだややこしい中学生の二人の親業をさせてもらい、日曜日は教会で教育主事として様々な年齢境遇の方たちと礼拝を共同する…そんな生活をしている私にとって、幼い子どもたちを育てている方たちから聴く時間は、また格別の想起と気づきの時となります。
 ひとりの子どもの運動会に両親と双方の祖父母の席まで必要というような教育熱心な家庭も多く、一般的にいえば社会的に恵まれ、保護者も高学歴の方が多いという場所でしょう。けれども、逆に子育ての評価基準が狭く高くなるのか、主に専従で子育てを任せられている「おかあさん」の苦労とプレッシャーは大変なものです。ありのままの個や自由より集団を優先させる学校、ゆっくり待ってなどいられない格差社会の厳しい現実、一度「負け」てしまったらどうなるのだろうという怖れの中での子育て…。本当にそれぞれ、おかれた所なりの苦しみがあるものだと思わされます。
 そのような中で驚くのは、何千年も前の聖書の言葉が届いていく様です。いま子どもたちを育てているからこその研ぎ澄まされた感性と切実な思いは、聖書を求め、聖書はそれに応えることを目の当たりにするのです。長いですが、ある参加者からの手紙を紹介します。「1学期の聖書の会の言葉(ルカ福音書のイエスのたとえ話)※は、煮詰まりがちな息子との日々を冷ましてくれる大切な大切な言葉になっています。私はこれまで聖書を読んだことがありませんでした。…そんな私にも子どもを授かり同時に捨て置くことの出来ない悩みも生まれました。そんな時何度もさまざまな本を読み、友人と話したりしていましたが、結局溜め息で終わりました。ここで(聖書の話を)聞いたとき『私にはこんな気持ちがなかった…』と心臓がギュッとなりました。どのような育児相談より、聖書の中のお話が私には大切なものになっています。」
 ありのままで素直に子どもの命と存在を喜ぶこと、親として人間として私たち自身が赦され愛されていること、無くてならないものは多くはないことなど、聖書が語る福音(よい知らせ)が、その人への福音となって生き、働いているのを見るのです。キリスト教の使信を携えた私たちの「子育て支援」とは何か、キリスト教教育の原点と支えを改めて教えられています。

※「実のならないいちじくの木」のたとえ 「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。そこで、園丁にいった。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』園丁は答えた。『ご主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」 (ルカによる福音書13章6〜9節)

(聖和大学教授・宗教主事・キリスト教と教育研究所所長     
日本基督教団大阪城北教会キリスト教教育主事 小見のぞみ)

アラブの女性たちとの出会い

 日本・アラブ女性交流事業は、ヨルダンとの2国間で96年に始まり、その後エジプト、パレスチナが加わって継続している。日本では「国連NGO国内婦人委員会」(国連に諮問的地位をもつ国際団体に連なる国内10の女性NGOで組織)が外務省の委託を受け、毎年派遣(秋)と受入れ(冬)を行っている。
 今年度は日本YWCAが担当で、「女性と社会教育」をテーマに交流を実施。「派遣」に大阪Yの雀部真理会員が加わり、また「受入れ」の一部は大阪で行われた。
(職員 宮崎祐)
アラブの3女性、大阪に!
 中東は地理的にも心理的にも遠い国々。私たちの日常生活からは縁遠いその地域の、エジプト・ヨルダン・パレスチナから、華やかなゲストがやってきた。エジプトのラガアさんは「国家母子評議会」という政府系の団体、ヨルダンのナフラさんはNGOの傘団体「女性総連盟」からの代表で、パレスチナのマハさんはラマッラYWCA副会長である。
 大阪滞在の2日間、シンポジウム、会員との交流会、女性のための施設の見学、日本の古民家訪問・・・と駆け足のプログラムを、精力的にこなされた。
公開シンポジウム 「アラブの女性たちは今〜生活を変え、コミュニティを変える〜」

 シンポジウムでは、女性のエンパワメントをめぐる社会教育について、各国の取り組みを聴いた。 エジプトでは初等教育の性差が依然として大きく、農村地域では特にそれが顕著だという。女子教育に力を入れることが貧困の悪循環を断つのに必要という視点で、「女の子に優しい学校」の建設、女子の不就学率に関するデータベース作成など、国家レベルで取り組まれている。
 ヨルダンでも、農村地域における女性を対象とした小口融資事業や、女性の就労支援事業が行われている。女性が手がけるクッキーやオリーブオイルなどの加工食品が、首都のスーパーで「ブランド」化している例もあるという。
 パレスチナからはYWCAの取り組みを聴くことができた。イスラエルによる軍事占領下で、検問地点での人権侵害や暴力に日々さらされながらも、女性の就労支援だけでなく、イスラエルの不当な拘留から釈放された男性対象の社会復帰プログラム、青少年の国際交流プログラムなどを展開している。

交流パーティー

 シンポジウム後のひと時、会員手作りのおいしいクッキーやケーキが用意され、京都Y・神戸Yからの参加も得て、温かい交流がもたれた。キャンプソングの輪唱で場が盛り上がると、河内音頭の踊り手が登場。それを見たゲストが今度はアラブの踊りを披露してくれ、会場はひとしきりダンスで盛り上がった。

