大阪YWCA会報(大阪版)

2004年12月・2005年1月合併号(抜粋)


<目 次>

[一面]
クリスマスメッセージ
 山田 真樹

[二面][三面]
YWの窓
 「やまぼうし」四号出版祝会

男の目
 「こどもたちと関わってきて」

[四面]
専門学校あれこれ
 「日本語と日本文化を学んでいます。」

女性エンパワメント部
 「DV家庭の子どもの支援者養成ワークショップから」

その他



クリスマスメッセージ

 私はクリスマスの出来事を読むときなぜこのような出来事なのだろうかと、とても不思議に思います。なぜ、マリアが戸惑い、考え込むような身ごもり方なのだろうかと。又、ヨセフも苦悩の中におかれ、誕生は馬小屋でかいばおけの中、救い主に会えたのは羊飼いと博士だけ。けれども、神様の私達に示される事があまりにも不思議ではかり知れない所に、私達は自分の考える事がすべてという価値観をくずされ、見えていなかった事に目を開かれ、帰られるのだと思います。思えば、私達の日々の歩は神様に対する問いだらけではないでしょうか。なぜこんな事が、なぜこんな苦しみを自分が負わなければならないのか、なぜなぜと、問い続けているのではないでしょうか。
 意味がわからない状況というのはとても不安で、受け入れ難いものです。できれば、そこからのがれたいと願います。しかし、戸惑うマリアに天使は、「聖霊があなたに降(くだ)り、いと高き方の力があなたを包む。」と告げます。これは人間の力では想像もつかない強い力が臨み、苦悩の中で神様に信頼をおく者に対して神様の救いが与えられるという意味です。マリアに起こる状況は変わりません。それは社会の無理解や冷たい目と戦わなければならない苦悩の現実です。しかしマリアは、「お言葉どおり、この身になりますように」と答えます。戸惑いと苦悩の中に神様の御心を受けとめるマリアの心の変化を私達は見ます。与えられた現実は変わらないのに、その現実の中で神様の導きと喜びが静かに心を満たす体験をしたのだと思います。神様の御心を問う人間の心やまなざしを変えていくのです。
 戸惑い考え込むマリア、苦悩するヨセフ、苦しい旅の末、馬小屋で救い主に出会う博士達、貧しさと危険をともなう不安定な仕事の羊飼いが祝う救い主の誕生。それは、できるだけ多くの人々に、「神様がともにいる。」という心からの体験と希望を与えるために、神様が導いて下さったクリスマスの出来事です。
 神様が私達に与えて下さった救い主、イエス・キリストを、自分のこの身に宿す時、様々な人間の苦悩の中に力強く静かに広がる救いの喜びを私達も体験するのです。
(山田 真樹/日本基督教団無任所教師)

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YWの窓
「やまぼうし」四号出版祝会

 8月30日に「やまぼうし」四号の出版祝会が、シャロン千里のホールで行われました。
 2000年、シャロン千里オープンの年の7月から、入居者の皆さん対象にエッセイを書くサークル「文月会(ふづきかい)」を発足、月一篇の作品を書き、合評会で感想を交し合う活動を続けて四年が過ぎました。一年間の作品を全部収録したものがB5版の冊子「やまぼうし」となります。今年の7月で四号を数えました。
 出版祝会には、永井前理事長、坂上施設長はじめ、外部のグループの方、会員のご家族、入居者の方など大勢参加して下さいました。
 紅茶、ケーキ、フルーツがきれいに並べられたテーブルに、少しオシャレをした会員が、晴れやかな表情で着席しました。
 お祝いや励ましのスピーチに笑顔を絶やさない会員の中には、九十六歳一人、九十五歳二人の会員がおります。三人とも発足当初からのメンバーで、書かれるエッセイには、過ごされた年月の中から、青春時代、戦中戦後のこと、現在の生活などが、それぞれに豊かな味わいで表現されています。
 また、入居者八十代二人、七十代一人、その他YWCA会員、職員などで現在十二名。月一篇書き続けることで、次第に表現力もアップ、批評眼も肥えてきました。書いて、批評し合って、本にして、多くの方に読んでいただいて、私達の活動は成り立ちます。
 お祝会は嬉しい節目となり、五年目への励みになりました。
(会員)

