女性の自立を支援します。ＤＶ被害者の為の長期自立支援施設、支援者養成、サポート/講座など。

桜美林大学時代に創立者でありヴォーリズの愛弟子であった清水安三に師事。財団法人基督教視聴覚センター、霊南坂教会改築事務局長を経て1988年より株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所に勤務。この間創立者ヴォーリズについて多くを学ぶ。
2017年からは同社顧問の傍ら近江八幡の公益財団法人近江兄弟社 ヴォーリズ記念館 嘱託研究員として史料の研究や広報活動にも従事している。
ヴォーリズの建築、その生涯やそれにまつわる人物の歴史の研究の他、ＮＨＫラジオ深夜便などの番組出演、ＮＨＫ文化センター、コープ生活文化センターなどの講座、大学、高校、教会、ＹＭＣＡ、豊中市、京都市市民総合センターなど各種団体への講演活動を通じてヴォーリズの物語を語り続けている。大阪ＹＷＣＡでも創立に関与した廣岡浅子に関連する講演5回、ヴォーリズツアーに2回添乗している。

この春、阪急電車の「女は大学に行くな…という時代があった」という吊広告があり話題となった。神戸女学院という歴史ある女学校がそういう時代に創設されたことを改めて思い起こすキャッチだ。
現代においてはそんな常識は無く、性別の比較でにおいてでなく、社会の第一線で女性が働きを担っている。
しかし、大阪ＹＷＣＡが誕生した100年前にはこれは世の常識ではなかったことを改めて思う。大阪ＹＷＣＡ創設時に関わったあの廣岡浅子や日本で最初の女子留学生として知られる大山捨松、津田梅子のような先人たちの活躍はあったものの、世の中の常識が変わっていくにはそれからも長い道のりがあったと聞く。いわゆる「女性史」のような研究が誕生の発端は、大正期における生活改善運動にあるようだ。日本が単なる受け売りの西洋化から脱皮し、自ら生活改善を模索する中でいよいよ社会生活における女性の役割が重要になってきたという。家長制度における「家」の概念も新しい「家庭観」「家族観」へと、家庭における主人公は主人から主婦へという変化したという。そのような変化にかかわった文化人たちの一群に関係したひとりが建築家として知られるＷ.Ｍ.ヴォーリズである。
物としての家でなく、家庭をどう考えるか、健康と生活の空間としての家をどう組み上げるか…建築設計技術者である以上にライフデザイナーとして「家」を哲学したヴォーリズ。彼ら生活改善運動にかかわった人々の思いを辿りながらあの女性たちが活躍し始めた時代を振り返ってみたい。