大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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TOP PAGE > YWCAについて > ニュースレター > アーカイブ一覧 > ニュースレター07.8・9月合併号
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大阪YWCA機関紙(2007年8・9月合併号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年9回(4/5、12/1、8/9月が合併号)毎月1日発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
若者とポーポキと共に進める平和運動
世界YWCA総会
若い女性のプレ総会
YWの窓 自分の中の種を育てる
歌声サロン
専門学校あれこれ〜「赤毛のアン」を英語で読む講座〜

若者とポーポキと共に進める平和運動

 平和ってなに色?味やにおいは? 五感で捉える「平和」って、どんなものだろう。空をキャンバスに平和を描くことができたら、あなたは何を描くだろう?
 日本で「平和運動」といえば、原爆や戦争体験の証言を聞いたり怖い写真を見たりする活動が一般的だろう。こういった「戦争」を通しての平和活動は、いわば「壊された平和」から学ぶということで、目指すところは戦争の原因や解決方法を探ることだろう。そこで目指される「平和」は重要だが、平和のすべてではない。戦争によって規定されているからだ。過去を忘れることなく、暴力によって規定されていない前向きで確かな平和創造を目指す楽しい平和活動。そういう活動だったら進めたい。
 私はもはや若者ではない。中学生の頃に学校をサボって、ベトナム戦争に反対するデモに行ったりして、高校生になるとむしろ平和運動に絶望して二度としないと宣言した。平和運動は社会を変える力を持っていないし、運動そのものはあまり面白くないと思ったからだ。その後、女性・性的少数者などの人権運動や環境運動に取り組んでみた。少しずつわかってきたことは、人権も環境もみな「平和」問題だということだ。
 そこで、自分らしい平和活動をねこのポーポキと一緒に起こそうと思った。それは、いのちの多様な色、音、においなどを感じることを重視するポーポキ・ピース・プロジェクトという活動だ。問いかけを通じて、身近な心の平和から世界平和まで、様々な平和の姿を求める絵本『ポーポキ、平和ってなに色? ポーポキのピース・ブック1』(エピック)を中心に平和を探すワークショップなどの活動を進めている。
 私が目指す「平和」は、可能性に満ちた玉虫色のもので「いのち」に限りなく近いものだ。そういった平和には知識が必要だが感性も不可欠だ。恋、失恋、怒り、喜び、笑い…。これらを感じるからこそ「生きている」ことになる。そして、より豊かに「生きる」ために「平和」が必要だ。平和の色は、人によって、時によって異なるだろうが、色があることは間違いないだろう。最近、多くの人は、自らのいのちの色に気づこうとすることを忘れかけている。あなたはいかが?自らのいのちはなに色だろう?
 私とポーポキから始まった運動を若者に展開していただきたい。自分のいのち、周囲にいる人や動植物のいのち、遠いところにいるいのちのための運動だ。頭だけではもったいない。感性をすべて使って、大きく多様な平和を描くような、広い空を羽ばたくような平和運動。
 若者たちよ、あなた方のポーポキ運動にぜひ私を参加させていただきたい。
(神戸大学大学院国際協力研究科 教授 ロニー・アレキサンダー)

