りさーら

(大阪YWCA国際部パレスチナグループ発行ニューズレター)

第23号 2006年7月1日発行


<目 次>
『パレスチナYWCA支援・オリーブの木キャンペーン推進』

パレスチナ交流集会に参加して

映画「ガーダ〜パレスチナの詩〜」紹介

Olive Picking Program 2006

新メンバーの紹介


今年度もやります!!

『パレスチナYWCA支援・オリーブの木キャンペーン推進』

 大阪YWCA国際部では、パレスチナYWCAによる「オリーブの木・キャンペーン」を推進しています。
※オリーブの木・キャンペーンとは、【KEEP HOPE ALIVE】をスローガンに、1本3,000円でパレスチナの人々の生活必需品である「オリーブの木」の苗木を植えるスポンサーを世界中に呼びかけているものです。

▼50,000本の植樹を目標に掲げています。 占領、紛争が続くパレスチナの地に、希望を輝かせるキャンペーンにぜひご参加ください。

 国際部として、2006年度を含む3年間で100本のオリーブの木を植えよう(送ろう)とコンサート等のイベント実施やリーフレットの作成を行ってきました。

※昨年は8月にパレスチナYWCAのスタッフを囲んで、キャンペーンの現状を伺いました。
※2006年度は12月に予定されている大阪YWCAの「ピースプログラム」(12/16)において、キャンペーンのアピールおよび、パレスチナの子どもたちの「クリスマス」をお伝えできれば、と考えています。

第23号目次に戻る


パレスチナ交流集会に参加して

 5月17日、エルサレム教区主教リア・アブ・エル・アッサール氏を招きパレスチナの今を伝える集会が大阪聖パウロ教会で開かれました。申し込みの時点で定員を満たし、参加できなかった人も出るという事態になり、当日会場は満席でした。アッサール氏の他に、パレスチナ事情に精通している京都大学教授の岡真理氏や、JVCのパレスチナ現地調査員の藤井リカ氏もコメンテーターとして公演していました。パレスチナの今ということで、イスラエル軍のガザ地区撤退や、ハマス政権誕生後のイスラエルとの関係など、最近のパレスチナ事情をエルサレム在住の方から直接聞けたので、確かな情報を得るという意味でも貴重な会であったと思います。またこの交流会には、質疑応答の場が設けられていて、参加した人々が、日頃思っている疑問や意見をアッサール氏に投げかけ、返答してもらうという、聴いているばかりの一方的な会ではなく、聴く側も参加し、共に楽しみや喜びを分かち合うことができる場になっていたと思います。
 確かにパレスチナの現状は決して良いものではありません。むしろ地域によっては、物価が4倍にも跳ね上がったため生活が窮困し、栄養失調の子供が増加しているという予想以上に厳しいものでしたが、アッサール氏の話からは、そんな絶望的な状況も跳ね飛ばす程エネルギッシュで陽気なパレスチナ人の姿が伺えました。「彼らはそんな毎日をいままで過ごしてきたので、これからだって笑顔を絶やすことはない、私たちは死ぬまで笑っているのだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。テレビで報道されるのは、武装シーンやテロのことばかりで、私自身、話を聴くまで、悲観的にパレスチナの現状を見がちでした。ですがそれでも毎日笑いを絶やさないで、平和が訪れるのを待っているパレスチナ人もいるのだということが分かって、なんだか心が温まった気がしました。
(O.T.)

