大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2015年5月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年8回発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
家族を戦争の道具にさせない
浜矩子さん講演会報告
フリージャーナリスト 西谷文和さん 講演会
「戦争のリアル 安部政権の虚構」
YWの窓 戦後70年に寄せて
第98回定期会員集会報告
行ってきました! 全国会員集会 in 沖縄

家族を戦争の道具にさせない

 自衛隊は、米軍の下請けとして創設されてから65年間、一度も実戦をしていない。逆に、人命救助の「災害救助隊」として国内外の評価も高い。これは、憲法9条の成果である。同時に、24条の存在がある。

個人の尊厳と両性の平等

 24条は、家族に関する法律に「個人の尊厳」と「両性の平等」の保障を要請する。個人の尊厳は13条、両性の平等は14条、に規定されている。この二つを、24条は、家族の中で保障する。一人ひとりに幸せな家族生活を、という願いとともに、家族関係において大切にされる経験は平和な人間関係の基礎になる、という思想がある。
 憲法前文の平和的生存権も、いう。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」。
 前文の「恐怖と欠乏」は、24条では「暴力と貧困」である。暴力の克服に関しては、2000年児童虐待防止法、2001年DV防止法が制定された。また貧困は、「子どもの貧困」・「女性の貧困」として社会問題化している。24条は、25条の生存権や27条の労働権に対し、家族生活の保障、すなわち「ワーク・ライフ・バランス」を要請する。

「憲法」と呼べない改憲案

  2012年に自民党が発表した改憲案は、24条に「家族は助け合わなければならない」を挿入する。戦前、「家」は相互扶助を強制され、差別・貧困・暴力の温床だった。いま「家族」に自己責任が負わされる。これは、改憲案前文の国民像と連動する。国民は「国と郷土を…自ら守る」。「基本的人権の尊重」も、国ではなく国民に課せられる。その国民が「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」と。
憲法とは本来、国家権力を規制するものだ。国家は家族のなかで生きる国民の自己責任の総和にすぎない、という改憲案は「憲法」ではない。国民に「家族」仲良く暮らすことを要求する「家内安全のお札(ふだ)」である。ここに、自衛隊を実戦に導く鍵がある。

家族と戦争

 自衛隊員は、どんな思いで、海外の戦争にいくのか。それは、家族である。「がんばれよ」と送り出す家族のために、自衛隊は戦争にでかける。戦争する国づくりは、家族が抱える問題から人々の目をそらし、イデオロギーとして家族の一体感をあおることから始まる。家族を戦争の道具にさせないために、現実に存在する多様な家族を、暴力と貧困から解放するところに、24条の存在理由がある。

若尾 典子(佛教大学社会福祉学部教授)
日本国憲法第24条
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。(日本国憲法より抜粋)

浜矩子さん講演会報告 2015.3.11

 安部首相は、アベノミクスの成功で日本経済が上向きになり、景気は確実に回復していると声高に叫ぶが、私たちの頭にはクエスチョンマークが3つくらい付いたまま。そこで、経済学者・浜矩子氏を迎えての講演会よりエッセンスをお届けする。

 「アベノミクス」という得体の知れない言葉に翻弄されてはいけない。YWCAのミッションは、一人ひとりが大切にされる社会を実現することにあると聞くが、このままではどんどん一人ひとりが大切にされない、互いに傷つけ合う社会になっていきそうだ。

『強さ』にこだわる首相

 安倍首相は、就任以来「強い日本を取り戻す」ことに執着している。2014年年頭所感では強い日本を取り戻すに続き、強い経済、誇りある日本を取り戻すと『取り戻す』を三回も使った。強い経済を取り戻せば日本は強くなり、誇りを持てる、つまり誇りの源泉は『強さ』だという。力と強さに対するこだわり、あこがれがはっきりと表れている。このために見るべきものを見ず、考えてはいけないことを考えるようになる。

