「阪神・淡路大震災支援活動報告書」より
こころのケア活動
[設立の経過]|[活動の経過]|[活動内容]|[組織]|[ボランティア]|[主な研修会]|[シンポジウム]|[配布パンフ]|[主な協力団体・支援団体・企業・個人]|[報道]
1.設立の経過
- 1/18(水)
- ・緊急救援活動開始(詳しくは大阪YWCA緊急救援活動の項参照)
- 1/19(木)
- ・ケリー・レモン・キシさんから連絡あり
- 大阪YWCAに会場提供他の協力要請
- 1/21(土)
- ・カウンセリング関係者が集り、呼び掛けと学習会(約40人)
- ・学習リーダー(ケリー)、通訳と資料翻訳(小森芽 美)
- ・大阪YWCAからの資料提供(現地状況組織化のポイント)と企画案の発表
- 1/22(日)
- ・大阪YWCAで活動計画書の作成とプレス・リリース、ボランティアの募集開始
- 1/23(月)
- ・ボランティア応募電話殺到(この日より続く)
- ・北海道教育大学の藤森立男助教授より北海道奥尻島の災害後ケアの情報と資料の提供の申し出がはいる
- 1/24(火)
- ・夜/ボランティアへの勉強と説明、打ち合わせ(約100人)
- 講師:小西聖子(精神科医、犯罪被害者相談室)
- 1/25(水)
- ・昼/ボランティアへの勉強と説明、打ち合わせ(約50人)
- 講師:岡田幸之(精神科医、犯罪被害者相談室)
- ・夜/芦屋生活心理研究所で打合せ
- 黒木賢一(臨床心理士)、高橋哲(臨床心理士)、西原由記子、金香百合
- 1/27(金)
- ・活動直前ミーティングとトレーニング(ロールプレイ)
- 1/28(土)
- ・活動開始日
- 芦屋方面と東灘区方面とに分かれて避難所の訪問
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2.活動の経過ーこころのケア活動(巡回訪問)
- ▼第1期(1/28〜2/28)
- 「大阪YWCAこころのケア・ネットワーク」の名のもとに募集したボランティアと専門家など約100名が、2泊3日毎の泊り込みで、毎日各地の避難所を巡回訪問した。顧問とスーパーバイザーが現地でボランティアのスーパーバイズとケアにあたった。
現地基地(第1期・第2期)を日本キリスト教団芦屋西教会にお願いし、4月2日までの活動の拠点とした。
訪問地域:芦屋市、東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区
- ▼第2期(3/1〜4/2)
- 活動のさらなる継続が必要と判断し、第2期の活動を決定。現地リーダー5人を委嘱し、活動体制を強化した。関西地域のボランティアに加えて、関東地域の「心のサポートミッション」からボランティア約70人が新たに参加し、第1期に続いて巡回訪問を実施。現地基地で宿泊しての毎日の活動はこの期で終了。
- ▼第3期(4/10〜6/30)
- 継続しての訪問活動が望まれている避難所を中心に、日帰りでの定点活動を始めた。そのためのボランティアチームを新たに組織し、再研修を実施した(ボランティアは2〜3月の活動経験者から選抜)。5月からは一部に仮設住宅の訪問を開始し、5グループが定期的な訪問を地道に続けた。個人ケースも継続。
- ▼充電・及び仮設住宅調査期間(7/1〜9/30)
- 避難所・待機所などへの継続的な訪問を行った。また同時に仮設住宅の状況を調べるための活動も随時に実施した。
- ▼第4期(10/1〜'96年1/31)
- 地域型仮設住宅個別訪問(週2〜3回)とコミュニケーションを支援するためのあらゆる活動を行った。同時に、地元の市民ボランティアを養成する講座を実施した。
- ▼第5期(2/1〜)
- 県外での仮設住宅訪問ボランティア(週1回)の育成と訪問活動に力を入れている。
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3.活動内容
- 被災地(避難所や仮設住宅)において対面方式で話を聴く
- 被災者の方々の「心のケア」に関する情報を提供、パンフレットや資料の配布
- 特に子どもや高齢者、障害者の「心のケア」を支援する
- 「心のケア」を助けるための物質的、人的援助、研修の実施