第23号目次に戻る


映画「ガーダ〜パレスチナの詩〜」紹介

 古居みずえ第一回監督作品となる映画「ガーダ〜パレスチナの詩〜」が5月から東京、大阪、名古屋で封切られました。古居みずえ監督へのインタビューが、 ニュース23で放映されました。プロデューサーの言によれば、フィルム編集の際、古居さんは頑として、いかにもといった感じの武力闘争シーンは排除したそうです。彼女が伝えたかったのはあくまで女性の視点からのパレスチナの日常生活だったのです。砲火の中、祈りを捧げる女性たち、奪われた故郷への思いを歌う老婆・・・。こんなユニークなシーンもあります。愛の歌を捧げるおじいさんを、「はいはい」といなすおばあさん。台所で、一人の女性が「胡椒取って、胡 椒!」。「胡椒と平和、どっちが欲しい?」とからかう女性。「そんなこと今はいいから、とにかく胡椒!」といったやりとり。
 人々の表情や部屋に射し込む光などから、一瞬のきらめきを写し取る・・・そんな印象的なシーンがちりばめられた作品のように感じられます。古居さんは気配を消せるカメラマンなのだそうです。そんな古居さんだからこそ、台所や分娩室にまで入り込んでカメラを回すことができたのでしょう。
 この映画が伝えているのは、地球上どこにも存在する「生活」と、それを守ろうとする人間のたたかいです。政治や歴史の基礎知識がなくても、人 間として、生活者として共感できるものがあるのではないでしょうか。無論、パレスチナと政治を切り離して考えることはできませんが、パレスチナを捉える新しい視点を示してくれる映画ではないかと思います。大阪では既にシネ・ヌーヴォーでの上映期間が終わってしまったようですが、自主上映も呼びかけられています。今後のイベントに、チャンスがあったら一候補に挙げてみてはいかがでしょうか?詳しくは「ガーダ」ホームページをご覧ください。
(福岡YWCA職員)  *
「ガーダ」ホー ムページ

第23号目次に戻る


Olive Picking Program 2006

 今年もJAIはオリーブ収穫ツアーに参加する人を募集しています。収穫地はイスラエルの入植地やバイパス道路に隣接したところで、国際的な援助がなければパレスチナの人々は収穫ができないそうです。そのお手伝いをしながら、パレスチナの人々の現状を見て、考える機会を持ちます。エルサレム旧市街や、ベツレヘムの協会、ヘブロンへのツアー、文化行事なども含まれています。
 10/26〜11/4の10日間です。
 日頃、メディアで見聞きすることが本当かどうか、自分の目で確かめ、考えられる貴重な機会です。参加を希望される方は、大阪YWCAまでご連絡ください。
 詳細は
http://www.jai-pal.orgまたはhttp://www.atg.psをご覧ください。

第23号目次に戻る


新メンバーの紹介

●はじめに・・
 はじめまして。新しくパレスチナ・グループのメンバーに加わったOと申します。この春から大学で念願だったアラビア語を勉強しています。なぜアラビア語なの?とよく聞かれるのですが、私は単に、アラビア語を母語とする人々と、英語ではなくアラビア語で話してみたかったからだと、言います。そう思うようになったきっかけは、あるパレスチナ人女性に出会ったことが大きかったと思います。
●パレスチナと出会う 昨年の夏、函館のYWCAで、エルサレム在住のパレスチナ人女性の話を聴く機会がありました。私にとって初めて出会うパレスチナ人であり、この時初めて遠い世界で起こっているパレスチナの生の声をききました。彼女の公演を聴いて、私は、テレビや新聞で報道されていることは、ほんの一握りに過ぎず、事実が報道されないどころか、大半が宗教の問題や利害関係ばかり強調した偏りのあるものだと気づきました。そしてなにより、彼女の怒りを直接見たことが今でも忘れられません。私はそれ以来、パレスチナで何が起こっているのかを知らないでいることが、見て見ぬ振りをすることと同じだと思うようになりました。もっと彼女たちのことが知りたい、真実を知らないでいたくはない、と思うようになりました。これからはどんな形であれ、パレスチナと関係し続けたいと思います。
(O.T.)

第23号目次に戻る


編集後記
スタッフの個人的な事情から休ませていただいていたのですが、半年ぶりに発行しました。フレシュなメンバーを迎え、新しい気持ちで様々な情報をお知らせします。