平和憲法9条を堅持の活動を推進しています。あらゆる「暴力」を否定し、「積極的平和」を実現するために行動します。

大阪YWCA
JAPANESE ENGLISH
TOP PAGE YWCAについて Q&A お問い合せ 交通アクセス サイトマップ
イベントカレンダー 女性支援 子ども・子育て 平和と環境 リーダーシップ養成 国際交流 その他活動
TOP PAGE > 平和と環境 > りさ〜ら
平和と環境
平和と環境トップ
平和
環境
ボランティア募集
支援のお願い
会員になる
りさ〜ら
大阪YWCA国際部パレスチナグループ
ニュースレター(2015年2月1日発行 第37号)
アーカイブ一覧へ
※”りさ〜ら”とは、アラビア語で「手紙」「伝言」という意味です。
前線化するエルサレム 2014年のガザ侵攻を受けて
オリーブの木キャンペーンは今
パレスチナ猫・パレニャンにきく中東ニュースの小窓(5) 「ドリームチーム登場! サッカーアジア杯・日本VSパレスチナ戦」
講演会参加報告
パレスチナグループは仲間募集中

前線化するエルサレム 2014年のガザ侵攻を受けて

 2014年夏、再度ガザへの大規模侵攻が起こった。世界最高の人口密集地であり、180万もの人口を抱えるガザに対し、陸・海・空を完全封鎖した上での集中攻撃は、2008年末から数えて3度目である。多くの人命が失われてきた。残念ながら私たちは、こうしたガザへの包囲攻撃どころか2007年以降続くガザへの封鎖を止める手立てを手に入れられないままでいる。「ガザ攻撃」という言葉がもはや一般名詞化している状況であり、「また始まった」というのが多くのパレスチナ人の感覚だろう。
 私は2012年から毎年約半年をエルサレムで暮らしている。ガザを訪問する機会はこれまで得られていないが、ここではエルサレムでの暮らしとガザ攻撃との関係、その余波について紹介したい。
 今回の侵攻では、ある意味ではエルサレムもその前線の一部だったと言える。イスラエルが侵攻を決定する理由としたのが、2014年6月、10代のユダヤ系イスラエル人入植者(*注1)青年3人が殺害されたことに関するハマース懲罰(*注2)であったが、翌月にはこの事件への「報復」と称して東エルサレムに住む16歳のパレスチナ人少年ムハンマド・アブーフデイル君がユダヤ系イスラエル民間人によって殺害される事件が起きた。生きたまま焼き殺すという凄惨な殺害に対して、イスラエルでは首相はじめ多くの要人や一般人から非難の声が上がり、6月に殺害された入植者青年の遺族もアブーフデイル君の遺族を慰問した。その後、容疑者3名が特定されイスラエルで起訴された。だが一方で、イスラエル政府は入植者青年たちの殺害はハマースの組織的犯罪だとしてガザ侵攻に踏み切った。これは言わば集団的懲罰であり、〈個人の犯罪〉を〈集団間の戦争〉に仕立て上げるものだった。つまり、ユダヤ系市民によるパレスチナ人少年殺害は「個人」の事件として処理されたのに対し、入植者青年殺害事件の犯人はハマースへと拡大され、西岸地区(*注3)でのパレスチナ人大量拘留・ガザ侵攻へと進んでいった。
 こうした「犯罪」に対する「戦争」の応酬(封鎖した上での空爆とロケットでの応戦を「戦争」と呼ぶこと自体作為的なことだが)を政府が進めたことで、一部のイスラエル人はパレスチナ人を「遍在する敵」としてイメージしているように感じる。実際、ガザ戦争後のエルサレムではパレスチナ人に対するヘイト・クライムと言えるような事件が複数起った。ユダヤ人集住地区である西エルサレムや入植地では、パレスチナ人労働者が複数のユダヤ人に白昼堂々襲撃される事件が数々あった。西エルサレムでパレスチナ人タクシー運転手がユダヤ人に襲撃されたり、公共交通機関でパレスチナ人女性が肉体的暴力を振るわれた。別の場所では「アラブ人は働かせていません」と看板を掲げる店もあった。政府の操作によって生まれる集団への憎悪は、文脈が切り落とされて憎悪そのものだけが先走るという事態が生まれつつあるように感じる。
  去年の暮れはユダヤ人入植者たちがイスラーム第三の聖地のあるハラーム・アッシャリーフに入り、警官隊も巻き込んだパレスチナ人との衝突が起こったことで、イスラエル当局がイスラーム聖地へのアクセスを禁止する措置を取った。この流れの中でエルサレムではパレスチナ人個人によるイスラエル市民の殺害事件がシナゴーグ(*注4)や鉄道などで3件続けて起き、イスラエル軍による犯行者の家族の逮捕やその家屋破壊という超法規的措置により、一時期はイスラエル軍とエルサレム内のパレスチナ人村や居住区での衝突が連日のように報告されていた。エルサレムが前線と化す厳しい時期だった。
 こうした状況はパレスチナ問題の構造に変化が起こらない限り、今後も続くだろう。私の周りのパレスチナ人は、こうした前線で政治に鼻白みながら日々を何とか生き抜いている。できることは少ないけれど、そうした彼らと一緒に物を見ながら、自分にできることを探す毎日である。 (2015年1月、エルサレムにて)

