大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2016年11月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年8回発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
子どもと生きる喜びを
くれよん月例会
「私らしく咲く―女性のこころの発達を考える講座―」
被災者支援から始まる新たな形の連携
〜熊本YWCAとの交流から見えてきたもの〜
YWの窓 どこにいても
「ガールズSST」を実施しました

子どもと生きる喜びを

  わたしが取り組んでいる子ども支援活動の分野では、6人に1人(16.3%)という「子どもの貧困」が数年前からクローズアップされ、やっとそのための施策や予算が検討され始めている。もちろん、子どもが貧困なのではなく各家庭が貧困なのであり、家計に苦しむ親の多くは、時間や体力気力の余裕がなく、子どもにとって「ほっとできる安心な親」であり続けることが難しくなっていく。
  「子ども支援」は、子ども本人に寄り添い、その人権擁護の役割を引き受けるつもりになることが大切である。親が自分の事情や困窮状況を誰かに相談することはあまりなく、子どもも自分の家の秘密と感じていることを外部の大人に話すことはほとんどない。わたしたちが、信頼関係を地道に重ねながらいつも子どもから知らされることは、その子がどんなに親を思いやりいっしょに幸せになりたいと願っているのかということである。
  しかし、その親による八つ当たりや憂さ晴らし、家事の押し付け、過剰な期待と支配、暴言やネグレクト(無視放置)……。それらは子どもの心を深く傷つけ、自尊心や意欲を奪い、格差の悪循環を促進している。
  少しでも時給効率の良い仕事に就くために、母親が深夜に働く家庭も多くなっている。朝に帰宅し昼間睡眠をとり、だんだん疲れて子どもとの時間を過ごせなくなっていく。中には自身の母親もシングルマザーで夜働いていたという連鎖事例もある。「小さい頃、眠る時『どこにも行かない』と約束したのに、夜中に目が覚めると母はいなくて、ずっと1人で泣いていた」と過去の自分を振り返る。

*   *

  ほとんどのシングルマザーが自分の離婚を個人の物語(自己責任)として封じ込めている。しかしその約7割は、DV被害が離婚原因であり、8割は就労しており、にも関わらずその半数以上が貧困状態から抜け出せないという日本の母子家庭の現状への施策は、OECD諸国では最低レベルである。若者や女性の労働力を搾取する非正規雇用、男性を子育てから引き離す企業の長時間労働や単身赴任など、その理由や背景を考えると、『人権を軽視されながら母親が子育ての責任を負わされる』という理不尽な現実の中で、子どもの願いとは真逆に、母親が疲弊していく現状があぶり出されていく。
  母親がわが子を「いっしょに生きるパートナー」として大切にできるよう母親自身の心身を守るには、すべての人が、どんな事情があっても子ども時代から適切な支援を受けることができる仕組みと人権意識(自尊感情)の定着が必要なのであり、早急に社会改革の課題とされるべきだと、わたしは思っている。

西川 日奈子(NPO法人西淀川子どもセンター代表理事)

くれよん月例会「私らしく咲く―女性のこころの発達を考える講座―」

 これまで大阪YWCAで行ってきた「夫や恋人との関係を考える講座(通称くれよん)」のフォローアップ・グループである“くれよん月例会”を今年度からリニューアルし、くれよんの元受講生以外の女性も自由に参加できるようにしました。
 講座では年間テーマを1つ決めてカウンセラーがミニ講義を行います。そして安心できる空間で、参加者同士が気軽なおしゃべりを通して自己を見つめ、元気になるようお手伝いをしています。

 今年度は女性の生涯における心理的発達をテーマとしています。発達心理学者であり、精神分析家のエリクソンの発達理論に基づき1回に1つの発達段階を取り扱うという形で女性の心理的発達を追い、4月から乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期の発達まで取り扱ってきました。女性は、生まれてから死ぬまでの間、年代ごとにさまざまな心理的課題を達成して人格的成長を遂げていきます。しかし従来の発達理論は男性を想定してつくられたものばかりで、女性の特性はほとんど考慮されていません。昔は女性が独立した人格をもつ存在とは認識されず、男性に従属し、主体性をもたないのが当然とされていたことが影響しています。残念ながら現在においても女性の発達理論は確立されているとは言えません。そこでこの講座では、様々な研究者が指摘している内容を統合して講義をしております。
 講座参加者からは、人生を振り返るいい機会になる、当時は否定的に考えていたことが実は意味のある経験であったことを確認できて良かった、子どもとの関わり方を考える上でとても参考になるなど、好評をいただいております。

*   *

  現代において、定年退職まで働き続ける生き方を典型とする男性に比べると、女性の生き方は多様です。学歴やキャリア、結婚や出産など、さまざまライフイベントについて自分はどうすべるきかという選択に迫られることになります。その意味で、女性はどのような生き方を選択するにせよ、本当にこの選択で正しかったのかと悩むことも多いのではないでしょうか。女性が独立した人格をもって生きることが肯定される時代になってまだ日が浅く、女性たちが自身の生き方を模索する日々は今後も続くことが予想されます。最近、初の女性東京都知事が誕生し、女性がリーダーシップをもつことが実現しやすい社会にもなってきております。まだ参加されていない方も、この講座に参加して自分自身の生き方を見つめなおしてみませんか?