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男の目
「こどもたちと関わってきて」

 学生時代に青少年部と出会い社会人になった今まで、約6年キャンプを通じてこどもたちと関わってきました。そのこどもたちとの関わりは多様ですが、そこには他者と繋がりたいという強い思いが底辺にあるのだと感じてきました。
その所属感は、人として基本的な欲求の1つで、好意から生まれる建設的な関係性は、それぞれの人生を豊かにしていくものです。
 しかしキャンプではその様に綺麗に育まれる訳ではありません。他者に対するネガティブな感情もキャンプを通じて多く生まれます。けれども好き嫌いを通じて関心を持つという姿勢が、投げやりでない真剣み、つまり世界や自己に対する信頼感を、培う土壌になると思うのです。
 最近中学校で23%、小学校で8%の生徒に、抑うつ症状が見られるという調査報告が公開されました。『何をしても楽しくない・独りぼっち』などという答えが多く書かれていたそうです。これには時代の一端が見え隠れしている様な気がします。
 私はこんな世相だからこそ、こどもたちが自由に自分を表現できる場、かっこ悪くてもいいから血の通うキャンプ、今まで行ってきた素朴な人間関係を築くニーズはあるのではないかと、最近思いました。
(青少年部委員)

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専門学校あれこれ
「日本語と日本文化を学んでいます。」

 ボビーステュワートと申します。アメリカのフロリダ州から来ました。ロータリー財団国際親善文化研修生として奨学金を受けて、大阪YWCA専門学校で学んでいます。祖母は日本人です。母は東京で生まれ、今フロリダ州に住んでいます。小さい頃から日本茶、梅干しに慣れ親しんでいました。
枚方市の松本真由美さん宅にホームステイをする機会にも恵まれました。日本人と一緒に生活することが、語学上達の一番いい方法だと思います。「いってきます」と「いってらっしゃい」の違いもホストファミリーが教えてくれました。おいしいお料理も作ってくれますし、家族の一員として接してくれます。
 10月から12月まで、日本語モーニングコースで勉強しています。ロールプレイや実践的な会話練習をすることによってより自然な日本語が身につきます。その日に習った会話は、すぐホームステイ宅で使うことが出来ます。先生達は私の質問に丁寧に答えてくれます。(いつも私はたくさん質問します!)
 日本語が上手になるには、単語や構文を覚えるだけではなく、日本人の礼儀正しさや会話の間の取り方も学ぶことが必要だと思うようになりました。
 この3ヶ月の経験は私にとって大変有意義で価値のあることです。他の人もこのエッセイを読んで、視野が広がり、今までの自分の世界から一歩外へ踏み出すことが出来たらいいなと思います。100周年を迎えた国際ロータリー財団と同じように、YWCAも国際理解のために大きな役割を果たしていると思います。
(原文 英語)

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女性エンパワメント部
「DV家庭の子どもの支援者養成ワークショップから」

 10月9日・10日、大阪YWCAにおいて2日間の「DV家庭の子どもの支援者養成ワークショップ」が開かれました。北は仙台から南は宮崎まで、実に多様な立場の方々が参加して下さいました。
現場経験の豊富な講師陣のお話はわかりやすく、説得力がありました。そして、お話を聞くだけではなく、参加者各人がもついろいろな経験や思いを互いに話すことで、女性支援の今や子ども支援の取り組みについて、自分とは異なる考えや視点を得ることができたのではないでしょうか。そしてまた人と人とのつながりを作り、広げていくよい機会になったのではないかと思います。
 初日、ワークショップの後の交流会では、参加者・講師・スタッフ皆が手をつなぎ、"前を向いて歩こう"(上を向いて歩こうの替え歌)を歌ったことは、私にとって印象的なことでした。おそらくそこにいた総ての人ににとってもそうだったのではないでしょうか。そして2日目に向けて参加者同士の距離がぐっと近づいた気がしました。
 私自身は、子どものサポートにおいて母と子どもという分け方ではなく、母親と子ども双方の視点に立った支援が今必要とされていること、子どもが大人と暴力的でない肯定的で受容的な関わりを持つことが大切であること、そして援助者として当事者と向きあう前に自分自身を知り、援助者自身が自己の中にある被害者性と加害者性を認識することが重要であること等が心に残りました。そしてそれらのことが、他者と尊敬をもって関わることができるようになる第一歩だということを強く感じました。
 講師の一人金香百合氏が、「知っていることをできることに」「学びを行動に」といわれました。それは簡単なことではないけれど、このワークショップで学んだこと、考えたことを自分のいる現場で少しずつでも生かしていくことで、将来女性や子どもの支援の礎となり、大きなネットワークになればいいと強く思いました。
(女性エンパワメント部ボランティア)

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