Y子:アジア杯、日本はUAEにPK戦で負けちゃったね。初戦のパレスチナには4−0で快勝したのに。それに しても、パレスチナって、サッカーの試合ではあまり見たことがないけど、強いの?
パレニャン:見たことが無いのは当然、じつはこのアジア杯がパレスチナ代表チームにとって史上初の世界的なトーナメント大会だったんだ。昨年、チャレンジカップを勝ち抜いてやっと得た出場権。先日の日本戦は、パレスチナの人々にとって「歴史的瞬間」だったんだニャ。夏にイスラエルの攻撃を受けたガザでも、何百人もの人々が大きなスクリーン前に集まって応援したんだ。
Y子:そうなんだ! だから監督が、大敗だったのに、「言葉にならないほど誇らしい。パレスチナの旗が振られ、国歌が流れたことが重要なんだ」と発言したのね。
パ:もうひとつ重要なのは、代表選手の中には何人も、外国に逃れたパレスチナ難民の子孫がいる、ということ。イスラエルやヨルダンはもちろん、アメリカや南米のチリから来た選手もいる。みんな、代表選手としてプレーするためにパレスチナに帰ってきた。いつの日か故郷に帰るのが難民の夢だとすれば、パレスチナ代表は、その夢を体現した「ドリームチーム」なんだニャ。
Y子:ステキ!
パ:イスラエルは選手の移動を妨害、今回のアジア杯も選手が出国を許されず、登録メンバーが一人少ないという状態での日本戦。FIFAは以前からこの問題を重視してて、イスラエルに警告したり、特別委員会を設けたりして解決しようとがんばってる。行使こそしなかったけど、昨年はイスラエルに対する制裁や、除名さえ検討されたんだニャ。
Y子:すごい! 国連ですら制裁できないでいるのに。
パ:「中東のロナウド」と呼ばれるエースのアシュラフ・ヌーマンは「パレスチナチームは、困難に負けず、常に前進している。そのことを世界に示したい。そして、パレスチナの人々の笑顔を取り戻したい」。ニャンてかっこいいニャン! サッカーの世界は、政治の世界よりも進んでいるのかもニャ。 |