<講座参加者より>
 この講座に参加して感じることは、己を見つめることで、他者や社会が見えてきたことです。そして、自分自身の思い込みやジェンダーが少しずつ剥がれていく様に感じます。この講座を受け、私は私らしく咲こうとしています、女性が生きにくい社会だからこそ、しっかり自己理解を深め、他者、社会を見つめて生きていきたいと思います。

井ノ崎 敦子(講師・カウンセラー )

被災者支援から始まる新たな形の連携〜熊本YWCAとの交流から見えてきたもの〜

  今年5月に開催された地域YWCA会長会での話し合いおよび加盟YWCA中央委員会の東日本大震災被災者支援活動についての協議の焦点は、「地域YWCA間の連携」だった。会長会では、「熊本のユースを西日本のYWCAのプログラムに派遣し、熊本の被災地の現状の報告とともにユースのリフレッシュと交流を行い、YWCAのアイデンティティについて知る機会をつくってはどうか」という提案がなされた。中央委員会では、東日本大震災から5年が経ち、財政的にも人的にも厳しい現状を踏まえて地域YWCA間の連携について議論された。
 これらの話し合いに出席した私は、地域YWCAとの連携・交流をぜひ実現したいと思った。そしてこの夏に行われた大阪YWCAこども部委員会主催の夏キャンプで熊本YWCAとの交流が実現した。熊本Yユース2人がリーダーとしてキャンプに参加することができた。4月に熊本地震があり、被災者でありながら被災者支援をしている熊本Yユースを、息抜きも兼ねて派遣したいとの申し出が熊本Yからあったとのことである。キャンプ前日は私の家に泊まってもらった。お2人と、熊本Yユースの活動や大阪Yのプログラムなどさまざまなことを話した。活力あふれる、頼もしい若い世代に会えて嬉しかった。
 今回の交流のきっかけは、こども部の栗田委員が昨年の「ひろしまを考える旅」で熊本Yのメンバーと出会い、今年3月、熊本Y主催の福島と熊本キッズのキャンプに参加したことと聞いた。熊本Yはユースが多いらしい。YWCAは地域ごとに特色がある。各地域Y同士互いに行き来し、積み重ねてきた経験や情報を分かち合うことで、また新たな形の連携ができるのではないだろうか。栗田委員の「(交流してよかったことは)大阪以外にも仲間がいるのだと思えたこと」という言葉が心に響いている。地域YWCAと連携し、YWCAのプログラムを更に充実させていきたいと思う。

(会長 佐藤 惠津子)

YWの窓 どこにいても

  東京新聞、BERG、宝塚すみれ発電。これらは私が東京で出会った、「いいね!」。東京新聞は、5年前の東京電力福島第一原発事故以来、その報道姿勢に注目していた。8月末の社説では、「読者のみなさんとともに、今、あらためて憲法を考えたい」と、以降10回にわたって“今、憲法を考える”が掲載された。他にも“いま読む日本国憲法”というタイトルで1回1条文の連載記事がある。
 YWCAの会員になるまで憲法を勉強してこなかったことを反省、後悔もしていた。しかし最近では、日本の学校教育、わざと教えてこなかったんじゃないの、と逆ギレしている。日常的に憲法に接するにはどうすればいいか。大阪YWCA千里で実施している配食サービス。手作りのお弁当には、B6版でその日のメニューがついてくる。メニューに憲法の条文を1条ずつ解説をつけて載せたい! 前文と補則を含めて103条、ってことは約2年で1周。2周目は、「私の好きな条文」を公募しよう……。アイデアを温めている間に異動、しかも東京新聞に先をこされてしまった。
 政治、経済の中心である東京。新知事や2020年のオリンピックなど、なにかと関心は東京に集中しがち。こんな時は特に注意をはらいたい。沖縄、新潟、鹿児島、大切なことを忘れていないか。物理的に遠くても、心理的に近くにいたい。どこにいても「自分事」として行動していたいと思う。

(会員 幕谷 安紀子)

「ガールズSST」を実施しました

 大阪YWCAには、35年の歴史をもつ、知的障がいのある若い女性たちの余暇活動グループ「グループパレット」があります。養護学校(当時)を卒業後、男子生徒よりも作業所などで働く機会が少なく、家庭にこもりがちになる女子のための「生活学校」として始まり、当事者の自己決定をより充実させた「グループパレット」として継続しています。この間に障がい者を取り巻く社会環境や制度も大きく変わり、障がいの程度や個別性に応じた就労支援や生活支援が行われるようになっていす。発達障がいなどの目に見えにくい障がいについても、広く知られるようになってきました。
 これらを背景に、公益財団法人?進会の助成金を得て、特別支援学校等に在籍する女子高校生を対象にした「ガールズSST」を初めて実施しました。SSTとはソーシャル・スキル・トレーニングのことで、社会生活に必要な技術訓練をいいます。今回の目的は、何らかのハンディをもつ女子生徒がコミュニケーションや就労準備などについて学び、自分の人生を豊かにしていくことです。期間は7〜8月にかけて、通い2日、合宿一泊二日ののべ4日間。大阪府下の特別支援学校高等部や専門学校から9人が参加しました。通い2回の会場は大阪YWCAで、合宿は堺市にある国際障害者交流センター「ビッグ・アイ」。ビッグ・アイ就労支援室のご指導も得ました。
 初日はパレット在籍の先輩とその保護者から卒業後の就労・生活体験談を聴き、保護者に向けては、「障がいがある子どもの幸せな自立のために、保護者のできること」の講義。メンバーは、コミュニケーションゲームで仲良くなって笑顔がでてきました。2日めにはストレスへの対処法や薬についての「薬育」、テーブルマナー。合宿では、面接実習やマンツーマンの就労実習、お金の管理や性についての学習と話し合い、など大変充実した内容となりました。
 初開催でしたが、ニーズの高さは十分確認できました。今後もより充実した内容で継続できればと願います。

*SSTとは・・・? ソーシャル・スキル・トレーニングの略で、社会生活に必要な技術訓練のことをいいます。

(会員 金 香百合)
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