女性施設の見学
 ドーンセンターでは、一つ一つのことに関心を寄せ、前向きなコメント、写真撮影、質問、提案の繰り返し。図書室の本は無断で持ち出すとブザーが鳴ると説明すれば、早速持ち出してみるおてんばぶりだった。
 一方、「ウィンメンズセンター・大阪」では、「女性の体や性が女性自身にとって長くタブーとされてきた」という話題で、通訳が終わる前から議論が沸騰。見学先ではとりあえず一通り説明を聴く、という私が想定するゲスト像を打ち砕く激しい反応に、たじたじとなった。
古民家訪問と日本文化体験
 会員の岸田さんのご協力で実現した東大阪の古民家訪問では、お宅に向かう路地裏風景や、道行く人との行きずりの交流もエンジョイ。会員の点てたお抹茶を頂き、岸田さんご夫君の仕舞を堪能。ラガアさんからは「日本人は豊かな精神生活を送っている。年をとっても老けないのはそのためだろう。この美しい伝統をぜひ守ってほしい」と熱いエールが飛んでいた。
 100円均一ショップでお土産を買い集めたり、家電量販店をチェックしたり。学ぶことも遊ぶことも前向きで積極的な彼女たちだった。中東の女性は保守的という印象があったかもしれない。けれども今回やってきた3人は、歌い、踊り、朗らかで、臆せずはっきり自分の意見を主張するという、私たちが見習うべき美点も備えていた。

みんなが主役のクリスマス

 2007年12月、初めての試みとして、子ども&子育て、国際部、青少年部の合同で「子どもクリスマス」が行われた。テーマを「みんなが集うクリスマス」とし、0才から高校生までという幅広い年齢の子どもたちが集まり、賑やかなクリスマス会となった。
 プログラムはクリスマスの飾り付け、クリスマスソングの合唱、お話しと盛りだくさんだったが、中でも楽しかったのはメキシコのクリスマスの風習である「ピニャータ割り」である。ピニャータは中にプレゼントを入れた大きな張り子で、ロープでぶらさげたピニャータを子どもたちがたたいて割って中のプレゼントをもらうというものである。年齢別にグループを作り順番に割っていったのだが、割り方には年代によってそれぞれ特徴があり、とてもおもしろかった。特に印象的だったのが、よちよち歩きのお子さんに棒を持たせピニャータを自分で割らせていたおかあさん方だった。年齢が上がるにつれ、子どもたちの割り方はだんだん過激になり、小学校高学年ではロープを持つリーダーが身の危険を感じるほどだった。
 普段は各部がそれぞれ限られた年代の子どもたちを対象として活動をしているが、今回のように幅広い年代の子どもたちが集まり交流することもとても大切だと思う。そして、ピニャータ割りのように子ども一人一人が思いきりのびのびと参加できるプログラムができたことで、YWCAらしい子どもプログラムになったのではないだろうか。今後もそれぞれの現場で、対象年齢や手法は違っていても、子ども達の力と可能性を信じ、「Viva!子ども」の思いを込めてプログラムを展開していきたいと思う。

(会員 平井佐津紀)

近畿中国帰国者支援・交流センター

 現在、支援・交流センターには、日本語のクラスが20あり、半年でのべ500人前後の学習者がいます。「あいうえお」を学習する入門クラスから新聞記事をもとにディスカッションするクラスまで、先月日本に来たばかりの人から20年近く住んでいる人まで、高校卒業したてのティーンエイジャーからリタイア世代まで、中国からの帰国者関係というくくりはあるものの、学習している人たちの背景は様々です。
 火曜、木曜の午後と土曜日は「ゆっくり」クラスです。主に1世世代を対象としていますので、クラスは文字通りゆっくり進みます。今年3月には初めて学習発表会を行います。学習した会話表現を組み立てて作った寸劇を披露するクラス、漢詩を中国語と日本語で朗読するクラス、自分たちで書いた作文を発表するクラス、中国の遊びを紹介、指導するクラスに、パソコンクラスもプログラムやチラシづくりを担当しようと準備しています。50代から70代が中心なので、「今日聞いても明日忘れている」と嘆きつつも、「趣味は日本語の勉強」というだけあって、日々の学習への熱意は教師を上回るものがあります。
 日曜日にはその1世世代に加えて、今、日本で働きながら家族を支えている現役世代がYWCAにやってきます。2007年秋に開講した「上級者のための日本語実践」クラスでは、自分史を書こうと、年表づくりをしながら毎週一篇の作文を仕上げています。子どもや孫世代に向けて、自分が育った土地や、忘れられない先生、子ども時代の遊びや正月の思い出などを書きためています。流ちょうに日本語を使いこなす若い世代とは、少しずつ言葉の断絶も起きつつあります。波乱に富んだ自分自身の人生の一コマを、日本語で書き残しておかないといつか伝えきれなくなると、記憶をたどりながら意欲的に原稿用紙の升目を埋めています。

※近畿中国帰国者支援・交流センターは、2001年から厚生労働省の委託により大阪YWCAが実施している事業です。
(専任講師 氏原庸子)
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