大阪YWCAは、女性のエンパワメント、子育て支援、またNGO/NPOリーダーの育成、国際交流等の社会貢献活動をしています。

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大阪YWCA機関紙(2007年6月号) アーカイブ一覧へ
大阪YWCAでは機関紙を年9回(4/5、12/1、8/9月が合併号)毎月1日発行しています。
抜粋して内容をご紹介します。
今こそ第九条を世界に広めよう
女性のリーダーシップを育てて90年  〜人材育成:研修センターの取り組み〜
傾聴カフェ「ラベンダー」
ピースアクション2007
お知らせ

今こそ第九条を世界に広めよう

日本YWCA会長 石井摩耶子

「今年はイノシシ年、美しい国に向かってたじろがずに、一直線に進んでいく覚悟でございます。」今年初めにこう挨拶した安倍首相は、その後、なりふり構わずに国会の最低限の手続きも無視して、教育三法を改悪し、米軍再編への協力を進め、改憲手続き法案を強引に成立させようと、まさに猪突猛進してきた。彼の言う「美しい国」とは「戦争のできる国」のことだったのである。その国作りのために教育基本法を改悪し、国家権力によって国民の内心までも統制して、従順に戦いに赴く国民を作ろうと夢中なのだ。
そうした動きに抗して、5月3日には日比谷公会堂の内外に6千人が集まり、「生かそう憲法、守ろう九条」との思いを一つにし、その後銀座を通り東京駅まで7千人がパレードした。YWCAからも50人を越える仲間が2時間半以上前に集まり、会場警備のために最前席を埋め尽くした。
しかし同時に、国民の半数以上が「改憲は必要」と考えているという世論調査の結果に、どう対応したらよいか考え込んでしまう。特に二〇代の若者の八割近くが「必要」と答え、その最大の理由は「新しい権利や制度を盛り込むべきだから」だという。環境権やプライバシーの権利を加えて時代の変化に対応すること自体は間違ったことではない。だが、安倍首相の改憲目的は、そうした権利すら押さえ込む全体主義的国家の再生にあることを忘れてはならないと思う。
憲法集会でも、浅井基文氏(広島平和研究所所長)は、「現憲法は、個人の尊厳を根底におき、それを保障するために国家があるという国家観を体現している」と強調した。安倍首相が願うような、国家が個人を従属させる国家になれば、新しい人権ばかりか、女性や子どもの人権を含む全ての人権が国家の意のままにされることは、日本の戦前・戦中の歴史が証明している。
さらに重要なことは、交通通信手段や武器の著しい発達、地球環境問題の深刻化と共に、国家間の壁がどんどん低くなり、人々の間に地球市民としての共同体的な意識が広がったこと、また戦争を放棄し軍隊を持たないことを謳った日本国憲法第九条への世界的関心も1999年のハーグ平和会議以来一挙に高まってきたことである。私たちは、122ヶ国に仲間をもつ世界YWCAの一員として、九条を世界に伝える責任がある。安倍首相が主張する後ろ向きの国家観を拒否し、戦争で辛い思いをする人を一人も生みださない平和な国と世界を築くために、世界の仲間とこれまで以上に協働していきたい。7月の世界Y総会は、その良い機会でもある。

女性のリーダーシップを育てて90年 〜人材育成:研修センターの取り組み〜

阪神淡路大震災の年である1995年に、世界YWCA創立1100周年を記念して、専門学校に「際関係開発学科/国際ボランティアワーカーコース」が設置されました。
国際ボランティアワーカー養成を掲げ、国際団体としてのYWCAの特色を生かし、正義に基づく平和の実現に貢献できる人材の養成を開始したのです。以来、絶えざる検討を重ねながら、現在は名称を「NGO/NPOワーカー養成コース」と改め開講しています。このコースを基に、さらに「対人援助」という視点を加え、学校という枠を超え、より学びやすく、多くの人に開かれた講座として「NPO/NGOリーダーシップ養成プログラム」を開講しました。そしてこのプログラムを企画・実施する部署として「人材育成・研修センター」が設置されました。
【YWCAとリーダーシップ養成】
大阪YWCAは90年前の設立当初から、女性たちが、自分たちの持てる力を集め、主体性をもって生き生きと活動を行ってきた団体です。そして特に、若い女性の自立のための働き、例えば、地方から大阪に働きに出てきた若い女性のための寄宿舎の運営や、働く女性のための日本初の夜間女学校の設立などに力を注ぎました。そこは単に女性専用の宿舎として安全に寝泊まりする、あるいは、学校として準備されたカリキュラムを学ぶというだけではなく、生き生きと働く多くのすぐれた人格と出会える場であったのです。ですから初めてYWCAに身を置いた人は、いわゆるロールモデルとなる先輩女性たちとの新しい出会いにより、自分自身を深く見つめ、ふりかえり、そして変えられていくという体験をしてきました。この自己変革の体験途切れることなく継承されてきたことによって現在のYWCAが存在します。YWCAの存在はリーダーシップ養成の生きたモデルであるといっても過言ではないでしょう。
【NPO/NGOリーダーシップ養成プログラム】
21世紀には、今までのように一部のエリートがリーダーシップをとるのでなく、一人ひとりの中にあるリーダーとしての資質を引き出しながら、全体としてのリーダーシップを育成することが必要です。社会に対する責任感を持って生きるセンスをすべての人に、特に若い人に身につけてもらう、こういった願いをこめて養成プログラムを企画しました。