『成長』より『分配』を

 現状における日本経済の本当の課題は、『豊かさの中の貧困』問題だ。世界で最もリッチな経済社会・日本のただ中に貧困がある。非正規雇用者、ワーキングプアなど枚挙にいとまがない。この『富の偏在』を直さない限り日本経済はまともに回っていかない。2012年度日本の相対的貧困率(*)は16.1%で、主要先進国34カ国中29番目に悪い数値を示している。このことに目をつむり、強さばかりに目を向け、成長を叫ぶが、必要なのは『分配』である。限りなくすべてを手に入れてしまった今の日本に必要なのは、手に入れた大きな富をいかにみんなで分かち合うか、ということだ。しかし、彼はこのことを見ようとしない。

国家は国民の幸せのために尽くすもの

 では、考えてはいけないこととは何か。それは国民と国家の関係を逆転させようとすることである。国民に奉仕する、国民の幸せのために尽くす国家ではなく、国家のために奉仕する国民へと仕向けようとしている。日本再興戦略2014年度版『未来への挑戦』では強い経済を取り戻すことに加え、国民の稼ぐ力を取り戻すのが喫緊の課題であるといっている。安倍首相は、国民一人ひとりが稼ぐ力を取り戻すことを「自分の課題として、生産性向上のために邁進してほしい、総員奮励努力せよ」と言っている。

一つの認識と一つの心得、そして三つの道具

  経済活動を営むのは人間が人間たるゆえんであって、経済が人間を不幸にするはずはない、との認識と、「己が欲するところに従えども『矩(のり)』を超えず」(孔子)との行動倫理(心得)をもつこと。そして、物事を正確に聴き取ることのできる、傾聴する耳と、人の痛みを自分のこととして受け止めることのできる、涙する目と、さしのべる手、この三つの道具を持ってすればアホノミクスに惑わされることなく世の中を向こう側に導くことができるのではないか。   

*相対的貧困率とは・・・
国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の人の半分以下しか所得がない人(貧困層)の比率を意味する。2012年度の場合一人あたり約120万円以下の比率をさす。

(文責 編集部)

フリージャーナリスト 西谷文和さん 講演会 2015.3.7 「戦争のリアル 安部政権の虚構」

 定期会員集会の午後、フリージャーナリスト西谷文和さんの 講演会を催した。生々しい映像で市民の暮らしを観せながらの講演は、聞く者の心に迫るものがあった。

 西谷さんの講演は、私たちが聴きたかったイスラム国の内情と日本人の人質事件から始まった。後藤健二さんは昨年10月に拘束されて人質となったが、殺害されるまでに救出する機会はあった。しかし、日本政府は交渉に応じないばかりか、1月に安倍総理は中東を訪問し、イスラエル国旗を背景にイスラム国と戦う国への援助を表明した。交渉国や限られた時間のことなど、私たちが断片的にしか得られなかった情報についても詳しく話された。その後、シリア等の内戦がなぜ起きたのか映像を観ながらの解説に移り、その原因は100年前に遡るものもあると指摘された。
 シリアのアレッポでの取材は銃声音に包まれ、ダマスカスからミサイルが飛来し、戦争が日常となっている様子をリアルに感じさせた。若者が命を落とし、難民キャンプがオリーブ畑に広がり、1カ月に5000人位ずつ難民が増えている。ある4才の避難民の男の子は、シリア内戦の銃撃戦や空爆の激しい音で歩けなくなったという。内戦4年、長い戦いに人々は絶望感を深めている。国を追われ、大切な人を亡くし、小さな子どもたちの無残な死に直面。17人もの人が狭いテントの中で暮らす様子も映し出されたが、そんな生活の中での子どもたちの笑顔は忘れられない。
 イスラム教とキリスト教の戦いとの誤解もあるが、決して宗教の違いが原因ではない。戦争により利益を得る国があり、戦争を続けたい人がいる。
 格差と貧困がなくならない限り、戦いはなくならない。今必要なのは、命への希望を与えること。北風ではなく、太陽の政策。少しでもあたたかい生活ができるよう水と食料と寝具と住宅を提供することだ、と西谷さんは語られた。
 日本と中東との間の歴史と現在へのつながり、原発や憲法のことを含めとても深く広く知ることができた。絶望ではなく希望のある生活ができるよう、危険と隣り合わせの現地に出向き、私たちに現実を伝えるため活躍されている西谷さんに心から声援を送りたい。

