■映画「壊された5つのカメラ‐パレスチナ・ビリンの叫び」をみました。
徹底した非暴力の行動を暴力で押さえ込む・・・圧倒的なイスラエル軍による支配。村の子どもたちも幼い頃から自然にデモへと向かい、理不尽な暴力と直接対峙させられます。
目の前で、愛する人の命が奪われ、脈々と生命を育んできたオリーブの木が引き抜かれ、大切に受け継がれてきた土地が奪われるというのは、どういうことなのか・・・。「パレスチナ問題」を語るのに、すぐに政治や宗教を持ち出すのはもうやめ、いのちと暮らしを真ん中に置いて、今一度とらえ直したい。暴力に屈せず、尊厳をもって声をあげ続けるビリンの人たちの言葉は、世界中の“私たち”一人一人に投げかけられています。
パレスチナのことはよくわからない、難しそう、という人にこそぜひ観てもらいたいです。とてもシンプルなこと。パレスチナ人監督・イマードのカメラがとらえるまぎれもないパレスチナの現実と、そこで生きる人たちに出会って、“感じる”こと・・・そこから希望が生まれるのだと、この映画がたしかに発信してくれているように思います。“パレスチナの叫び”を受けとめ、どう応えるのか・・・“私たち”が動き、発信する番です。
「壊された5つのカメラ−パレスチナ・ビリンの叫び」(2011年)
監督:イマード・ブルナート、ガイ・ダビディ/パレスチナ・イスラエル・フランス・オランダ
【ストーリー】ヨルダン川西岸地区のビリン村に住むイマードは、四男の誕生を機にカメラを手にし、息子の成長と共に村の様子を記録し始めた。村ではイスラエル軍による違法な分離壁の建設が始まり、耕作地の多くが奪われ、怒った村人たちは非暴力のデモを続ける。愛する息子の姿と友人たちの日々の闘いの様子を刻々ととらえ、パレスチナの現実を鮮明に映し出すドキュメンタリー。 http://urayasu-doc.com/5cameras
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