UNITT:「自分」を知る
対人援助に関わるには、まず「自分」を知ること、そこから始まります。自分が何を感じ、どのような価値観を持ち、どのように人と関わっているのか。また「人が生きる」ということをどうとらえるのかをいろいろな視点から学びます。そのため講座として、「グリーフケア養成」「援助者のための傾聴力養成講座」「みんなのジェンダー」等があります。

UNITU:「社会」を知る
主体的に社会に参加し生きていくためには、自分が生きる社会を知ることが必要不可欠な学びです。特に「国際」「女性」「子ども」について、日本の、そして世界の今の状況を掴み、応答していくセンスを磨きます。そのための講座として「国際関係開発論」「平和学」「子どもの参加とエンパワメント」などがあります。

UNITV:問題解決型のリーダーシップスキルを学ぶ

国際協力、社会福祉、教育活動・・・あらゆる「組織」において「運営していく力=マネジメント」は必須であり、現場で必要なのは「協働」です。人や組織を繋ぎ、掲げたミッションに基づいて課題解決を図るための資源を得、プログラム(事業)をつくること。そのための「実務能力」を学びます。そのための講座として「非営利組織マネジメント」「ボランティアファシリテーション」「企画力トレーニング」などがあります。
【ケアする人のセミナー】
人は生きている限り、支えあう=「ケア」しあうことが必要です。では「ケア」とはどのようにすることでしょう。その問いの答えはきっと人が生きる現場の中にある・・・その思いのもと、様々な現場で活躍をされているゲストをお招きするセミナーです。

YWの窓 傾聴カフェ「ラベンダー」

“傾聴カフェラベンダー”というと「??何それ?」と聞き返されることが多い。が、これは二年前から大阪YWCAが開講している「傾聴力養成講座」の修了生の実践の場として、有志により昨年十一月に正式オープンした喫茶室。月に三回、大阪YWCAの一F会員 ルームが、季節の花、会員手作りの焼き菓子、そして挽きたてコーヒーの香り立ち込めるカフェに変身。新聞・テレビでは毎日胸の痛む暗いニュースが報道されている。一人暮らしで一ヶ月以上誰ともしゃべっていない高齢者、相談する人がなく育児ノイローゼの母親、いじめにおびえる子ども達・・・ただおしゃべりしたいのに、ほんのちょっとでいいから話を聴いてほしいだけなのに、なかなかそのような場を持てない社会。「傾聴」そして「生きること」を学んできた我々に、何か出来ることはないか、お役に立てないものかとこのカフェを始めた。「傾聴の場を作り、社会に広め、人と人とが支えあう社会を目指す」と いう目標に向かって努力している。
一度でもご来店頂いた方が、“カフェラベンダー”を思い浮かべた時に、何となくほっとし、「あぁまた行ってみたいな」と想ってもらえる。そのようなおだやかな暖かい場 でありたいと考え、スタッフ一同で大切に育てている。ぜひ1度覗いてみてほしい。そして一人でも多くの方に、このカフェの存在を広めてもらいたいと願う。
(会員 古川順子)

ピースアクション2007

大阪YWCAでは、毎年ピースアクションを行っています。憲法9条を世界の平和の礎にと願ってきた私たちにとって、今年は憲法施行60周年の記念すべき年です。憲法9条によって保障されている平和のうちに生存する権利を自覚し、いろいろな場と時をいかして平和憲法を再確認していくために、今年度はピースアクション2007を通年プログラムとしてシリーズで実施することになりました。
第1回目は世界YWCA日(4/25)に行い、憲法についてグループディスカッションを行いました。この後、第2回目を6/9に平和・教育問題について「子どもの生きる力」と題して行う予定です。

お知らせ

この度、団体の正式名称を 「財団法人 大阪キリスト教女子青年会」から、
「財団法人 大阪YWCA」に変更いたしました。

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