(会員 横内 いづみ) 

YWの窓 戦後70年に寄せて

  私が生まれたのは1965年、戦後20年のことで、子どもの頃、戦争は遠い昔の出来事だと思っていた。小学生の私は「戦争を知らない子どもたち」を自分のこととして歌った。
  でも今から振り返ると、戦後たったの20年だったのだということがわかる。戦争の記憶は人々や町のあちらこちらに残っていた。高層ビルが立ち並ぶ大阪ビジネスパークは、まだ1945年8月14日に空襲された大阪砲兵工廠跡の更地だった。沖縄復帰の日はよく覚えている。学校で友達に「今日何の日か知ってる?沖縄復帰の日だよ」とニュースで仕入れた知識を披露していた。
  兵士として出征された方、空襲を経験された方、身内を戦争で亡くされた方は、子どもの私が気付いていなかっただけで、周囲にもたくさんいたのだろう。でも直後話しを聞くことはなく、戦争は学校で学習するもの、本やテレビ、映画の中にあるものだった。それでも、戦争はむごく恐ろしく決して繰り返してはいけないものとして私の心に刻み込まれていった。
  最近では「はだしのゲン」騒動のように残酷な戦争の事実に子どもたちを触れさせないよう、また史実を捻じ曲げようとする動きが目立つ。たとえどれほど年月が経とうとも、戦争の事実を伝え続けていくことが、今を生きる私たちの未来の人々へ果たす義務だと、戦後70年を迎えて強く思う。

 (会員 小澤 裕子)

第98回定期会員集会報告

標語 「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」
新約聖書(マタイによる福音書22章39節)

第98回定期会員集会が、3月7日大阪YWCA千里を会場に開かれた。当日の出席者数は57名、傍聴1名、委任状提出者127名、計185名。

人と人とのつながりを大切に

 開会に当たり、俣野尚子日本YWCA会長より、「平和を求める活動に加えて、日々の暮らしのなかでしんどい思いをしている多くの女性たちの涙に敏感でありたい。国際団体として近隣のYWCAと顔と顔の見える関係を築いていきたい」とのメッセージが読みあげられた。開会礼拝では、日本基督教団北千里教会宮岡真紀子牧師が、「愛をもって隣人になる」の題でお話しくださった。
 14年度事業報告では、中山羊奈総幹事の「部門を超えてコラボするプログラムが多く実施された」という報告に続き、ボランティア・社会貢献部13委員会から活動紹介映像とアピール。活動は多岐に渡るが、通底するのは、「人と人とのつながりを大切に」。それは、俣野会長、宮岡牧師のメッセージでも語られたことであった。
 続いて次期運営委員・指名委員を承認。15年度事業計画案提案においても「(人と人との)つながり」という言葉が聞かれた。15年度事業計画案および予算案は賛成多数で承認された。
 18年の創立100周年に向け、年史、イベント、旅行の3小委員会で構成される「100周年記念実行委員会」の発足が小澤裕子会長兼実行委員長によって報告された。

(文責・編集部)

行ってきました! 全国会員集会 in 沖縄 2月14日〜16日

  沖縄で日本YWCAの全国会員集会が開催されました。1日目は基調講演と分科会、2日目はフィールドワークと交流会、3日目は各グループが内容と感想を共有しました。私は1〜2日目とも米軍基地のグループに参加し、2日目のフィールドワークは基地の反対活動をなさっている方をガイド役に米軍基地をまわりました。
 フィリピンYの方々もこの会員集会に参加されました。フィリピンにも米軍基地がありましたが、今はありません。フィリピンYの方から「なぜ沖縄の基地の前で反対運動をするのか?国会の前ではしないのか?」と質問されました。フィリピンでは、地元議会はもとより国会を動かしたとのことでした。今、沖縄は県議会が動き反対運動に明かりがさし始めたようです。しかしまだ「『沖縄の』基地問題」だと思います。自分たちの土地を自分たちのために使う、その大切さを思い知らされた旅でした。

 (会員 栗田 明日香)
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