注1「入植者/入植地」 パレスチナ領内に建設されるユダヤ人集住地区。イスラエル人口の約一割50万人が住む。入植地の凍結が和平交渉の前提だが建設が続き、和平の障壁となっている。
注2「ハマース」 ガザに拠点を置いてきたイスラーム主義勢力。福祉政策が民衆の支持を集め‘06年選挙で与党の地位に就くが、過激派と目され国際社会からは経済制裁を受ける。 ’14年6月にファタハと連立、自治政府が統合。
注3「西岸地区」 ヨルダン川の西岸に位置するパレスチナ自治区。
注4「シナゴーグ」 ユダヤ教の教会

(立命館大学専門研究員 金城美幸)

オリーブの木キャンペーンは今

 オリーブの木キャンペーンは、2002年、パレスチナのYWCAとYMCAが恊働して世界に呼びかけて始まったキャンペーンで、イスラエル軍により破壊されたオリーブ畑に、オリーブの苗木を届けるための募金活動です。
 2000年9月のインティファーダ(民衆の抵抗)から、広範囲にわたり、農場と100万本以上のオリーブの木が、イスラエル軍により破壊されました。オリーブの多くは数百年から千年もの樹齢のものでした。破壊は今も日常的に行われています。けれどもパレスチナの人々は女も男も子どもも、生存への危機にも関わらず、希望を失わずに暴力のない社会を創ろうとしています。
 世界中の人たちがパレスチナの人々と共に平和を創りだすために、このプロジェクトを支援しています。

  ●2000年9月以降に破壊されたオリーブの木 100万本以上

  ●今までにキャンペーンにより世界中から送られたオリーブの木の総数  9万本以上

  ●日本から送られたオリーブの木の総数 2354本(2014年12月現在)

  ●キャンペーン年間目標 8000本のオリーブの木を植えること

今パレスチナで起こっていること

水資源の搾取
被占領地では、地下の水資源もコントロールされ、パレスチナ人が使用できる水は、イスラエル人の5分の1だけ。パレスチナでは雨水を大切に貯めて使っています。

土地の接収
「壁」やバイパス道路、軍事基地の建設等のため、イスラエル国家によるパレスチナ人の土地の非合法な接収は続いています。2014年夏には、西岸地区の8つの村の1,000エーカーの土地の一方的な国有化が宣言され、国際的にも避難を集めています。

移動の制限
分離壁の建設により、コミュニティが分断されています。また、エルサレムへの立入りは厳しく制限され、IDを持っていないとエルサレムに入ることができません。西岸地区に住むパレスチナ人は、エルサレムに入ることもできないのです。

入植地の建設
和平交渉の前提であるはずの入植地の凍結ですが、実際には入植地の建設が進んでいます。入植地間を結ぶバイパスの工事も進み、パレスチナ人は土地を奪われ続けています。

家屋破壊
イスラエル人のための入植地建設等を理由として、先祖伝来の土地に住んでいるパレスチナ人に対して、家屋破壊がなされています。

繰り返される軍事侵攻
ガザ地区への軍事侵攻は、2008年以来3度も繰り返され、その度に子どもを含む罪の無い市民が犠牲になっています。強大な軍事力を背景に、「戦争」という暴力が繰り返されています。

