りさーら

(大阪YWCA国際部パレスチナグループ発行ニューズレター)

第24号 2006年10月1日発行


<目 次>
パレスチナYWCA支援・オリーブの木キャンペーン実施中

太鼓判!おすすめ映画紹介

大阪で結集、パレスチナへの関心高まる

天木直人氏の講演を聴いて

編集後記


オリーブの木キャンペーン

実施中

 わたしたち大阪YWCA国際部では、パレスチナYWCAが呼びかけている「オリーブの木・キャンペーン」を推進しています!3年間で100本の苗木を送ろうという目標を決め、今年で最後の年となりました。パレスチナの人々にとって経済的なものだけでなく、精神的な支えとなっているオリーブの木が、今もイスラエル軍によって根こそぎにされているようです。1本3000円で、オリーブの木の苗木を植樹することができます。たくさんのご参加お待ちしています。

 キャンペーンに参加するには・・・
  *大阪YWCAの会館(梅田、千里)の受付にて直接、または下記の口座へお振込みください。(1口3,000円)
  *オリーブの木1本ごとに植樹された場所が書かれた証明書が発行されます。
  *1口3,000円以上で参加された方で希望された場合は、パレスチナYWCAからスポンサーシップの証明書を受け取ることが出来ます。

    郵便口座 00990−4−46234
    口座名義 財団法人大阪キリスト教少女青年会 
    ・振込用紙に「オリーブの木キャンペーン」とお書きください。
    ・氏名、住所には必ずふりがなも記入してください。

第24号目次に戻る


太鼓判!おすすめ映画の紹介

「アルナの子どもたち−パレスチナ難民キャンプの生と死」

 この映画は、ジェニン難民キャンプで子どもたちに夢を与え続けたユダヤ人女性アルナ・メールとアルナの作った劇場に集まった子供たちとの交流が描かれているが、同時にアルナの死、イスラエルのジェニン侵攻を経て子どもたち一人一人がどのような人生を送った(送っているか)が描かれている。
 俳優になりたいと夢を語った子どもたちの瞳が、圧倒的な軍事力の行使により友人、家族が殺され、家が破壊されるという日々を経験した後で、虚無的になってしまっているのが心に残り、ささやかな希望の光も見ない中で、報復を生きる拠り所にする若者の閉塞感が感じ取れた。自爆テロという行為を無条件で容認することはできないが、そこに至る少年たちの心の奇跡には、人間として共感できるものがある。メディアの報道が、イスラエルの侵攻をテロと呼ばず、パレスチナの人たちの抵抗を暴力、理不尽な怒りと伝えるのは公正ではないと思う。
 男の子たちの多くは銃を取るようになってしまう中で、女の子たちは何を思い、どのように過ごしていたのだろうか。古居みずえさんの『ガーダ』には、平和を願う女性たちの姿が描かれていた。男の子は銃、女性は平和−パレスチナにももっと多様な生き方をしている人々がいるであろう。銃も取らず、平和のための行動もしていない、でも賢明に生きている人々の声も聞きたいと思う。
 (F.R) *この映画は今年の春、大阪でも公開されました。

第24号目次に戻る


大阪で結集、パレスチナへの関心高まる

 7月に始めて開催されたパレスチナ相談会は、月に1度のペースで実施されています。10月は1日に行われました。興味のある方、次回参加してみたい方は、私たちまで問い合わせて下さい。  

●参加した人によるお話●

 7月より始まったイスラエルによる対レバノン侵攻を機に、7月9日、博愛社・生贖主教会において多岐に渡る参加者の下パレスチナの平和のための共同行動に向けた相談会の第一回目が、実施されました。それから月一回開かれる会合で、会の今後の活動について話し合いを進める一方、様々な関係者を(当事者であるパレスチナの方たちも含めて)お招きして学習会を行っています。まだ会自体が発足したばかりなので、具体的な行動には移っていないのですが、大きな方向性としてはボイコット・キャンペーンを柱として会を運営していくことで一致しています。現段階としてはボイコットを行う際の下準備として、イスラエル商品、イスラエル支援企業、学術交流に関する調査を分担して行っています。実際、私は第二回目の会合からさんかさせていただいたのですが、学習会などを通して様々な関係者から「生の声」に直接触れることで、いかにパレスチナの現状が緊迫した状態であるのかを知らされると共に、そういった厳しい状況下でもパレスチナ人としてのアイデンティティを守るために必死に立ち向かっていこうとしている彼らの姿には心を打たれました。又、このような彼らの現状を知り心を動かされた人々が今回のように集い、行動することは、同時に彼らの精神的な支えにもなれるということで、私たちが行っていることに非常に大きな意義を見いだすことができました。しかし、相談会にはまだまだ解決すべき課題が山積みですし、人員も十分とは言えません。だからもし少しでも興味を抱いた方がいらっしゃったら、気軽に参加していただけたらと思います。話は少しそれるのですが、今私は大学でメディア学について学んでおります。といっても、今春入学したばかりなので、まだ駆け出し者にすぎません。それにパレスチナ問題に関しても正直に申しあげますと、知らないことがあまりにもたくさんあります。これから徐々にではあるのですが、双方について地道に学んでいくと共に、どのような形であれ、パレスチナ問題について携わっていきたいと思います。
 (I.N)

第24号目次に戻る


天木直人氏の講演を聴いて

 何年か前に「”イラク戦争に異議あり”と具申した大使が外務省を勇退」という主旨の小さな記事をどこかの新聞で読んだ。勇気のある人が外務省にもいたもんだ。でも、勇退? やっぱり・・・・・!と思った記憶がある。その、元レバノン大使、天木直人氏の生の声を聞こうと9月5日、クレオ西の大ホールは大勢の人々で埋まった。「レバノン・パレスチナのいま−中央情勢と日本の政治」とかかげられた演題にとらわれず、中東地域では稀な緑ゆたかな、四季の変化があって美しいレバノンがなぜ戦争に巻き込まれるのか、パレスチナ問題はなぜ放置されているのか、アメリカべったりの日本が向かっている方向はこれでいいのかと、わかりやすい言葉で語られた。講演後の質疑応答の中で特に私の印象に残ったのは、聴衆の一人(たぶん、アラブ系の人?)が、イラク戦争でアメリカに協力した日本市民の一人として罪悪感は感じないのかと、単刀直入に問いただしたのに対して、天木氏は即座に「感じています。今ここにいる人たちの多くがそう感じていると思います」と答えられたことでした。
 (K.Y)

第24号目次に戻る


編集後記

 無事第2号を発行できてよかったです。パレスチナのめまぐるしい情勢の変化に、私はついていくのがやっとでした。毎日どこかで何かが起きている、けれどもそれらはすべて報道されるわけでもなく、自分自身把握できるものでもない。そんな中、少しでもこれを読む人に知っていただきたいという思いでりさーらを編集しました。
(O.C)

第24号目次に戻る