大阪YWCA会報(大阪版)

2005年6月号(抜粋)


<目 次>

[一面]
大阪YWCAにおけるDVへのホリスティックな取り組みとは?

[二面][三面]
留学生の今昔

YWの窓
 「延期された姉妹提携式」

男の目
 「新婚生活」

[四面]
◇2005年度大阪YWCA委員会等組織

その他


大阪YWCAにおけるDVへのホリスティックな取り組みとは?

 ホリスティックという言葉をご存知ですか。最近、この言葉は国際的な人権・教育・福祉・医療などの分野でキーワードのひとつとなっています。
 日本語では「総合的・包括的・全体的」と訳されています。ホリスティックな考え方とは「部分をそれぞれに大切にしながら、なおかつそれをつながりや関わり、バランス、相互作用の中で総合的にとらえる」ことです。現代社会はものごとを専門分化し、単一化してつながりや関わりを分断していく傾向を強くもっているので、「ホリスティック」ということがますます重要になっています。
 さてドメスティック・バイオレンス(DVすなわち恋人や配偶者からの暴力)にホリスティックに取り組むとはどういうことでしょうか。この問題にかかわる人々として被害者(大半は女性)、加害者(大半は男性)、子ども、親族や友人、職場や近所の人々、援助者(医療・心理・子どもの教師なども)、など多岐にわたる人々をまず視野にいれます。こう考えると誰もがこの問題につながっている可能性があります。その中で最優先課題は被害女性への緊急支援です。被害者へのホリスティックな支援は、まず暴力からの避難と安全確保。そして、心やからだに受けたダメージからの回復。次にひとりの人間として精神的に経済的に社会的にエンパワーして自立生活するまでの多様で長期的なサポートが必要です。加害者への取組みでは、暴力についての自覚、処罰、謝罪、脱暴力への学習などが必要になるでしょう。
 大阪YWCA女性エンパワメント部がDVをホリスティックに取り組むようになった経緯をみてみます。1999年より「女性への暴力被害者のためのサポーター養成事業」(文部省委嘱)を開始。年々取り組みを重ねて、現在は@女性被害者のための講座(’02〜)A男性加害者のための脱暴力事業(大阪府委託)(’02〜)B被害者の援助者研修(’99〜)CDVの子ども支援者養成(’04〜)など、公的助成金等を頂いて実施するに至っています。
 ホリスティックな取組みでは被害者・加害者・子ども・周辺の人々・援助者のそれぞれに関わっている人間が互いにつながり、かかわりつつ問題解決をめざす必要があります。エンパワメント部ではこうした関係が効果的に継続しています。このようにホリスティックな取り組みが行われている団体はまだ日本では極めてめずらしく、大阪YWCAの取り組みは今後もますます注目されていくことでしょう。
(ホリスティック教育実践研究所所長 金香百合)

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留学生の今昔

 大阪YWCA専門学校では、全日制の日本語教育を開始して20年になります。その間、留学生を取り巻く状況や、環境も様々に変化しました。それに伴い、留学生の気質にも変化が見られます。そこで、留学生気質の昨今について、日本語学科の氏原庸子専任講師に語っていただきました。また、'04年度の卒業記念文集から、留学生の作文を3篇取り上げました。現在の留学生の考え方が伺えることでしょう。

 わたしがYWCAで働きはじめた十五年前、日本はジャパン・アズ・ナンバーワンと持ち上げられ、バブル景気が最高潮を迎え、日本中がマネーゲームに浮き立っていた。
 当時の留学生のほとんどが韓国、中国、台湾といった近隣からの学生たち。日本の経済力に魅力を感じ来日した学生が多く、学校よりアルバイトに精を出す学生もいた。ただ、どの学生も将来は国を豊かにするために働きたいと真剣に語っていた。バブルに浮かれる日本人とは好対照で、強い意志を持った目がまぶしかった。
 その後、日本は坂道を転げ落ちていき、経済力に引かれて来日する学生は減った。経済力を持った家庭の子女たちで、「生まれてから、欲しい物で手に入らないものは無かった」などと言う学生も出てきた。現在の三種の神器は「携帯電話」「電子辞書」「パソコン」。日本人と同じだ。
 インターネットで国の情報を得、友だちや家族と連絡を取り、国の映画や音楽・スポーツを時間のずれなく楽しんでいる。将来の夢は金持ちになること。楽しいことだけをしたいと曇りのない笑顔で語る。口を開けて待っていたらなにかおいしいものが与えられると信じているようでもある。
 しかし一方で、日本に来て初めて自分のことを自分でするという経験をし、親からの援助に頼らず自立して生きようとする学生もいる。自分の将来について自分で考えようとしている。
そんな多様な彼らに寄り添い、未来への道筋を見つける手助けをするのが我々の仕事。進学、就職、帰国、結婚した学生たちの報告を聞くのが我々の喜び。2005年春、動機も夢も異なる15の国や地域の学生たちが集っている。
(専任講師 氏原庸子)

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YWの窓
「延期された姉妹提携式」

 当機関紙3月号1面に韓国プサンYWCA事務総長、河善圭さんの「早くお会いしたいです」が載った。楽しみにしていた提携式の12日前、突如プサンYより延期の申し出があった。理由は島根県の「竹島の日」を巡る反日運動の激化。こういう時期だからこそ訪韓したいと頑張ったが、いろいろ検討した結果、延期せざるを得なかった。
 その後、プサンYより丁重なるお詫びの手紙が届いた。
 島根県側には漁民の生活権など諸事情があったというが、私には認識不足でどちらの領土だと言うことはできない。
 数十年前、母の友人が「息子が在日の女性と結婚したいと言ったので別れさせた」と居丈高に言うのを聞いたことがある。なぜと疑問をはさむ余地もなかった。当時の人々の朝鮮半島に住む人たちへ感情は理屈ではなく、体に染み込んだものであった。
植えつけられた差別観を持った年代が高齢になり、若い人には友好の気運が満ちてきた今、マスコミ報道で再び誤ったイメージを持つ人が増えるのを懸念する。マスコミは一部分の事実を誇大拡張する傾向があるのだから。
 両国の友好を保つには、プサンYとの姉妹提携のようにお互いの顔が見える草の根交流を地道に続けていくことではないだろうか。
 一日も早く提携式がおこなわれることを祈っている。
 (会員)

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男の目
「新婚生活」

 昨年11月に結婚し、4ヶ月が過ぎました。何もかもが新しく、慣れないことばかりだった新婚生活にも少しずつ、二人なりの生活のリズムができてきました。一緒にスーパーに買い物に出かけたり、掃除や洗濯など協力して家事をしたり、普通の生活を二人なりに楽しんでいます。
 その一方、学生時代からの付き合いでしたが、結婚して生活を共にするとなると、いろいろと勝手が違うものだと感じることもあります。思っていたよりも二人の生活習慣にたくさんの違いがあること、お互いに自由な時間がとりにくくなったことなど、些細なことからけんかになったこともありました。
そんな時に思い出したのが、私たちが結婚式を挙げた教会の牧師さんから貰った一冊の本でした。その本とは、ある牧師が自らの結婚生活の体験をもとに、これから新婚生活を始める二人に向けたアドバイスを書いたものです。
 その本に書かれていた「結婚して最初の一年は、将来の土台を据える大切な時期であり、できるだけ二人の時間、コミュニケーションを大切にしなさい」というメッセージを時々思い出しながら、お互い少しずつ理解を深めていければいいなと毎日を過ごしています。

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