あなたの国の憲法の、美しく知恵に満ちた第9条が施行されて60年が経ちました。第9条は、人間が人間である以上避けられない紛争というものに対処する手立てとして、戦争や暴力を未然に防ぐと共に、非軍事的・非暴力的方法で紛争を解決しなければならない、と述べています。
あなたの国の戦争放棄の第9条を、私は、この地球上の人類の殆ど全てからの情熱的な声・・・戦争終結を求める熱烈な声であると理解しています。第9条は、ただ単に日本の宝ではありません。第9条は全人類のものです。私は、第9条の知恵が、全ての国の憲法の一部になることを待ち焦がれています。そうなれば人類は、長年の忌まわしい「戦争の支配」によってではなく「法の支配」の下に、お互いの差異を解決し、紛争を処理するようになるでしょう。
残念なことに、今現在は、『法の支配』よりむしろ『戦争の支配』への強い欲望を見せる指導者に、日本の皆さん、そしてアメリカの我々は苦しんでいます。私達の国の指導者達は、どちらも同じ病気に罹っているようです。それは、『軍事力が問題解決の方法であるというイデオロギー的な信条』という病気です。
第9条を愛する親愛なる日本の皆さん。この恐ろしい時代に、非暴力の方法を見つけ、あなたと私の国の両政府に、戦争放棄の第9条を葬らせないことが、今最も重要な課題です。
アメリカに住む私達の課題は、単独行動主義的・軍国主義的・新保守主義的な、傲慢な振る舞いをとっているわが国政府の軌道を修正することです。創造性を持って非暴力で思慮深く、協力的な関係を地球全体に実現するものへと変えていかねばなりません。
世界中で行われるアメリカの戦争に自衛隊を自由に使う、そのために第9条を破壊せよと、アメリカ政府は日本に圧力をかけていますが、これは、現代の最も悲劇的なことの1つです。
平和を願って |