世界YWCA総会 

 〜Changing Lives, Changing Communities 生き方を変え 社会を変える〜
 7月3〜11日、ケニアの首都ナイロビで第25回(臨時)&26回世界YWCA総会が開催された。日本から6名の代議員と15名のオブザーバーが参加、共通の目的に向かって働く世界規模の運動体であるYWCAを実感して帰国した。大阪からの参加者のホットな報告をお届けする。(詳細は日本YWCA紙9月号に掲載予定。)
【臨時総会】 7/3〜4
 定期総会に先立ち、会則改正のための臨時総会が開催された。会則改正のポイントは、@「キリスト教基盤」を、より多様な層を包括し得る柔軟な表現にする A世界Yへの加盟条件に「25%以上の若い女性(30歳以下)によるリーダーシップ」を明記 B世界総会の代議員数を会員数にかかわらず平等にする C世界Y常任委員により多くの若い女性を入れる の4点。
 ABは痛みを伴い得る提案ながら全会一致で採択。感動の拍手が渦巻いた。Aの採択は、大阪Yを含む世界中のYに、方針決定機関(大阪の場合まずは幹部委員会)への若い女性の登用に本気で取り組む決意を促す。
 問題は@。伝統的なキリスト教的言い回しに固執し、「広く包み込むような表現ではYWCAのCが弱まる」という意見も強い中、かろうじて可決に至った。
【本総会】 7/9〜11
 改正後の新会則に則って開催された総会では、向こう4年間の行動計画の採択や会長・会計・常任委員の選出が行われ、新会長に37歳の弁護士スーザン・ブレナンが、選出された。27歳の若さでオーストラリアYの共同会長を務めた経験の持ち主で、今回の会則改正作業の責任者としても活躍した。
 10年間世界Y総幹事を務めたムシンビ・カニョロに替わる次期総幹事として、ジンバブエ出身のニャラザイ・グンボンズバンダが紹介された。39歳の弁護士で2児の母。UNIFEM(国連女性基金)東アフリカ地区で活躍した気鋭だが、「未亡人であった母が野菜を売って育ててくれた」という。何人もの応募者から採用されただけあるスケールの大きそうな人である。
 会長・総幹事とも30歳台、常任委員は20人中11人が30歳以下と、世界YWCAの執行部は若い女性のリーダーシップが光っている。
【IWS】 7/5〜7
Nothing about us, without us(私たちに関わることを、 私たち抜きで決めないで)
 「ポジティブ女性のリーダーシップは、交渉して手に入れようというものではなく、当然のもの」というカニョロ総幹事の力強い言葉で、『HIV/AIDSにおける女性のリーダーシップ』をテーマとする国際女性サミット(IWS)は開幕した。総会の代議員・傍聴900人に他団体からの1200人を加えた空前の規模。前日に行われた「歴史的」と評されるポジティブ女性だけのフォーラムを受け、「HIV/AIDSの蔓延を断ち切るには、女性のエンパワーメント・政治参加、暴力の根絶が必要」と世界中の女性の声が一つになった。
 「ポジティブ女性」とは、HIV陽性(=感染者)女性のこと。「ポジティブな(=前向きな)女性」と置き換えられるくらい、パワフルなポジティブ女性にたくさん出会えた。HIV/AIDSに対する偏見やスティグマ(汚名・恥辱)の根強い日本社会にあって、「糖尿病などと同じ慢性疾患のひとつ」と捉える流れを作って行く責任を強く感じる。
 新たな感染者に占める女性の割合が増え続ける背景には、貧困・暴力・ジェンダーの不公正がある。子どもが世帯主である家庭やエイズ孤児の問題にも直面した。日本の私たちにできることは何?

若い女性のプレ総会 7/1〜2

 「YWCA〜♪女性達が生活に変化をもたらし、女性達によってコミュニティが変革される・・・♪」 軽快かつパワフルな音楽が流れ、参加者が誰彼ともなく踊りだす。よどんだ空気は吹き飛び、笑顔があふれる。会場の中央にはゴザとクッション。各々好きな場所に座ったり寝そべったりして、居場所を確保する。
 30歳以下の「若い」女性が250人近く集まったプレ総会。HIV/AIDSや女性への暴力に関する取組みなど、それぞれの地域YWCAでの活動をシェアする中で、新しい動きを知り、問題を共有化し、認識の枠組みを拡げる。何にもまして、世界中でYWCAの理念・目的に基づいて活動している同じ年代の仲間がいることに勇気づけられた。
 最後のセッションには世界YWCA会長と総幹事が同席。「地域YWCAではいつも同じ顔ぶれで、‘変化のない’会議。変えようと思ってもなかなか変えられない・・・」といったもどかしさを感じている若者の声に耳を傾け、「‘変化がない’と思うなら花を飾って音楽を流して、できる事から変えていけばいい。変える行動を起こすのは、あなた達自身」と激励された。
 最初の歌詞のように、女性が力を結集しコミュニティに変革をもたらすには、まずは自分が変わること、自分から行動を起こすこと、それを改めて感じた2日間だった。
(職員 上田理恵子)

