9月16日から20日までベトナムの国立ホーチミン市師範大学にて、ベトナム、タイなどをはじめとする東南アジアの大学の日本語教師や学生たちとともにシンポジウム、スピーチコンテスト、教師研修が行われた。
初日のシンポジウムでは、今回のテーマである「考える教師、考える学生」、「アクティブラーニング」、「ICT(*)の活用」についての講演や取り組みの報告があり、東南アジア諸国における従来の知識偏重型教育からの流れの変化を感じました。翌日のスピーチコンテストは、プレゼン、スピーチ、ディスカッションの3段階を通して総合的な日本語力を評価する形で、参加者の積極性、表現力の豊かさ、コミュニケーション力の高さに驚かされました。
後半3日間の教師研修は、各国の教師とのグループワークで、ICTを取り入れたアクティブラーニングの教材を作り、発表しました。私はハノイの大学の先生方と「日本へ留学する際の学校選び」をテーマに教材を作成しました。作業を通して率直に意見交換する中で、普段は真逆の教育環境で仕事をしていながら、「自ら考える学生を育てたい。自ら考える教師でありたい」という思いは同じだと実感しました。
本校でも上級クラスを中心にプレゼン、ディベートなど、アクティブラーニングを取り入れた授業を既に行っていますが、特に最近は受け身の学習者が多いと思われます。地道な積み上げ学習はもちろん大切ですが、ICTの活用を進めて教師や学習者の自由な発想や創造力を伸ばす授業にも取り組んでいく必要を感じました。
*ICT…情報通信技術
佐伯 玲子(大阪YWCA日本語教師会専任講師)
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