オリーブ畑の物語
 ハルツーム・ムーサさんはハデル村に住む41才の女性で6人の子どものお母さんです。かつてはハデル村に10ドナムの土地を持っていました。イスラエルによって分離壁が建てられるまで、そこにはいろいろな果物の木が植えられていました。「壁」の建設が始まると、ハルツームさん一家には6ドナムの土地しか残りませんでした。受難はそれだけに終わらず、2004年にはイスラエル軍が残りの土地を取り上げてしまい、そこに軍事基地を置き、ハデル村のパレスチナ人を見張る監視塔が建てられました。軍事基地の建設は土地には大変なダメージをもたらし、すべての木が破壊され、一家は土地に近づくことができなくなりました。
 2012年、イスラエル軍はこの土地から撤退し、一家はそこに戻ることができました。一家は再び開墾を始め、土地を耕し始めました。それが唯一の生計を立てる道だったからです。2014年2月、オリーブの木キャンペーンはハルツームさん一家に250本のオリーブの苗木を差し上げました。20人のパレスチナとノルウェーからの学生が一緒に畑に出かけ、ハルツームさんたちがオリーブの苗を植えるのを手伝いました。
Joint Advocacy Initiative ホームページより

苗木に託し、パレスチナに希望を届けませんか
−オリーブの木キャンペーンに参加するには−

3000円でオリーブの木1本を贈ることができます。
*3000円にはオリーブの苗木代金と送金手数料が含まれています。
*寄付者には証明書が発行され、植樹された場所にはプレートに寄付者の名前が刻まれます。
*パレスチナYWCAによる証明書発行のため、振替用紙にお名前のローマ字表記を必ずご記入ください。

振込先(郵便振替)
加入者名:公益財団法人 日本YWCA 
口座番号:00170-7-23723
振込用紙の通信欄に 「オリーブの木キャンペーン」と「お名前のローマ字表記」をご記載下さい

詳しくは日本YWCAホームページをご覧ください

パレスチナ猫・パレニャンにきく中東ニュースの小窓(5) 「ドリームチーム登場! サッカーアジア杯・日本VSパレスチナ戦」

Y子:アジア杯、日本はUAEにPK戦で負けちゃったね。初戦のパレスチナには4−0で快勝したのに。それに しても、パレスチナって、サッカーの試合ではあまり見たことがないけど、強いの?

パレニャン:見たことが無いのは当然、じつはこのアジア杯がパレスチナ代表チームにとって史上初の世界的なトーナメント大会だったんだ。昨年、チャレンジカップを勝ち抜いてやっと得た出場権。先日の日本戦は、パレスチナの人々にとって「歴史的瞬間」だったんだニャ。夏にイスラエルの攻撃を受けたガザでも、何百人もの人々が大きなスクリーン前に集まって応援したんだ。

 Y子:そうなんだ! だから監督が、大敗だったのに、「言葉にならないほど誇らしい。パレスチナの旗が振られ、国歌が流れたことが重要なんだ」と発言したのね。

:もうひとつ重要なのは、代表選手の中には何人も、外国に逃れたパレスチナ難民の子孫がいる、ということ。イスラエルやヨルダンはもちろん、アメリカや南米のチリから来た選手もいる。みんな、代表選手としてプレーするためにパレスチナに帰ってきた。いつの日か故郷に帰るのが難民の夢だとすれば、パレスチナ代表は、その夢を体現した「ドリームチーム」なんだニャ。

 Y子:ステキ!

:イスラエルは選手の移動を妨害、今回のアジア杯も選手が出国を許されず、登録メンバーが一人少ないという状態での日本戦。FIFAは以前からこの問題を重視してて、イスラエルに警告したり、特別委員会を設けたりして解決しようとがんばってる。行使こそしなかったけど、昨年はイスラエルに対する制裁や、除名さえ検討されたんだニャ。

Y子:すごい! 国連ですら制裁できないでいるのに。

:「中東のロナウド」と呼ばれるエースのアシュラフ・ヌーマンは「パレスチナチームは、困難に負けず、常に前進している。そのことを世界に示したい。そして、パレスチナの人々の笑顔を取り戻したい」。ニャンてかっこいいニャン! サッカーの世界は、政治の世界よりも進んでいるのかもニャ。

