りさーら

(大阪YWCA国際部パレスチナグループ発行ニューズレター)

第22号 2005年6月1日発行


<目 次>
『パレスチナYWCA支援・オリーブの木キャンペーン推進』

パレスチナグループ4月度 勉強会報告

アルカサバ・シアター「壁-占領下の物語U」観劇記


今年度もやります!!

『パレスチナYWCA支援・オリーブの木キャンペーン推進』

大阪YWCA国際部では、2004年度から3カ年かけて「オリーブの木・キャンペーン」推進プログラムを企画しています。毎年約10万円のキャンペーン参加(募金)を集めて、3年間で100本のオリーブの木を植えよう!という計画です。
 2004年度は、キャンペーン推進のためのリーフレットを作り、9/11には、キャンペーンを知ってもらうためのコンサートを企画・実施しました。おかげさまで1年目は目標の10万円をパレスチナYWCAに送ることができました。御協力ありがとうございました。
 私たちは今年度(2005年度)も引き続き、このキャンペーンを継続していきます。キャンペーン内容は、下記のとおり予定しています。

●アフターヌーンティーパーティ:6/12(日)15:00〜 を開催します。
 大阪YWCA会員(大阪狭山市在住、最寄り駅南海電鉄泉北高速線「金剛」駅)による手作りのホームパーティと称して、手作りのケーキやサンドイッチなどをいただきながら、ピアノ・フルート・独唱などの音楽プログラムを予定しております。また、キャンペーンアピールもこの場でさせていただきます。

●パレスチナYWCA青年を囲んで:8/21(日)18:00〜 を予定しています。
*来日予定のパレスチナYWCA青年を大阪に迎えて「囲む会」を行います。詳細は次号にて。

●他にも、後半は「講演会」をやろうか・・キャンペーン進捗状況をどのようにお伝えしていくか・・などをパレスチナグループとしてもアイデアを出し合いながら進めていますので、お楽しみにしていてください。

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パレスチナグループ4月度 勉強会報告

 今回の勉強会は、2001年に製作された映画「プロミス」のビデオ鑑賞会でした。
 この映画は、第2次インティファーダ前のものになるので、やや古いかなと思いながら見始めたのですが、なかなか見ごたえのあるものでした。
 内容は、パレスチナ・イスラエル双方の子ども数人に対して、映画監督が1年以上もそれぞれの子ども達に密着し、取材をとおして彼らの考えを聞き出し、映画におさめているというドキュメンタリータッチのもの。彼らは、まだ小学校高学年程度の少年・少女達であるにも関わらず、強硬な思想を持つものもいれば、相手のテロ攻撃を認めてはいないが、必ずしも自国政府の相手を弾圧するというやり方に賛成できないというリベラルな考えをもつ少年もいたりして、画一的なパレスチナ・イスラエルだけでないものも映しだされていたと思います。この映画を鑑賞して、私たちから何か建設的な意見がでたかと言えばそうではないのですが、また別の側面から、この問題を考える機会になったと思います。
(大阪YWCAパレスチナグループ 0)

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アルカサバ・シアター「壁-占領下の物語U」観劇記

 今年の3月「東京国際芸術祭2005」にパレスチナから劇団「アルカサバ・シアター」がやってきました。ストーリーは「壁」に侵食されるパレスチナの日常生活のエピソードをオムニバス形式でつないでいったもの。壁に引き裂かれた夫婦。おばあちゃんのお見舞いに行こうとしてイスラエル兵に追い返される女の子。念願かなってブティックを開店したが、壁の建設で立ち退きを余儀なくされ、夢を砕かれる女性。葬式を出すにも棺を墓地へ運ぶ許可を取るのが一苦労だと、絞り出すように死者に語りかける男性。ある少年は地面に散らばったビー玉のかけらを拾い集めていくと、それは銃弾の破片で、少年が最後に見つけたのは体中に銃弾を浴びて亡くなっている父親だった・・・。
 舞台の上に再現された高さ8メートルの「壁」は、下にコロがついていて、動かせるようになっています。エピソードの変わり目ごとに役者たち自身が「壁」のレイアウトを変え、様々な視覚的イメージを作り出しました。BGMは「くるみ割り人形」から「こんぺいとうの踊り」。「壁」という重いテーマとは対照的な明るい音色のかわいらしいこの曲を組み合わせたのは、ジョージ・イブラヒーム監督のセンスでしょうか。劇中には、アラブの伝統的な弦楽器「ウード」の演奏にあわせて歌ったり踊ったりするシーンもありました。パレスチナ人なら観客も一緒に手拍子をとったかもしれません。
演劇には第三者に現実を伝えるという働きと、当事者の感情を昇華させる働きと二通りあるのだと思います。今回の舞台にも「壁」の現実を外の世界に人たちに知って欲しいというメッセージと、現実をどう生きるかと言う自問をこめたシーンが交錯していました。その都度、私の心もぐっと彼らに寄り添ったり、少し距離を置いたりしながら見た舞台でした。
(福岡YWCA職員)

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