- 「心のケア」に関わる団体のネットワークづくり
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4.組 織
- ▼第1期('95年1/28〜2/28)
- 顧問 :西原由記子(自殺防止センター所長)
- デイレクター :鹿野幸枝(大阪YWCA総幹事)2期以降継続
- プログラムディレクター:金香百合(大阪YWCA幹事)2期以降継続
- マネージメント :早坂美恵子(大阪YWCA会員)1期〜3期
- ▼第2期(3/1〜4/2)
- 現地リーダー :木村泰子、河野直子、藤野好美、矢野ひとみ、山口恵理子
- スーパーバイザー:小西聖子(東京医科歯科大被害者相談室)、岡田幸之(東京医科歯科大被害者相談室)、西澤哲(大阪府立こころの健康総合センター)、西原由記子(自殺防止センター)
- ▼第3期以降(4/10〜)
- スーパーバイザー:小西聖子(東京医科歯科大被害者相談室)、岡田幸之(東京医科歯科大被害者相談室)、西澤哲(日本社会事業大学 4/1〜)
- ▼こころのケア・プロジェクト
- プロジェクト長:辻加代
- 顧問:
- ('95年4月〜'96年3月)
- 小西聖子(東京医科歯科大被害者相談室)、岡田幸之(東京医科歯科大被害者相談室)、西澤哲(日本社会事業大学 4/1〜)
- ('96年4月〜)
- 小西聖子(東京医科歯科大被害者相談室)、西澤哲(日本社会事業大学)
- メンバー:
- ('95年4月〜9月)
- 河野直子、鹿野幸枝、西原由記子、早坂美恵子、平木貴美子
- ('95年10月〜'96年3月)
- 秋山佳子、岸岡孝昭、鹿野幸枝、平木貴美子、堀河昌子
- ('96年4月〜)
- 秋山佳子、岸岡孝昭、金香百合、楠本節子、鹿野幸枝、東和、平木貴美子、堀河昌子
- 担当幹事:金香百合('95年4月〜'96年3月)
坂上信子('96年4月〜)
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5.ボランティア
- 第1期開始にあたって募集し、説明会を2回実施(150人中約80人が登録)
[望む経験]カウンセリング基礎知識、電話相談、教育学・心理学専攻等
[条 件] 毎週火曜日の勉強会に参加可
心身とも健康な人(20歳以上の男女)
期間中に3日間(2泊3日)以上活動できること
- 第2期開始にあたって、東京の「こころのサポートミッション」からボランティア(大阪YWCAを参考にした研修を受けた)を受入(60人)これに1期ボランティア継続者を加えて実施。
- 第3期は従来のボランティアの中から継続登録した者で実施。
- 第4期・第5期は継続者に加えて、地元市民ボランティアを育成すべく「実戦的ボランティア養成講座」を実施し、新しいボランティアの獲得に努めた。
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6.主な研修会
- 1/24
- ボランティア向け勉強会・説明会(夜 約90人)
- 1/25
- ボランティア向け勉強会・説明会(昼 約60人)
- 2/8
- こころのケアに関する関係者/団体ネットワークの会合(約20人)
- 2/14
- 自治体職員、教師のための講習会(約15人)
- 2/15
- 青少年団体関係者・青少年リーダーのための講習会(約110人)
- 4/9
- 長期ボランティアのための研修
講師:小西、岡田、西澤
- 6/10〜11
- 一泊研修(於:神戸市いこいの家)
- 6/21〜7/1
- アメリカの「災害時の子どものこころのケア」に学ぶ
NCC(日本キリスト教教会協議会)を通じてアメリカから2人のファシリテーター(バ−バラ・ウィーバー、ドリス・ウィリス)が来日。
計4回のワークショップを実施。
- 10〜11月/2〜3月
- 市民ボランティア養成実践講座 〜地元のやる気を咲かせよう〜
- ▼仮設住宅訪問ボランティアコース
- 講師:前田圭子(神戸YWCA)、金香百合他
- 11/10〜12/8 計5回
- ・神戸市内の仮設住宅にかかわる新しいグループにつながる(10人余り)
- 2/17,24 計2回
- ・大阪市内の仮設住宅にかかわるボランティアを育成
