◇YWの窓
「子ども時代の豊かさ」
◇男の目
「夫婦・・・そして、川柳」
同志社大学文学部社会学科教授 浅野 健一
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劣化ウラン弾 劣化ウラン弾は原発燃料の廃棄物で、日本も無関係ではない。劣化ウラン弾は湾岸戦争で初めて使用された対戦車用の兵器であるが、戦車を貫く際、エアロゾロ化したウランは空気中にばらまかれる。湾岸戦争、イラク戦争で戦車に向けて発射された劣化ウラン弾はイラク全土を汚染した。
バグダッド子ども病院 劣化ウラン弾による放射能の影響で子どもの白血病やガン、先天性障がい児出産はますます増えている。バグダッド子ども病院では、湾岸戦争時に被爆した親から生まれた子どもたちと、さらに今回のイラク戦争で被害を受けた多くの子どもたちがいる。医療機器等の不足により、治療もままならない状態にある。
戦争の民営化
講演では砂漠に埋められた兵士の遺体が映し出された。その写真はアメリカ兵ではなく、1日10万円とも言われる日当で軍事会社に雇われた貧しい国々の傭兵だという。彼らは何を訴えているのか。
現在、イラクの危険箇所はPMC(民間軍事会社、日本での報道はなぜか民間警備会社と誤訳された)が守っている。そして、今イラクで殺し合いをしているのは貧しい国からやってきた傭兵と石油や仕事を奪われた貧しいイラク人である。こんな「不正義な戦争」に協力してはならない。
大義なき戦争
この戦争に大義はなかった。イラク戦争前、国連で戦争に反対したのは、フランス・ドイツ・中国・ロシアだった。日本は憲法9条をもちながらアメリカに無条件で賛成した。
戦争を始めたアメリカの政治家たちは軍事会社の関係者で莫大な利益をあげ、国は石油の利権を守ったという。そして日本はほとんど議論もなく自衛隊を1年延長した。一つの偽メールを巡って与野党あげて大騒ぎをしたが、根拠もなくイラク戦争を支持した責任については問いもしない。
イラクに関する放送の量は2年前より格段に減った。しかし、イラク戦争は終わっていない。むしろこれから悲劇は広がっていく。報道した新聞やテレビを励まして欲しいという西谷氏に言葉が残った。
(文責:大阪版編集委員会)
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