講演会参加報告

★「パレスチナ人女性が語るパレスチナ問題と占領下での保健医療活動」
2014年8月24日(日)16:00〜18:30 京都大学にて

 JVC(日本国際ボランティアセンター)と現地で活動する女性スタッフ、ナジャートさんとドゥアーさんのお二人が報告会のため日本を訪れました。ご縁があって大阪?京都の移動に同行、ランチタイムや移動の電車の中では、「日本はこんなに川が多いのに、どうしてもっと魚を食べないの!?」「ところでこの川、泳げるの?」と生活目線からのおしゃべりに花が咲きました。講演会では、質疑応答に丁寧に応えていただいたお二人。「(同じパレスチナ自治区内でも)西岸地区とエルサレムに住む人の結婚は難しいというのは本当ですか」との質問に、「東エルサレムの女性が西岸の男性と結婚した場合、エルサレムのIDを喪失する。西岸の男性はエルサレムには入れないため、二度とエルサレムに住めなくなる可能性がある。様々な困難があり、その数は減っている」と回答があり、占領政策が人々の関係や日常を分断する暴力に怒りを感じました。

(グループメンバー 宮ア祐)

★世界演劇講座番外編『パレスチナ×アート』〜岡真理さんをむかえて〜
2014年12月3日(水)19時〜21時 「モモの家」にて

 「何かを生み出そうとする人は皆、自分の心情を言葉にしようと一生懸命だ。すると社会の状況に目がいかなくなる。それでいいのだろうか。」という疑問から、劇作家の石原燃さんら演劇に携わる方々によって企画された講座。アラブ文学者の岡真理さんから、パレスチナの人たちが生み出した多様なアート作品・身体表現やアクションまで、写真や映像を通してたくさん紹介されました。
 イスラエル支配による暴力に晒された日常を生きるパレスチナの人たちにとって、そこで生きぬくためにも、アートはとても大事なものなのだとあらためて感じました。それは特別なものではなく、占領の中で暮らす日々の記憶と記録と、今ここに生きている、という命そのものの表現。文学、絵、ダンス、歌、映像…いろんな表現方法があるけれど、パレスチナからの発信を、「第3者が編集したむずかしいニュース」の中からではなくて、パレスチナの日常と共にあるアートの中から積極的に受け取っていくという試みは、日本に暮らす私たちができることのひとつだと思いました。

(グループメンバー 吉田智里)

 

★セミナー「わたしたちの難民問題」
2014年12月3日(水)、10日(水) 神戸市青少年会館にて

 関西難民事業本部と神戸YMCAが共同で開催した、難民問題をテーマにした連続講演会に参加し、特定非営利活動法人JENのシリア事業オフィサーの黒木明日丘さんと、パレスチナの日常生活をテーマに写真を撮り続けているフォトグラファーの高橋美香さんからそれぞれお話を伺いましJENはヨルダンのシリア難民キャンプで、水や衛生設備の管理、ユニクロから寄贈を受けた防寒用衣類の配布などを実施しています。徹底的なニーズ調査にもとづくきめ細かやな支援や、大勢の人々が暮らす町のような難民キャンプの現状など、詳しく説明していただきました。
取材から帰国されたばかりの高橋さんは、撮影された写真を一枚一枚紹介しながら、その写真にまつわるストーリーを話されました。難民キャンプの家庭にホームステイし、生活をともにした高橋さんならではのお話が印象的で、土地を持たない難民の人々の暮らしはかくも厳しいのかと、あらためて考えさせられました。

(グループメンバー 梅澤昌子)

パレスチナグループは仲間募集中

「りさーら」の編集、イベントの計画など、一緒にしませんか?
月に1回程度集まってミーティングしています。
ぜひお気軽にご連絡下さい。

大阪YWCA国際部委員会
〒530-0026大阪市北区神山町11-12
06-6361-0838 fax06-6361-2997
e-mail info@osaka.ywca.or.jp(担当:木下)

 

 
ページトップ
│ イベントカレンダー │ 女性支援 │ 子ども・子育て │ 平和と環境 │ リーダーシップ養成 │ 国際交流 │ その他活動 │
│ お問い合せ │ リンク │ プライバシーポリシー │ 特定商取引に関する法律に基づく表示 │ 日本YWCA │ 大阪YWCA専門学校 │
公益財団法人 大阪YWCA : 〒530-0026 大阪市北区神山町11-12 TEL. 06-6361-0838 FAX : 06-6361-2997 MAIL : info@osaka.ywca.or.jp
Copyright (C) 2007 Osaka YWCA. All Rights Reserved.
  平和と環境トップへ戻る