YWの窓 自分の中の種を育てる

 わたしは多言語の自然習得活動に参加しています。「英語ひとつ習得するのも大変なのに、多言語!?」と疑問を持たれる方も多いでしょう。でも、誰もが生まれながらに、どこの国のことばでも話せる「種」を身体に宿しているのです。その種は環境によって開花します。環境とは周りでいくつものことばが話されていることや、関心をもってあたたかく受けとめ聴いてくれる人々がいることです。こうした適度な水や太陽の光が種に注がれることによって、見事な花(多言語)が咲いていくのです。そして種が花開いていく変化は指数関数的です。初めはほとんど変化がないように見えるけれど、あるところからぐんと伸びていくという感じです。このことは、ことばだけでなく人間の持つあらゆる力について言えると思うのです。人は様々な可能性を内在しています。それらは人との暖かな関わりや対話によって育まれ、発揮されていきます。時に本来持っている力が見えにくかったり、変化が遅々として進んでいないように思えることもあるでしょう。そんな時にも、いえ、そんな時だからこそ、目の前の人の可能性の種を見つけ、信じ、見守り続ける。女性エンパワメント部の働きは、こうした人がエンパワーしていく環境を作り出すことなのだと感じています。自然の変化は指数関数的。いたずらに先を急ぐのでなく、本来の自然のリズムを大切にしながら、エンパワーしあう環境を育み続けていこうと思います。
(会員 植木美恵子)

歌声サロン 〜シャロン千里後援会主催〜

 歌声喫茶、それは昭和30年代の若者たちにとって、まさに青春の思い出の場所でしょう。それがシャロン千里に復活し、懐かしいメロディを響かせました。

 6月30日、梅雨の合間、土曜日の昼下がり、元少年少女58名が、シャロン千里に集まり、昔なつかしい歌の数々を、次から次へと声をはりあげて歌ったのであります。司会進行をして下さったコーラスのメンバーにのせられ、また素晴らしい伴奏で別世界にいざなって頂き、ひとりひとりが全く現実を忘れ、時空を超えて、ひととき青春時代に戻ることが出来ました。
こんなにも歌うということが楽しいものとは。歌に縁のない私にとっては、驚きでありました。きっと全員、全身からアドレナリンを発散させて、若返ったことでしょう。司会の方がおっしゃった「同じ歴史を生き、同じ時代を生きた者達が集まって」気持ちを同じに出来た素晴らしいひとときでありました。
ひとつひとつの曲に、それぞれが忘れることの出来ない人生の一シーンを重ねつつ歌ったことでしょう。過ぎし日を振り返る年齢となり、ある曲には涙し、ある曲には甘酸っぱい思いになられたことでしょう。次回にはあの方も、この方も誘いたいと思ったことでした。エッもう終わるの?の消化不良をかかえつつ、しぶしぶシャロンをあとにしました。このような楽しいひとときが、シャロン千里を支えることに、お役に立てたこと、二重の感謝でありました。陰で働かれた方々、本当にありがとうございました。次回9月29日が楽しみです。
(会員 渡辺成子)

専門学校あれこれ〜「赤毛のアン」を英語で読む講座〜

 受講生は皆「アン」が大好き。英文の音読や、映画や朗読CDを使って楽しみながら学んでいます。講座担当の佐藤先生に、「赤毛のアン」の魅力についてうかがいました。

 私は、これまで何度も『赤毛のアン』を読み、アンに励まされてきました。今回、この講座を担当することになり、再びアンに出会えたことを嬉しく思います。今、年を重ねた私が『アン』を読み、興味をひかれるのは、アン自身だけではなく、アンとマリラとマシューとの関係や、アンが育った社会です。
 11歳の孤児アンが強く望んでいたものは「我が家(home)」です。マシューの死後、物語の最終章で、アンは大学進学をあきらめ、病弱なマリラの世話をするためグリーン・ゲイブルズに残ることを決心します。「我が家(home)」とは、「家族」とは何かを考えさせられます。
アンが育った社会、19世紀後半の「アボンリー村」は、「女らしさ」が期待される社会でした。でも、アンは赤毛をからかったギルバードの頭に石盤を振り下ろしたり、屋根の棟から落ちて足首を骨折したり、次々と事件を起こします。想像力豊かで活力あふれるアンの精神は、その社会が期待する女性観から飛び出そうとしていたのだと思います。
 講座では、英文をゆっくりと丁寧に読んでいます。参加者と一緒に『赤毛のアン』の新たな魅力に出会えることを期待しています。
(講師 佐藤恵津子)
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