- ▼チャイルドケアボランティアコース
- 共催:阪神淡路大震災被災こども支援の会
- 講師:岡田幸之、石原順子(阪神淡路大震災被災こども支援の会)、南陽子(阪神淡路大震災被災こども支援の会)
- 10/28〜11/26 計3回
- ・被災地域に住む青年たちが参加。ビタミンIリーダー等につながった。
- 3/4,11 計2回
- ・芦屋市女性センターとの協力で実施
- ▼仮設住宅訪問ボランティア経験者研修
- 4/12 講師:加藤寛(兵庫県精神保健協会こころのケアセンター)
- ※他団体への講師派遣(多数)
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7.シンポジウム
- 国際ボランティア・シンポジウム('96年3月 読売新聞社主催)
シンポジストとして金香百合参加。
- 活動報告会('95年7月)
・東京(会場:東京YWCA/こころのサポートミッションのボランティア向けに)
・大阪(会場:大阪YWCA/ボランティア、関係者向けに)
- 地域に生きるボランティア 〜震災から学ぶ〜('96年3月2日)
講 師:神田裕司(神戸カトリック鷹取教会司祭)
シンポジスト:秋山佳子、岸岡孝昭、北山祥子、大同敬子
- 心のケアワークショップ('96年3月23日)
シンポジウム「心のケアとボランティア」
共催:朝日新聞厚生文化事業団
講師:藤森和美、岡田幸之、西澤哲、益田悦子、金香百合
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8.配布パンフ
- こころのケア 〜災害のあとに〜 (大阪YWCA作成) 45,000部
- 災害を体験した子どもたち ─こころの理解とケア─
(北海道教育大学人間科学教室/藤森和美・藤森立男作成) 10,000部
<協力/大日本インキ化学工業株式会社>
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9.主な協力団体・支援団体・企業・個人(順不同)
- 日本キリスト教団芦屋西教会、東京医科歯科大学犯罪被害者相談室(山上皓、小西聖子、岡田幸之、穴田富美子)、西澤哲(日本社会事業大学)、西原由記子(自殺防止センター)、黒木賢一(芦屋心療オフィス)、高橋哲(芦屋生活心理学研究所)、藤森立男・藤森和美(北海道教育大学)、長谷川浩一(青山学院大学)、小森芽美、アメリカ・メソジスト教会連合(ドリス・ウィリス、バーバラ・ウィーバー)、市川佳津代(泰正会理事長)、大分出会いの村里親協力会(安東静夫)、朝日新聞大阪厚生文化事業団、関西テレビ青少年育成事業団、毎日新聞大阪社会事業団、ユースサービス大阪、大日本インキ化学工業株式会社、日本建設産業職員労働組合協議会、建設広報協議会、建設産業労働組合同盟、日本モトローラー、アメリカ商工会議所、ASTリサーチ・ジャパン、横河ヒューレット・パッカード、松下電器産業労働組合、NCC(日本キリスト教協議会)、神戸YWCA、神戸YWCA救援センター、関西いのちの電話、京都いのちの電話、神戸いのちの電話、女性とライフサイクル研究所、心のサポート・ミッション、京都生協労組「被災地に口紅をおくる会」、くるみ幼稚園、兵庫県精神保健協会こころのケアセンター他
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10.報 道
- 以下の番組、新聞、雑誌等で取上げられた
ニュースステーション(朝日)、発信基地(NHK)、おはよう朝日です(朝日)、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、東京新聞、週刊朝日、北海道新聞、ジャパンタイムス、ボランティア元年(朝日ソノラマ)、世界(岩波書店)等
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[ビタミンIプログラム]|
[こどものためのプログラム]|
[被害者相談室の開設]|
[全体をふりかえって]
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