大阪YWCA会報(大阪版)

2007年2月号(抜粋)


<目 次>

[一面]
◇2007年度計画案「さらなる飛躍の年に」
 辻 加代(会長)


2007年度計画案

「さらなる飛躍の年に」

会長 辻 加代

 大阪YWCAは3月3日(土)第90回定期総会を開催する。
 2006年度の活動を総合的に振り返り、この一年の歩みを共に感謝し、新たに2007年度の活動に力強く踏み出す決意の時である。昨年11月、日本YWCA全国総会で決議された主題、日本Y使命(ミッション)、日本Yビジョン2015を受けて、大阪Yとしてどの様に具体的に活動を展開してゆくのかが課題である。聖書を通してイエス・キリストに学び、どの様な状況下にあっても希望を見失うことなく、与えられる平和を信じて活動の前進を願う。
 憲法9条を世界の平和の礎にと願ってきた私達にとって、今年は憲法施行60周年の記念すべき年である。憲法9条によって保障されている平和のうちに生存する権利を自覚し、いろいろな場と時をいかして、平和憲法を再確認していきたい。そのために、ピースアクション2007を通年のプログラムとしてシリーズで実施することとした。そこでは冊子「語り継ぐ9条」を活用したい。また、東北アジアの平和と信頼の構築のために、韓国や中国のYWCAと顔の見える関係づくりを推進していきたい。特に、昨年姉妹提携した釜山YWCAと具体的な交流プログラムができることを期待している。
 また、今もイスラエルの占領下にいるパレスチナの人々に思いを馳せ、この地の人々の正義と平和のために、オリーブの木キャンペーンに続くパレスチナYWCAへの新たな支援を検討中である。
 女性への暴力の問題では、開設2年目を迎えたDV被害者のためのステップハウス運営において、支援体制のさらなる充実や、「支える会」の会員拡充につとめ、広く社会に向かってDVについての理解や支援の輪を広げていきたい。
 子どもたちをめぐる状況では、昨年多くの反対の声があったにもかかわらず教育基本法が改変された。このような時代にこそ、YWCAのもてる資源を活かし、子どもたちに対して、学校や家以外での学び・遊び・出会いの場を作っていきたい。また、中学・高校YWCAとの交流を深めることで、学校現場への働きかけも行っていきたいと考えている。
 そして、これら多くを実現していくためには、運動を担う若い女性のリーダーシップが欠かせない。女性がリーダーシップを発揮できる場所であるYWCAでは、人材育成・研修センターが「支えあう社会」を創出するために様々なプログラムを企画しており、希望者にはインターンとして学ぶ道も開かれている。7月には「生活を変革し、コミュニティを変革する」をテーマに、世界YWCA総会がケニア・ナイロビで開催されるが、日本からも多くの若い女性が参加する予定であり、大阪Yからも4名が参加する。世界総会に先だって開催されるIWS(国際女性サミット)では、世界的な課題である「HIV/AIDS」がテーマとなっている。報告会を楽しみにしたい。
 大阪YWCAでは、90周年を2008年にひかえ、今年は準備の年となる。運動を担い、歴史を引き継いでこられた諸先輩方に学びながら、眼前の課題である公益法人制度改革に柔軟に対応しつつ、そのことをバネに、さらに大きく飛躍していきたいと願っている。 

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