仙台に拠点を持つ被災支援ネットワーク「東北ヘルプ」は、仙台キリスト教連合が東日本大震災直後に立ち上げた組織で、被災地のニーズと支援者のコーディネートを中心に活動しています。日本YWCAは東北ヘルプに協力して、事務をサポートするボランティアを派遣。大阪YWCAからは3名が参加しました。
5月18日から30日までお手伝いをしてきた。
主な仕事は、東北ヘルプ事務局にかかってくる電話やメールへの対応、HPの更新、全体会議の議事録作成などである。私が行った5月下旬でも、全国各地からいろんな形で支援をしたいという連絡がひっきりなしに入っていた。また、毎週行われていた全体会議では、支援に携わるいろいろな団体が出席し、情報の交換が盛んに行われていた。東北ヘルプに集まってくる情報の一端を垣間見るたけで、被災地でどれほど多くの支援者が活動しているか実感することができた。そして、被災者だけでなく支援する人たちも、日常から切り離されたところで頑張り続けていることをひしひしと感じた。
ほとんどは事務所での作業であったが、一度被災地での打ち合わせに同行することができた。訪問先は、仙台市宮城野区蒲生のシーサイドバイブルチャペルである。海のすぐ近くの教会で、建物は津波にさらわれて全く残っておらず、かろうじて土台が残っている程度。跡地には、支援者ががれきの中から探してきた十字架がたてられていた。かつては住宅地であったというが、周りは本当に何も残っておらず、ここに人が住んでいたことを想像することも難しい。そんな中に立つ十字架は、何か強い意志を表しているように見えた。
地域によって差はあるものの、避難所から仮設住宅への移転が進んできている。一般の賃貸住宅に移る人たちもいる。今までは避難所中心の活動であったが、被災者が分散していくことで、ほんとに支援を必要としている人々が見えにくくなってしまう心配がある。これから人々が普段の生活を取り戻していく中で、どのような支援が必要とされ、私たちに何ができるのか、考えていくという課題を持ち帰った。
(会員 平井 佐津紀)
平井会員の後、6月13日〜15日の3日間。地震発生から3ケ月が過ぎ、直前の週末11日には祈祷会が行われた、という時期だった。
仕事は、前週に開催された会議の音声記録から議事録を起こすこと、メールをチェックすること、ほとんど外出したままの牧師さんからの指示にいつでも動けるよう待機していること。ほとんど何の情報も現場知識もない者のできる仕事の限界と、現地に常にいる事務局スタッフの必要を強く感じた。
議事録に起こした会議の様子から聞き取ったこと、時折戻って話を交わされる牧師さんたちの言葉から、遠く大阪にいては入って来ないリアルな現地の状況が耳に入って来た。その場にいることの大切さと、日々の活動に忙殺されておられる現地の牧師さんたちと連絡を密に取り、遠方から支援を続けて行く方法を話し合う場が必要な気がした3日間だった。
(会員 津戸 真弓)
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